久し振りの帝丹高校2年B組の教室。
ガラッと扉を開き、暫く不在だった事を思わせない様な態度でオレは教室の中へ入った。
「お~っす」
それまでざわついていた教室内が、その声の主によって瞬く間にシン・・・と静まり返った。
「あん?」
不思議そうにクラスメイトを見渡す工藤新一。
「おはよう!」
新一の後に続いて教室に入って来た毛利蘭の声で固まっていたクラスメイト達が一斉に声を挙げる。
「「お~~~~~~っっ!!!」」
「工藤~~!」
「きゃあ~!工藤く~ん!!」
「生きてたか~?」
教室のあちらこちらで声が飛ぶ。
あっという間に新一はクラスメイトに囲まれた。
そんなクラスメイト達の態度に今更ながら新一は漸く戻って来たんだと実感していた。
「おはよう、蘭」
「園子、おはよう!」
蘭は自分の席に着いてクラスメイトの輪の中にいる新一をそっと見つめた。
「久々に“夫婦”揃っての登校ね!」
蘭の親友、鈴木園子はウィンクしながら言った。
いつもなら“夫婦じゃないってば!”と否定する蘭だが、今日は何故か園子の言葉に頬を染めている。
園子はピ~ンときた。
「はは~ん・・・何かあったわねぇ?」
「えっ?!や・・・別に・・・・」
明らかに動揺している蘭。
益々顔が紅くなっている。
「推理クィーンの園子様を見くびらないでくれる?」
園子はニヤッと笑って、
「新一君に告られたんでしょ?」
ドキッとして瞳を見開く蘭。
園子は蘭のその表情で全てを悟った。
「いつ?」
「・・・3日間前・・新一が帰って来たその日に・・・」
新一はクラスメイト達に囲まれながら、視線を蘭に向けた。
ん?蘭のヤツ、顔が紅いな。
園子がニヤニヤしてる・・・。
口の端を上げて新一は、蘭と園子がどんな話しをしているのか手に取るように分かった。
「それにしても久し振りに工藤と毛利の“夫婦”登校が見れたな」
どうにかクラスメイト達が落ち着き、新一が窓際にある自分の席に座った所に悪友の本多が話し掛けてきた。
「バーロー、“夫婦”じゃねぇよ」
「はいはい、単なる“幼馴染み”って・・・」
言いたいんだろ?・・・と本多が言おうとしたが新一は本多の言葉を遮った。
「“恋人”だよ」
「はいはい、コイビト・・・・恋人?!」
しれっと言う新一に本多は大層驚いた。
新一の爆弾発言にまたもクラス中が大騒ぎし始めた。
to be continued・・・
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