基本的欲求を満たすための課題(3) | ウェルビーイングのおすそわけ

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力の欲求は、目標を達成したい、重要視されたい、相手よりも優位に立ちたい、という願いの背後で働いている欲求です。

力の欲求は、リーダーシップを発揮したり、成果を生み出したり、世の中に変革をもたらす時に重要な役割を果たしています。
しかし、力の欲求の扱いを誤ると、闘争、差別、戦争などといった破壊的な行動を生み出すことになります。

グラッサー博士は、「外的コントロールは、力の欲求の落とし子である」と表現し、力の欲求の満たし方を注意するように促しています。

力の欲求の最も注意すべき特徴、それは他人の欲求とぶつかり合い、愛・所属の欲求を脅かすことです。

人間関係で無理に自分の力の欲求を行使すれば、当然の事として相手との関係は悪化します。
多くの人間関係のトラブルは、力の欲求から生まれてきているといえるのです。

力の欲求を満たすための学習課題は、2つあると思います。

1つは、人間関係を壊さずに自分の力の欲求をみたすことです。
相手の尊厳を損ねないこと、敬意を払うことなど、相手の力の欲求に配慮することが求めらます。

もう1つは、積極的に他の人と友好的に関わりながら、自分の力の欲求を満たす術を身に付けるということです。

一番良い方法は、自らの能力を他の人のために役立てること、つまり貢献するということです。

貢献することを身に付けた人は、尊敬と信頼を得ることが出来ます。
貢献することを身に付けた人は、仲間が増え、より大きな働きができるようになるでしょう。

力の欲求の満たし方は、経験から学び取らなければ、身につきません。

競争することでしか力の欲求を満たせない人は、葛藤が生涯ついてまわることになるでしょう。

一方、貢献することを身に付けた人の生涯は、分かち合いの喜びに満たさされたものになるでしょう。

力の欲求を満たすために、貢献することを学び取りましょう。
貢献は、人生をより豊かなものにしてくれるのです。(yoshi)