京極夏彦「邪魅の雫(じゃみのしずく)」を読みました | 親愛なる人に-読書の薦め

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読んだ本の感想などを、本屋さんで見かける推薦文のように綴ります・・・お薦め度合いは、☆の数で評価します。親愛なる本好きの人たちに,このブログを届けたいです.

京極 夏彦
邪魅の雫

☆☆☆+
2006年9月 講談社ノベルズ 817p

京極夏彦「邪魅の雫(じゃみのしずく)」を読みました。

主人公の中禅寺は普段は古本屋京極堂の店主ですが、時として憑き物落として事件を解決します。


さて、主人公の友達で大金持ちの探偵、榎木津の縁談話が破棄され続け、その相手が行方不明になったりしていることから、話は始まります。榎木津の弟子の増田は、そのことについて調べるように榎木津の叔父さんから頼まれました。


増田は勝手に想像を働かせながら、調査を始めますが、調べてもなかなか真相がつかめません。それどころか、関係者が殺されていくのでした。果たして・・・


「この世には不思議なことなど何もないのだよ・・・」の決めゼリフで有名な、京極堂シリーズ?、「姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)」から始まったこの連作も、京極堂が主人公のものは本編で9作目となります。もうかれこれ何年このシリーズとつきあっているのでしょうね。今思えばシリーズものなのに、最初に読んだのが、3作目の「狂骨の夢」からでした。

このシリーズは、もうキャラクターが立ってますから、出たら、つきあいで読むしかありませんね(それも最近では2-3年に冊のペースですし)。

ちなみに、次回は「鵺の碑(ぬえのいしぶみ)」だそうです。

ストーリーもさることながら、京極堂が友人で小説家の関口に語る、嘘か真かわからない蘊蓄を読むのが楽しみのシリーズでもあります。


追記

作者の京極夏彦は、文章を必ず見開きの次ページにまたがないで切るよう構成しているそうです。この分厚い本もそのように書かれています。文庫にするときもそこは注意するそうです。すごいですねー。



京極 夏彦
姑獲鳥(うぶめ)の夏

こちらが、京極夏彦のデビュー作にもなる(たぶん)、第1シリーズ。TVとか映画にもなってますねー。


京極 夏彦
狂骨の夢

これは、自分が初めて読んだ、京極堂シリーズ。文章量とその蘊蓄?に圧倒されました・・・


このシリーズ、文庫本より2段組のノベルズで読んだ方が、読みやすいように思います。表紙もいいし。