
【犬の怒らないしつけ方法について】
最近は犬を怒らないでしつけるという方法が主流になりつつある。
私が犬訓練の世界に入った頃、怒らない躾け方法は最新の欧米式のトレーニング方法でした。
それまでは、強制的な訓練方法が主流で訓練士達は犬を強制的に訓練していました。
怒らないしつけ方法は一般に「陽性強化」といわれています。
基本的な考え方に”犬にストレスを与えてはいけない”と言います。
それで、犬が悪い事をした時にどうするのかというと「無視をしなさい・・・・」と、
ここで、ちょっと疑問に思うのが・・・
無視することは犬に対してストレスを与えている事にならないと思っている事です。
しかしながら、社会性のある動物である犬に対して無視をするという事は、
犬の心理にストレスを与えます。
このような簡単で単純な事に気付いていない訓練士が数多く存在しています。
犬に対して怒鳴ったり、叩いたりしていないから
犬に対して優しいしつけ方法をしていると思っている訓練士が沢山います。
そして、このような訓練士やその訓練士の指導方法を学んだ飼い主さんに、怒らないで無視するトレーニング方法をされると
ワンちゃん達の心は深く傷付きます。
もう一度、良く考えてみて下さい。
無視をするって、ワンちゃんにストレスを与えていませんか?
ちょっと話がそれますが
ある学校で、こんな実験をやったそうです。
容器の中に食べ物を入れて、一つの容器には子供たちが「ありがとう」等の良い言葉掛けをする。もう一つの容器には「ばかやろう」等の悪い言葉掛けをする
そして、もう一つの容器にはまったく無視をする。
こういった具合で数日間・・・
経過を見てみると、「ありがとう」の声掛けした容器と「ばかやろう」の容器とでは明らかに腐敗の度合が違ったといいます。
「ばかやろう」のほうが酷く腐敗していた。
それで、無視をしていた容器は・・・
実は、無視をしていた容器が一番、腐敗が酷かったそうです。
私はこんな事を思い出しました
「人が住まなくなった家はスグにボロくなっちゃうんだよね~」って、知人が言っていたことを
「こんなボロ屋!」と文句を言いながらでも人が住んでいるとなんとか良いのですが、
人が住まなくなると、スグにボロくなっちゃう。
こういう事を知っていた私は、無視をするトレーニングが犬に優しいとは思えませんでした。
無視をして、犬にストレスを与えていないと思っている訓練士のウラで犬達は大きなストレスを受けていると
ストレスを与えている人間側がその事に気付いてないのです。
ちょっと人間に置き換えてみると・・・
学生時代に、友達から無視をされるというイジメにあった友人がいます。
何日間も続くような酷いものではありませんだしたが、友人が凄くストレスを感じている事はスグに分かりました。
無視をするのって本当に優しいの?
もう一度考えてほしい
犬に優しいしつけ
みなさんは、どう思いますか?
そうかと言って怒る必要もありません。
ちゃんと伝える気持ちがあれば、ちゃんと伝わります。
またまた、話がそれますが
私の父親はスグに怒り、怒鳴り散らし、暴力を振るう人でした。
夏になると、母方の親戚の田舎にみんなが集まるのですが
その家は、男が若いお兄ちゃんしかいなくて。
集まってくるのも、母方の女兄弟だけなのです。
大人は女だらけです。
それで、不思議な事に集まって来る子供は男だらけなんです^^
日常の父親のプレッシャーから解放された母親たちは
子供が少々悪い事をしても怒りません。
母親たちものびのびとしたいのでしょうね^^
子供たちは自由です。
そんな時に注意をするのはお婆ちゃんです。
お婆ちゃんは、注意をしたら可哀そうだけど・・・でも、言わないとこの子の為にならないし・・・
言おうか、言うまいか・・・でも・・もうそろそろ言わないと・・・
自分の中で葛藤してから子供たちに注意します。
優しく注意してくれるのだけれど、言葉の重みが違うんですよね。
ちゃんと相手の事を考えている。
自分の事では無く、相手の事を思って言っている。
それが、伝わるんです。
犬も同じですね。
あなたが幸せになるために、こういうルールを守らなきゃいけない。
あなたが幸せになるために・・・
あなたが幸せになるために・・・
そんな気持ちで接していると
犬にも気持ちが伝わります。
伝える気持ち
伝えようという気持ちがとても大切です。
犬はあなたの気持ちを感じとります。
犬を無視すること無く
犬と向き合って下さい。
無視されると犬は傷つきます。
優しく・・・
優しく・・・