1922 :DCバイアスコンデンサマイクを超単純回路で実現 | ShinさんのPA工作室

ShinさんのPA工作室

※ないものねだりこそ開発の原点だ※ 
※すべてのマイクロホンは未だ発展途上のデバイスだ※

DCバイアスのコンデンサマイクはもっと簡単に実現するはず・・・

というバカげた発想から今回の試作に至りました。

(突飛な発想って、それを思いついたままマジに実行するのは単なるバカですが・・・難しそうなことを簡単にしちゃいました)

 

DCバイアス・ダイアフラムを使用したコンデンサマイウの自作にはいくつかのハードルがあり、「敷居の高さ」を感ずる部分です。

海外では日本よりずっとマイクロホン自作は盛ん、フォーラムなど技術交流もアクティブですのでこの需要もケタ違いに多いです。

 買ったほうが安いですか?、 私の場合2年前国内で購入したパーツ、「34φダイアフラム」は1万円近くで入手したものですが現在、ebay2,000円前後 5,000円台の2種類の34mmの大口径が買えるようになりました。(安い方は単一指向性、高い方は可変指向性対応のデュアルダイアフラム)

いずれ国内でも同様になる、と見ています。

ECMに慣れたクラフトファン最大のハードルは「成極電圧」を用意するわずらわしさだと思いますが、そこを乗り越えれば素晴らしい結果が待っています。

 

今回使用したダイアフラムとebayのそれらとの同一性は不明ですが私の使用したものはチューニングも良くできており安定感のある音質は大変好ましいです。

そんな関心する遥か以前から台湾を含めた中華製が普通です。

 

いままではほぼ小さなECM一辺倒で頑張ってきた日本の自作マイクの世界でもそろそろ大口径DCバイアス・ダイアフラムを加える時期がきたようです。

 

今回使用した34φラージ・ダイアフラム

(KT-3412C-04(2年前入手)

 

【ルーツ】

無指向性ECMに馴染んできたファンにとって「単一指向性」はただでさえ低域が出にくく、とりあえず入手可能なφ10~φ16mmの単一指向性ECMでガマンをしてきたが、34φダイアフラムはあまり考えなくてもゆったりとした魅力のサウンドが楽しめます。

大口径DCバイアス型ダイアフラムと親しむのはきっと贅沢な時間を味わうことになるでしょう。

 

クローバー その理由はここにあります

【重量】

重い、は大きなカタマリであることと同時に、そのしっかりとした「運動支点」が濃い音を作ります。

(ECMでは殆ど重量を持たないほど軽く、優れたモノでは必ず固定法や質量追加でこの「メカニカルアース=運動支点の強化をおこなっています)

 

トランスデューサーとしてのセオリーですね、このことが良い音の最重要ポイントになっています。

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12422545393.html

 

この点、現在のECMカプセル形状では能力ありながらたどり着きづらいボトルネックでしょう。

原理的にはDCバイアスダイアフラムも仮にECMをダイアフラム形状にしても同一結果を得られるはずです。

 

適切な実例としてデンマーク、オーストリア、ドイツの各メーカーではECMの可能性を極限まで引き出して「4006」のような次元の異なる最高級ECMを生み出しているのが現在のところでしょう。

いや、DPAの4006がECMであることを知らない方がほとんどでしょう。

「プリポラライズド」とはコンデンサマイクの新型でも何でもありません、ECMの読み替えです。

 

自作でそのレベルにたどりつくのは至難のワザ、ツボをおさえていますので「ファンタム式パナ改マイク」ではそれらのマイクロホンと勝負できています。

 

「金蒸着振動版」 

音作りの決めてと言われており、DCバイアスダイアフラムでは定番となっています。

 

【成極電圧について】

このマイク回路のキモは実は「ラージダイアフラム」の方ではなくノイマンU-87を手本にした成極電圧の印加方法にある、と言っていいでしょう。

 

Googleの画像検索で「U-87 circuit」と検索すると大量の回路図が出てきますのでじっくり確認をよろしく。

 

普通、この成極電圧は約140V程度を最高値としてそれ以下が一般的です。(普通は100V以下、45V~65V程度です)

高ければ良いわけではなく、ある幅に置くことで感度、音質の最適値を得ることができます。

インバータ回路で高周波交流を生成し、倍電圧整流で希望電圧を得る、という「DC-DCコンバータ」方式が現在一般的ではあります。

 

 

成極電圧の一例

 

 

 

 ところが最高級マイクの代名詞、ノイマン U-87はどうなのだろう、と回路を見て納得、さすが考えられている。(以下)

(ノイマン U-87の回路的特徴)

① 成極電圧は「47V」である。

それはDC-DCノイズを嫌い、ファンタム電源(48V)をそのまま使うように、また22.5V積層電池2個で動作するように設計されている。

 

② 動作電圧は一般的には30数V程度であるがノイマンではマイク回路を負荷とした電圧ドロップを嫌い、回路電流を極限まで下げて電圧ドロップ防止を実現している。(回路電流は何と800μAという驚異的な値)これにより47Vが確保されている。

さすが「ファンタム電源システム電源システムの創始者」「提唱者」である。

(U-87を動作させる電源システムが「ファンタム電源」だという説もある

・・・とすれば今主流のDC-DC方式などの方が邪道といえる。

③ ダントツの名機は回路が単純、実にシンプルである。

 

ノイマンの採用している成極電圧印加方式の「ファンタムフィード方式」は現在各社の製品でも案外多く採用されているようである。

 

それは一部のAMP回路の専門家のようにOP-AMPを使えば使うほど、デバイスを多くするほど実現不能になる皮肉が滑稽に見えます。

 

 

【一方】

2年前2種類のDCバイアスコンデンサマイクを製作したが最初から「正弦波」発振回路を使った成極電圧回路を使用してノイズの呪縛から逃げた。(1号機はコルピッツ発振型、2号機はハートレー発振型)と無線屋に前戻りして挑戦したのは貴重な経験でした。

 そしてこの実験をおこなっているとき成極電圧値にはスイートスポットが有る反面、DC20数Vもあればかなり普通に動作することも経験していました。 

「エッ」と思われるような単純な回路で高品位なDCバイアス型コンデンサマイクが実現しますので何かの機会に、又発想の転換ネタになると思います。

 

 

クローバー 最も特徴的なのはU-87に習って「成極電圧」用の高圧発生回路がありません。昇圧インバータを持たないためそれに関わるノイズが皆無である。

成極電圧はU-87同様47V近くをめざすため徹底的な回路の単純化をはかりました。

 

こうすることにより、皮肉にも「ファンタム式パナ改マイク」よりもさらに拍子抜けするほど簡単になりました。

 

(内部写真)

見た通り中華マイクのボディとケースを使った「なんだコリャ」マイクです、音は天下一品。

 

 

クローバー まずは次の回路でラージダイアフラムに馴染んでみませんか。

 

試作回路

「ファンタムフィード方式」のDCバイアスコンデンサマイク試作例

 

上記回路図はDCバイアス型コンデンサマイクとしてはあまりにもムチャクチャだと思われるかもしれません。

「こんなモンで動くのか」と言われそうですがまったく問題ありません。

例えばU-87では「ローカット」「PAD-SW」、「指向性切り替えSW」そしてトランス出力式となっていますがこの例ではそれらがなにもありません、トランス不使用・半導体出力方式です。

それでも必要十分な内容ですのできわめて高品位な音です。

 

動作上の特徴:ファンタム電圧はU-87でもそうであるように負荷電圧の大幅なダウンは好ましくなく、またその質が求められます。

 

クローバー つまり安物卓、民生用レコーダー、安物オーディオI/Fなどでは正常動作しない場合があります。(どの機種がNGかのデータは持ち合わせていません、「P-48規格」採用である限り必ず動作します)

それはU-87でもまったく同様です。

 

クローバー また、FETを使ったこの回路は近距離用設計であります。

 

◎インピーダンス変換段を別に設けた例

 

 

 

◎ファンタムフィードに気を使った、理論的に正しく実験済みですが・・・

 

あえてこの必要はないようで、「回路図-1」で十分でしょう、何の弊害もありません。

 

クローバー 今回の方式は「ほんとうにそれでいいの?」という内容ですので疑問な部分だらけかもしれません、しかしまずは「最簡略」したものが実用になることをご提案したものです。

趣旨ご理解の上、皆様の建設的なご意見を承ります。

悪意ある批判には一切応じません。

 

       以上

(お知らせ)
fetⅡ、fetⅡi、fet3、
fetⅡ‐bright など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作) 

 

モノ作り日本もっと元気出せ 

 

【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。

★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。

★第三者に対する販売等の営利目的としてこのサイトの記事を窃用する事は堅くお断り致します。

★情報はどんどん発信していきます。ご覧いただき、アレンジも良し、パクリも結構です、Shinさん独特のこだわりと非常識を以て音響の世界を刺激してまいります。 

  
ShinさんのいたずらPA工作室  
ShinさんのPA工作室 管理人  Shin-2

ご意見やご質問はこちらから宜しくお願いいたします
メール  
メールはこちらから sound_ai@xk9.so-net.ne.jp