フランコ・バザーリア【メンタルヘルス】 | ウェルビーイングのおすそわけ

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(旧タイトル「カウンセラーからのおすそわけ」)

1978年5月、
イタリアでは精神病棟廃絶に関する
法律180号が制定されました。


この法律制定に影響を与えた
精神科医がいます。


フランコ・バザーリアです。


Dr.バザーリアは、
トリエステ県立精神病院院長在任時、
精神障害の患者を病院内に
閉じ込めるのではなく、
社会で生活するための術を教え、
地域において回復していく
民主的精神医療化を推進しました。


Dr.バザーリアは、
「精神障害の症状は、
それがたとえ異常なものであっても、
様々な困難に対処しようとする必然的な反応」(2005,p160)
であるとして精神の病という概念に異を唱えました。


そして、次のように述べています。


「病気ではなく、
 苦悩が存在するのです。
 その苦悩に新たな解決策を
 見いだすことが重要なのです」
(2005,p69)


Dr.バザーリアは、
患者たちが日常で起こる苦悩に
対峙できるよう対話の場をつくり、
それに伴う学習過程を重視しました。


そして病院を開放し、
地域社会で治癒していくことが
望ましいと考え、
民主的精神医療化を推進しました。


病院の壁に書かれている
「自由こそ治療だ」は、
その象徴と言えるでしょう。


Dr.バザーリアの取り組みは、
自由と責任を患者に帰するものであり、
「幸せになる力は、誰もが持っている」
という信念があらわされています。


イタリアでは2008年に、
バザーリア法を背景にして描かれた映画、
「シ、プオ・ファーレ(大丈夫、できるよ)」が
ロングヒットしたそうです。


引用文献:『自由こそ治療だ/イタリア精神病院解体のレポート』
     ジル・シュミット著 半田文穂訳
自由こそ治療だ―イタリア精神病院解体のレポート/ジル シュミット
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