北木島町の港
笠岡・北木島の「石の渓谷」一望 採石場に高さ70mの展望台
靖国神社の大鳥居などに用いられた良質な花こう岩「北木石」を産出している笠岡諸島・北木島の丁場(採石場)に展望台が完成。高さ約70メートルから“石の渓谷”を一望でき、島の観光振興へ期待が高まっている。
丁場は石材業・鶴田石材(同市北木島町、鶴田康範社長)が所有。同島金風呂港近くにあり、現在も採石を行っている。明治期から山を掘り進める中で形成された断崖絶壁は高低差約150メートルにおよび、底部には雨水がたまりエメラルドグリーンの丁場湖が広がっている。
展望台(防護柵付き、約20平方メートル)は平らな岩盤上に鉄骨の支柱を立てて設置しており、一度に20人が見学できる。島を訪れた人から要望が寄せられていたことから、同社が市の補助金など活用して整備した。事業費は約2千万円。
17日、現地でオープニングセレモニーがあり、関係者ら約80人が出席。鶴田社長が「足がすくむような景観だけでなく、山肌に刻まれた石工の思いも感じていただければ」とあいさつし、テープカットで完成を祝った。
展望台は週2回程度、一般開放する予定。井笠観光(笠岡市笠岡)は29日、鶴田石材とタイアップして「採石場展望台お披露目ツアー」を行う。問い合わせは井笠観光(0120―23―1805)。