オタクはすでに死んでいる (新潮新書 258)/岡田斗司夫
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2006年に新宿のロフトプラスワンで、「オタク・イズ・デッド」というトークイベントを岡田斗司夫さんがやりました。

その後、コミックマーケットで岡田さんのサークルから、トークイベントの内容を収録した同人誌『オタク・イズ・デッド』が出ました。


僕はイベントには行っていなくて、『オタク・イズ・デッド』の同人誌を読んで、オタクが死んだという岡田さんの発言を知ったわけです。

読んでみての感想は、ついにこのときが来たんだな~という感じでした。


僕自身は、コミックマーケットとワンダーフェスティバルで、主催者が考えている理念と参加者との考えがずれはじめてきた事から、オタク同士が分からなくなってきていると感じていました。

参加者は一緒にイベントを作っているという意識から、自分は客であるという意識の人が増えてきた。

ワンダーフェスティバルでは、主催者がワンフェスリセット宣言をし1回開催を休止した。


そして今回、新潮新書から『オタクはすでに死んでいる』が出ました。

オタクと昭和の死について書かれています。


オタクが死んだというのは、オタクが共有していた共通意識・共有概念が喪失したという事です。

ただ、マンガ・アニメ・ゲームなどのオタク作品が駄目になったという事ではないです。


オタクは何者だったのか、自分はどの世代のオタクなのか再確認できます。

ちなみに僕はこの本に書かれている、第二世代だと思います。



日本社会の特殊性として、少年マガジンの表紙の変化が興味深いでした。

外国人が、日本はロリコンの国とかチャイルドポルノが盛んな国と感じるのはなぜか。


オタク文化は、日本という特殊な土壌から生まれてきて、中国や韓国には同じ土壌がないので、オタク文化の発展は難しいという事も興味深いです。


そして、昭和の死がクロスオーバーしてきます。



僕は高校時代に『エヴァンゲリオン』を観て、オタクに目覚めました。

そこから『エヴァ』を制作しているガイナックスに興味を持ち、小学生のときに観た『ふしぎの海のナディア』も同じガイナックスが制作している事を知り、感動しました。

ガイナックスについて調べていて、岡田さんを知りました。

そして、岡田さんの『オタク学入門』を読み、オタクの教養を学びました。


それから10年近く経ち、『電車男』以降の萌えブームにより急速に変化していきます。

僕はドラマの『電車男』は好きで観てました。

ただ、そこに描かれているオタクが全てと思われたくないという想いもある。


でも、今はオタクにとって過ごしやすい環境になったと思います。

テレビでは、ガンダム芸人やエヴァ芸人が出てきてゴールデンタイムを賑わしています。

パチンコでアニメのシリーズが出て、アニメを観ない一般の人が『エヴァ』を語ったり。


オタクの共通概念が死んでしまって寂しい想いもありますが、良い時代になったな~とも思います。

そして、未だに最新のオタク事情には興味津々です。

最近のアニメやマンガを観ていなくても、今のオタクに目が離せない感じです。