有川浩「阪急電車」読みました　上り下りで、ちょっといい話。。。

☆☆☆＋

221p　2008年1月　幻冬舎　「パピルス」11号～16号に掲載されたものに、折り返し分を書き下ろし

有川浩「阪急電車」読みました。

阪急電鉄の今津線の沿線で起こる人間模様を描いた連作短編です。それぞれの駅毎に簡単な物語が生まれ、それが連なっていきます。

ご丁寧に、折り返して半年後の物語も綴られています。あごがきにも書いてありましたが、著者はこの阪急電車沿線に住んでいるそうです。きっと、彼女は電車に乗りながら、この物語を紡ぎ出したのでしょうね。はっきりいってこういうの、うまいです、有村浩。直木賞も近い将来とるでしょう、今のりにのっている作家の一人です。

うちの沿線の物語も書いてくれないかしら。。。以下、覚え書きです。9250

西宮北口方面行き　

宝塚駅
征志は宝塚駅で乗り合わせた女性を一方的に知っていました。というのも、宝塚中央図書館で自分の好きな本を競い合い取られたからでした。。。

宝塚南口駅
翔子は結婚式に真っ白なドレスを着て出席ました、というのも、新婦と新郎の当てつけのためでした。でも、彼女は電車で乗り合わせた孫を連れて老女のひと言に救われます。。。いちばん印象に残った作品です。

逆瀬川駅
翔子に声をかけた時江は、旦那さんを亡くしてしばらく立ちます。今日のことがきっかけで、犬を飼う決心がつきました。。。

小林駅
翔子は老女に言われたとおり、小林駅に降りてみました。。。

仁川駅
ミサは電車の中でカツヤとけんかします。カツヤは電車のドアを殴り、怒って途中下車してしまいました。彼女はカツヤと別れる決意をしたのでした。。。

甲東園駅
しかし、まだ迷っているミサの心をもう一押ししたのが、高校生たちの会話でした。。。

門戸厄神駅
大学生の圭一はたまたま乗り合わせた同じ大学の大学生の美帆に、ふとした偶然で、自衛隊ヘリの説明をし出しました。。。

西宮北口駅
圭一と美帆はつきあうことになりました。。。

宝塚方面行き　西宮北口駅
あれから半年後。。。
ミサが電車に乗っていると、中年おばちゃんの集団が乗り込んできました。車内で騒いで回りは大迷惑です。それになじめないでいるおばさんがいました。。。

門戸厄神駅
気分の悪くなったイトーさんは、ミサと門戸厄神駅で降ります。ミサはあの連中とつきあわない方が良いと諭します。。。