文体へのこだわり.川上未映子訊く/村上春樹語る「みみずくは黄昏に飛び立つ」読みました | 親愛なる人に-読書の薦め

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みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子訊く/村上春樹語る― ☆☆☆

2017年4月 345p 新潮社 第一章「MONKEY」Vol.7 FALL/WINTER 2015 他はすべて語り下ろし

○川上未映子訊く/村上春樹語る「みみずくは黄昏に飛び立つ」読みました.

作家の川上未映子氏がインタビュアーになって,村上春樹の創作についての疑問を訊いて,村上春樹氏がそれに答えるという形の本です.

 

初めは対談集かなと思ったのですが,全くそうではなく,川上未映子氏が過去の作品の登場人物の名をあげて,あのときはこうだったがなぜかとか,ぐいぐい質問をしていきます.村上春樹氏もタジタジの感じです.

これでわかったことは,村上春樹氏が,文体にこだわりを持っているし自信を持っていることでした.小説というものはある意味文体がすべてで,それで初めて物語が届けられるというようなことでした.

 

また,作家は信用が大事で,自分の書くものは読者に信用されていて読まれるということを,確信していました.その点はすごく自信を持っているいるのだなあと思いました.

 

彼は書きたいものを,ただ書いている(でもそれは文体等を伴うことで誰にもできるということではないことですがと)言うことがわかります.きわめてパーソナルなことが,一般化され,世界中に受け入れられるということは,すごく奇跡的なことだと思ってしまいます.やはり,彼のような作家はなかなかいないと思ってしまいます.

最新作「騎士団長殺し」について,たくさん語られているので,「騎士団長殺し」を読んだ方が読んだ方が,この本の面白さが増すと思いました.01417
 

追記

2017年のノーベル賞は,カズオイシグロさんでした.村上春樹さんも,エッセイで評価していた作家さんですね.タイミングというのもあると思いますが,個人的には,村上春樹さんのノーベル賞もまだまだ期待したいです.

 

 

 

 

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