☆☆☆+
2010年1月 中央公論新社 771p
○京極夏彦「数えずの井戸」読みました。
旗本である青山播磨は、いつもどこか自分の中で欠けているところがあると思っています。伯母から身分の高い相手への縁談を言われ、あまり意識することなくこれを受け入れようとします。でも、家宝の皿を差し出すという条件がありました。。。
菊は丁稚に出されても必ず失敗をし戻されてしまいます。自分は莫迦だ莫迦だと思っています。。。
柴田十太夫は、播磨の御用人です。いつもいつも誉められたいと思っています。播磨家の先代はよく誉めてくれたのですが、播磨は誉めてくれません。。。
それぞれの登場人物が、それぞれ気持ちが満たされておらず、やがて青山家に集まり事件が起こるのでした。。。
ということで、京極夏彦「数えずの井戸」読みました。一見関係なさそうな登場人物が徐々につながっていきます。ミステリーです。面白かったです。
でも、読後感は、疲れたーです。話は章ごとに興味深いのですが、出てくる人たちがすこしずつ変なのです。歯車がすこしずつずれている感じなのです。それを読むことによって、読み手の精神の歯車もずれていくような、そんな気持ちになります。
23章にも分かれていますので、一日一章ずつ、ゆっくり読んでゆくべきだったかもしれません。6120
追記
又一という、前巷説百物語
の主人公もチラッと出てきます。
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