福岡伸一「生物と無生物のあいだ」読みました | 親愛なる人に-読書の薦め

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生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)/福岡 伸一

2007年9月 285p 講談社現代新書  「本」2005年7月号、2006年3月号~2007年6月号掲載
☆☆☆☆+


福岡伸一「生物と無生物のあいだ」読みました。


科学史、とりわけ分子生物学の発展が大変わかりやすく書かれています。


また、その記述が単なる羅列でなく、当時アメリカでポスドクをやっていた著者自らの経験や感慨が重なることによって、内容がより印象深いものになっています。同時代を生きた著者の言葉には重みがあります。


また、分量的には多くはありませんが、本文中で必要な分子生物学の技術についてはわかりやすく、解説されています。分子生物学の入門書としても良いと思います。生物、分子生物学、DNA等に興味がある人、最近の生物学何となく難しそうと思っている方、ノーベル賞に興味のある方、生物の今を知りたい!と思っている人にお薦めです。Y028


以下、章ごとの覚え書きです。


第1章 ヨークアベニュー、66丁目、ニューヨーク
野口英世を巡る評価について。ちなみにこの住所は、ロックフェラー医学研究所の住所です。
第2章 アンサング・ヒーロー
オズワイド・エイブリーの人となりについて

第3章 フォー・レター・ワード
エイブリーの研究成果(肺炎双球菌の形質転換)とDNA


第4章 シャルガフのパズル
PCRの原理

第5章 サーファー・ゲッツ・ノーベルプライズ
PCRを開発したマリスとポスドクの生活について

第6章 ダーク・サイド・オブ・DNA
DNA発見の陰の立て役者、ロザリンド・フランクリンのX線解析について


第7章 チャンスは、準備された心に降り立つ
DNA発見の秘話?

第8章 原詩が秩序を生み出すとき
物理学者シュレーディンガーの著書「生命とは何か」が与えた影響

第9章 動的平衡とは何か
川の流れは、いつも同じに見えるが、中身はいつも違う、生物もそのような性質を併せ持つ

第10章 タンパク質のかすかな口づけ
タンパク質の相補性の話

第11章 内部の内部は外部である
細胞小胞体の話

第12章 細胞膜のダイナミズム
筆者がチャレンジした試験について


第13章 膜にかたちをかえるもの
GP2タンパク質を探る筆者たちの心持ち

第14章 数・タイミング・ノックアウト
ノックアウトマウスを使った試験について

第15章 時間という名の解けない折り紙
生命の不思議について



生物と無生物のあいだ



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