令和4年11月定例会
11月16日
総務常任委員会

 

今回の質問項目は、2つ

1.佐賀県県民意識調査と広報について
2.10周年を迎えた佐賀県公文書館について


公文書館は縁の下の力持ち的な存在なので、目立つことはなかなかない。しかし、現在事業化された事業の掘り起こしなど、深い歴史から光を見出す大きな役割を発揮している。今年は設立10周年だが、これもなかなか目立たない。改めて公文書館の価値を掘り起こすべく質問をさせていただいた。


また、広報が攻めている。県外やメディアでも目にする機会が増えた。魅力度ランキングなるものがあったが、実感としては「佐賀」に関する知名度や愛着は確実に上がってきていると感じている。県民意識調査の結果を踏まえてこれからのあり方を議論させていただいた。








 

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◯下田委員=県民ネットワークの下田寛でございます。本日は、二問質問させていただきます。
 まず、佐賀県県民意識調査と広報についてお尋ねをさせていただきます。
 八月に公表されました令和四年度佐賀県県民意識調査では、県民の日常生活に関する実感や県の取組への満足度を知ることができます。我々も九月の議会で報告をいただきました。
 今回の結果では、約八割程度の回答者が、地域への愛着と暮らしへの満足度を持っておられますが、一方で県の取組への満足度については、平成三十年度の調査と比較すると減少している分野もありました。
 例えば、「自発の地域づくり」では、「満足している」、「まあ満足している」と回答した方の合計は一七・二%であり、(委員長、副委員長と交代)前回の調査との比較では一二・八ポイント減少しております。この項目に関しては、前回と文言を変えたというところもありますが、結果として、このようなものが出ておりました。
 また、「佐賀県が国内外によいイメージで広く知られている」についても、「満足している」、「まあ満足している」と回答した方の合計は一三・一%と、前回調査の結果よりも三・六ポイント減少しております。私の印象では、県は、これらの分野に力を入れていないわけではなくて、むしろ、かなり重点的に取り組んできたものだと認識をしています。
 今回、一般質問、また、先ほども土井委員から引用がありましたが、「一生行かなさそうな都道府県ランキング」、あと「都道府県の魅力度ランキング」で、共に一位という不名誉な結果が出ておりまして、私も残念には思います。もちろん一喜一憂してもしようがないですし、私自身、実感としてそのように思っていないので、全体の結果を見ても疑問に思うところもあったりしますので、特に大きく問題視もしておりませんが、以外と「佐賀」という言葉の認知度が高まっている結果、こういった結果が出ているということも考えられるのかなと思いながら、一つの指標としては参考にすべきものであると思っております。
 また、当然、各事業については、それぞれの担当部局が担うべきものですけれども、広報は、その事業のバックアップをするという意味でも、今回の県民意識調査の結果は、広報の在り方とも関連しているものだというふうにも思います。
 そこで、次の点についてお尋ねをしていきます。
 まず、佐賀県県民意識調査の概要についてです。

 この佐賀県県民意識調査は、どのような目的や調査方法で実施されているのか、その概要についてお尋ねいたします。

 

 

187◯永田広報広聴課長=佐賀県県民意識調査の概要についてお答えいたします。
 佐賀県県民意識調査は、日常生活に関する実感や県政に何を望まれているかなどの県民の声を把握し、今後の県政運営の基礎資料を得ることを目的に実施しております。
 「令和四年度佐賀県県民意識調査」は、県内在住の十八歳以上の三千人に調査票を郵送し、郵送による返送またはウェブで回答いただく方式で実施いたしました。結果、回答率が五一・八%、一千五百五十四人に御回答いただいたところでございます。
 以上でございます。

 

188◯下田委員=ありがとうございます。回答率五一・八%、私の感覚では結構高いほうなんじゃないかなとは思います。もしかすると、その分、こういった意識調査とか広告に関してというのは、県民の意識が、そもそも高い分野なのかもしれないなと今の数字を聞いて思いました。
 次に、令和四年度佐賀県県民意識調査結果全体の受け止めについてお尋ねをしたいと思います。
 この調査については、八月に結果が出ましたが、この結果全体についてどのように受け止めているのか
お尋ねいたします。

 

189◯永田広報広聴課長=令和四年度佐賀県県民意識調査結果全体の受け止めについてお答えいたします。
 委員にも御紹介いただきましたが、今回の調査では、八割以上の方が「住んでいる地域が好き」と回答され、七割以上の方が「日常生活に満足している」と回答いただいております。
 前回調査からこれまで、新型コロナウイルス感染症による影響や、度重なる豪雨災害などがございましたものの、地域への愛着と暮らしへの満足度については、引き続き高いものとして受け止めております。
 一方で、「地元や県のことを県外の人に誇れる」と回答された方は五割程度にとどまっており、本県の魅力を県民の皆様方に共感していただけるような形で引き続き発信を行っていく必要があるというふうに考えております。
 このほか、今回の調査では、「子育てし大県”さが”」や「歩こう。佐賀県。」、「OPEN-AIR佐賀」など県政の取組の認知度について初めて調査を実施しましたが、県民の方々への認知では、「子育てし大県”さが”」、また、「歩こう。佐賀県。」などは少しずつではございますが、認知は広がりつつあるものの、一方でその他の取組については、取組によって差がございますものの、まだまだ十分な認知に至ってないものと受け止めております。
 以上でございます。

 

190◯下田委員=ありがとうございます。やはりこの調査においても、すきっと「満足している」というのがかなり高い率で出ているというようなお話でありました。ただ一方で、県外に誇れるかというと、五割ぐらいだというようなことで、ここにも先ほどのアンケートの結果がもしかしたら反映されているのかなというふうにも思いました。
 取組の認知度ということで今の佐賀県の取組のワードの認知度がありましたが、「歩こう。佐賀県。」、「子育てし大県”さが”」に関しては、そこそこ高いですが、その他に関しては、まだまだというようなお話でありました。
 それでは、(三)にいきます。平成三十年度のこの佐賀県県民意識調査と比較した県の取組への満足度の受け止めについてですが、今回のこの調査のうちで、県の取組への満足度では、県政の十六分野のうち「災害への対応ができている」、「全ての人が暮らしやすい」では、平成三十年度の調査より満足度が上昇していて、取組の成果も感じられます。一方で平成三十年度の調査よりも低下している分野も見られます。今回は、この低下していることについて気になる部分をお尋ねしたいと思います。
 まず、「自発の地域づくり」についてです。
 この「自発の地域づくり」という項目は、総合計画にも大項目で掲げられている佐賀県政の大きな柱の一つであるということは、もう既に御承知のことだと思います。ちなみに、この「自発の地域づくり」の目指す将来像は、「地域住民による地域資源を活用した自発的かつ主体的な地域づくりを通して、地域住民の地域に対する愛着や誇りが高まり、県外の方からも共感される魅力ある地域となっている」と。
 この課題と対応というところを見ていきますと、「地域の誇りや自発の地域づくりの想いを後世に伝えることが必要だ」と、「人口減少社会を迎え、佐賀県の人口は全国平均を上回るペースで減少しており、このままでは地域の活力低下が懸念されることから、県外の方に佐賀県の魅力を知ってもらい、移り住んでもらうための取組を促進する必要があります。」と掲げられております。
 さて、平成三十年度の調査においては、自発の地域づくりに関する回答では、「進んでいる」、「まあ進んでいる」という回答の合計が全体の三〇%だったのに対して、令和四年度の調査では、「満足している」、「まあ満足している」という回答が一七・二%と大きく減少しております。
 まず、この結果についてどのように受け止めているのかお尋ねいたします。

 

191◯永田広報広聴課長=平成三十年度調査結果との比較の中で、「自発の地域づくり」項目について、その結果の受け止めをお答えさせていただきます。
 「自発の地域づくり」は、地域の人たちが誇りを持ち、地域の人たちが自ら考え実行するというものでございますが、委員御指摘のとおり、今回の調査では、「満足している」、「まあ満足している」という回答が減少しております。
 冒頭で委員にも触れていただきましたが、「自発の地域づくり」に関する今回の質問については、前回、平成三十年度の調査では、「伝統的な祭りや工芸などの地域資源の活用」、「都市と農村の交流」、「空き家を活用した賑わいづくり」など、調査票に具体的な事例を示してお尋ねしたところでございますけれども、今回の調査では具体的な取組事例を省略しております。
 回答内容を見てみますと、今回の調査結果では、「どちらともいえない」という回答が五五・一%となっており、前回調査における「わからない」との回答が三八・六%と比較しますと大幅に増えており、今回、質問を簡略化したことも調査結果に影響しているのではないかと考えております。
 以上でございます。

 

192◯下田委員=ありがとうございます。質問項目が若干変わったというところ、あと、「どちらともいえない」という方が五五・一%ということで増えているところが課題として挙がっているようでした。あくまで参考資料ではありますけれども、総合計画に掲げている部分でもありますので、ここはもう一歩掘り下げて考えるべき部分であるというふうに思っています。
 次に、「佐賀県が国内外に良いイメージで広く知られている」についてお尋ねをします。
 同じく平成三十年度の調査結果との比較で、「佐賀県の良いイメージが広がっている」についても三・六ポイント低下しています。県は、これまでも積極的に県の魅力を発信するなどしてきたと私自身は認識をしておりますが、今回の結果についてどのように受け止めているのかお尋ねいたします。

 

193◯永田広報広聴課長=前回調査との比較で、「佐賀県が国内外に良いイメージで広く知られている」という項目についての受け止めをお答えさせていただきます。
 委員御指摘のとおり、「佐賀県が国内外に良いイメージで広く知られている」という項目についての満足度が、今回の調査では平成三十年度調査よりも低下しております。この項目の満足度向上のためには、県外への佐賀県の魅力の発信、及びその発信に対する県外の方々の評価の県内へのフィードバックが必要と考えております。
 今回の満足度の低下の原因の一つとしては、県外に向けた情報発信において、コロナ禍でマスメディアで地方の話題を取り上げていただく機会が減少した影響があるのかなと考えております。
 また、コロナ禍におきまして人流が減少したことで、県外の方が実際に佐賀を訪れて魅力を感じていただく機会が減少し、それに伴いまして県民が県外からの評価に接する機会が減少したことも影響しているのではないかと考えております。
 一方で、委員御紹介のとおり、県では、「サガプライズ!」、「福岡広報」などを通じて、様々な魅力を磨き上げながら県外へ発信しており、コロナ禍にあってもSNSやウェブなどのメディアで若年層を中心に話題化につながっているものもございます。
 これらの取組のほか、近年では、ユーチューブなど動画コンテンツによる魅力発信を展開しておりまして、佐賀県出身の「江頭2:50」氏が活躍する「エガちゃんねる」とコラボした県の動画配信などでは、実施した後、全国的にSNSやウェブを中心に話題化され、高い評価もいただいております。

 こういった反響は、全国に限らず県内におきましても若年層を中心に認知されており、今回の県民意識調査の結果においても、二十歳から二十九歳までの世代においては、「佐賀県が国内外に良いイメージで広く知られている」という項目についての満足度が向上しております。
 以上でございます。

 

194◯下田委員=ありがとうございます。外へ向けての発信と、外から内へのフィードバック、コロナ禍での影響があって、どうしても人流が不足したり、メディアが取り上げづらくなってしまうような状況があったりということもありつつも、若年層への広がり、あと、「江頭2:50」さんとのコラボとかユーチューブなどの事例を挙げていただきました。ぜひこういったことはどんどんしていただきたいなと思いますし、コロナ禍の影響も当然あるとは思います。
 次にいきたいと思うんですが、県政の広報についてです。
 県では、これまで様々な機会を見つけて、今のような幅広い種類のメディアやツールを活用して、いろんな部署で積極的な広報を展開しているというふうに認識しています。
 そこで、県の広報についてお尋ねしたいのですが、まず、県では、広報広聴課だけではなく、各部署においても、より具体的な広報や情報発信が実施されておりますが、そもそも県庁内での広報に関わる全体の体制や広報広聴課の役割というのはどのようなことなのでしょうか。

 

195◯永田広報広聴課長=県政の広報として、全庁的な広報体制及び広報広聴課としての役割についてお答えいたします。
 県が行います各種事業の広報につきましては、効果的な広報となるよう、事業内容や事業の目的を達成するために必要な情報を最も詳細に把握しております担当課が行っております。一方で全庁横断的なPRや時期ごとに重点的にPRすべき重要な施策等について広報広聴課が実施しているところでございます。
 各担当課で広報を行うに当たっては、庁内全体の広報物の品質の管理や広報の効果を最大限発揮できますよう、広報広聴課においても必要なサポートを随時行っているところでございます。
 具体的には、事業の計画の段階では、各担当課が行う事業目的を達成するために必要な広報の手法、時期、ターゲット、それから予算規模などにつきましてアドバイスを行う広報協議を実施しております。
 また、実際に事業に着手する段階では、効果的な広報計画案を選定いたします企画コンペ、それから、実施能力の高い事業パートナーを選定いたしますプロポーザルの審査会において、広報効果を最大限発揮してもらえるよう広報広聴課も助言などを行っているところでございます。
 さらに、県で発行します広報物全般に関しては、広報ターゲットに沿った内容になっているか、伝わりやすい表現になっているかなど、広報広聴課で随時チェックを行っているところでございます。
 以上でございます。

 

196◯下田委員=ありがとうございます。今のお話を聞いて、かなり幅広いんだなというような印象を持ちました。全体的に関わる広報のチェックを企画の段階からやって、ターゲットを絞ったり、あと企画のコンペとか、どういった方々とタッグを組んでやるのか、そういったところまで仕事としてされていらっしゃるということでございました。
 次に、広報広聴課においても、県内外に様々な広報展開を行っていると認識していますが、具体的にどのような取組を行っているのかをお尋ねいたします。

 

197◯永田広報広聴課長=広報広聴課の取組についてお答えいたします。
 広報広聴課での広報は、目的やターゲットに応じて県内向けの広報、そして県外向けの広報を行っております。
 まず、県内向けの広報につきましては、県政や県の事業を県民に広く効果的に周知し、様々な取組への参加の呼びかけや新たな制度のお知らせなど、実際の行動に結びつけていただくことを目的に、県が発行いたします広報誌やテレビ、新聞、ラジオなどの県内メディアの県政広報枠を活用して計画的に発信を行っております。
 広報誌、これは県民だよりでございますが、こちらは全戸に配布しているほか、マスメディアを活用した広報におきましては、各メディアの特性も意識しながら、年間を通じて、その時々の施策を分かりやすく発信するよう努めているところでございます。
 また、近年、若い世代に向けての発信が課題になっていましたことから、ツイッターやLINEなどのSNSを発信ツールとして活用した情報発信も行っており、特にこのコロナ対策においては重要な広報ツールとなっております。
 一方で県外向け広報でございますが、県外に向けた広報は、佐賀県のブランドイメージや認知度の向上など、全国の方々に佐賀県に興味、関心を持っていただくことを目的として実施しております。
 例えば、全国に対しては、全国ネットの番組を佐賀県に誘致してきたり、様々な企業、ブランドとのコラボレーションで佐賀の地域資源を磨き上げ、佐賀県の魅力を話題化させる「サガプライズ!」の取組を展開しております。
 また、佐賀県にとって身近な都市圏でございます福岡エリアにつきましては、特に重要なマーケットでございますので、福岡のメディアを通じて福岡の方々に佐賀県の具体的な魅力の浸透を図っていくことを目的に、近年、特に強化を図っているところでございます。

 以上でございます。

 

198◯下田委員=ありがとうございます。今、聞いた部分でさらにお尋ねしたいのは、先ほどの令和四年の県民調査の結果でキーワード化して発信している部分があると思います。「子育てし大県”さが”」や「歩こう。佐賀県。」、これらは認知が進んでいるということが分かりましたけれども、「自発の地域づくり」や「OPEN-AIR佐賀」などは、まだ広く認知されていないものが多いということを先ほど答弁いただきましたが、これらは今後広報を行う上でどのような工夫を行っていこうと考えているのかお尋ねします。

 

199◯永田広報広聴課長=委員御指摘のとおり、県政の様々な取組をキーワード化して発信することは、県民の方々に県政を身近に感じてもらい、そして主体的に関わってもらうという上で効果的だと考えております。実際に「子育てし大県”さが”」などは個別の事業と結びついて認知していただいているのではないかと考えております。
 一方で、その他のキーワードは、キーワードの文言と具体的な事業が結びつかず、イメージしづらい点もあるのではないかと考えております。このため、県政のキーワードに関連した事業や取組を紹介する際は、できる限り個別の事業とキーワードのコンセプト、さらには、その他の事業例などもワンセットで丁寧な広報を行うことで、例えば、県民だよりで地域の祭り、伝統行事なんかを定期的に御紹介させていただいております。
 この地域の祭りや伝統行事というのは、まさに地域レベルでの「自発の地域づくり」かと思いますが、こういったところも紹介する際には県としての「自発の地域づくり」に関する考え方や、その他県の取組の事業例もワンセットで紹介することで身近にイメージしていただけるのではないかというふうに考えております。こういった取組を積み重ねていくことが重要かと考えております。
 以上でございます。

 

200◯下田委員=ありがとうございます。今日、私はたまたま県民だよりを持っているんですが、こういったものに「自発の地域づくり」とか載るといいのかなと思いました。
 せっかくですので、県外の取組についてもお伺いしたいなと思うんですけど、例えば、博多の地下鉄とかにこういうのがありますよね、「小児科 耳鼻科 皮膚科…子どもの病院巡り 体力もお金も必要だ。佐賀県」と。この下のところに「基山ならゼロ歳から十八歳の子どもにかかる医療費がタダ。入院、通院、歯科、調剤薬局対象の医療費助成制度があるから安心。」というのが、福岡のど真ん中に広告を打ったりしているわけなんですよね。これは僕は実際、友達の三人ほどから電話をもらって、佐賀の広告が天神のど真ん中にあっばいて言うて、すごい熱心にされているなということを感じたことがありました。
 先ほども県外のことに触れてもらいましたが、「サガプライズ!」、これ、広報で出てましたけれども、「佐賀海苔主役祭り」が「京都アニものづくりアワード2022」で地方創生部門銅賞受賞、「第六十九回カンヌライオンズ」にて、「23時の佐賀飯アニメ」がショートリストに入賞ということで、外から中に向けて自分たちの魅力に気づいていただくというような取組も積極的にやっていただいているというふうに私は認識をしています。
 このような県外での新たな取組やそれに対する評価については、県民にももっと知ってもらうことで、佐賀県が国内外にいいイメージで広く知られているというようなことに関する県民の意識も変わってくるんじゃないかなというふうに思いますが、そういった点についていかがでしょうか。

 

201◯永田広報広聴課長=県外の広報の取組においても、特に高い評価や大きな反響が得られたものにつきましては、若い世代の方々だけでなく、県民の幅広い世代にも知ってもらうことで、委員御指摘のとおり、佐賀県が国内外によいイメージで広く知られているということに関する県全体での意識の向上につながるものと考えております。
 御紹介いただきたました「サガプライズ!」の取組の受賞などについても、できるだけ幅広い世代の県民の方々に知っていただけるよう、実際に県民だよりの次回の十二月号で御紹介させていただこうというふうに考えております。
 これまでも県外の広報の取組については、地元のテレビや新聞などのメディアにおいても取り上げていただいたところではございますけれども、県の広報誌、県民だよりも含め、これまで以上に幅広い世代の県民にしっかりお伝えしてもらえるよう、県内へのフィードバックにも注力していきたいと考えております。
 以上でございます。

 

202◯下田委員=ぜひお願いしたいと思います。
 続いて、第五問目の広報の工夫についてということでお尋ねしたいと思います。
 今、お話をいただきました、県内外から自発の地域づくりを含めて魅力を発掘、そして発信して、自分たちの魅力を知ってもらうことは必要だと思います。近年、広報の在り方も随分変わってきたなと、これは私の実感ですが、思っています。
 私が議員として携わらせていただいたのが二〇〇九年の鳥栖市議会からだったんですが、当時はSNSの活用についても、個人情報がとか言ってなかなか広まらない。当時はまだ消極的でしたが、今ではフル活用するのが当たり前の時代になっています。その活用に伴って、かつてはこんなことやりますと、単に真面目にイベントの告知をするまでだった印象があるんですけれど、今、SNSが当たり前の時代になったら、何がきっかけで多くの方々の目に触れるか分からないような状況になってきていて、単純に言えば、様々なメディアや口コミが、いろいろな人や媒介を通して掛け算で広報されていく時代になってきていると思っています。つまりは、今ちょうど広報の仕方についても時代のターニングポイントの真っただ中なんだろうなと認識してます。
 そこで、令和四年度佐賀県県民意識調査も含めいろいろなデータを活用して効果的な広報を行うべきだと考えますが、今後どのように工夫をしていくのでしょうか。

 

203◯永田広報広聴課長=令和四年度佐賀県県民意識調査結果を踏まえた今後の広報の工夫についてでございます。
 広報広聴課におきましては、令和四年度佐賀県県民意識調査の調査結果のほかに、県民だよりによる定期的なアンケートをはじめ、広報動画の再生回数、それから県のホームページの閲覧数など様々なデータを持ち合わせております。LINEやフェイスブックなどのSNSにつきましては、年代や、それから居住地など、属性も把握しているところでございます。
 これまでも個別のデータを分析しながら、随時、広報に活用してきたところではあります。例えば、県民だよりでアンケートを取っているんですが、これは私もちょっと意外だったんですけど、県民だよりのどういうページが好きかというアンケートに対して、当然、一位は特集ですね。これは表紙に近いところで当たり前ですけれども、年に六回ほどしか展開してない佐賀の食材を使ったレシピが年に六回ほど、小さな枠で紹介していますけれども、これが何と一位と遜色ないぐらいの割合で三位に上がっておりました。私は、危うく、この掲載回数を減らしてほかのコーナーを増やそうとしていたところですけれども、職員に、いやいやちょっと待ってよというようなこともございました。
 こういったデータもしっかり使って、複数のデータを複合的に分析、活用するまでには、今、なかなか取組の中で至っておりませんので、これから広報を企画、実施するに当たっては、令和四年度の今回の佐賀県県民意識調査の調査結果はもちろん、幅広い種類のデータをこれまで以上に効果的に活用することを意識しながら、県民の知りたい情報を、知りたいタイミングで効果的にお届けできるよう工夫を重ねてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 

204◯下田委員=ありがとうございます。データの話ですね。これ、私の実感として、最近、統計分析課をはじめとした、そのデータを活用しているなというようなことを感じる議会答弁が増えてきているなというふうにも思ってて、恐らく事業の構築に関しても、執行部の皆さんは、そのようなデータも踏まえて、きっと戦略的に練っていらっしゃるんだろうなというふうにも思っております。広報についてもぜひ活用していただきたいと思っております。
 今のお話を受けて部長にお尋ねしたいと思っているんですが、例えば、広報広聴でしたらロマ佐賀列車とかありましたよね。ああいうのとか幅広く外の人たちの認知度が高いコンテンツだと思います。こういったものをいかに佐賀県に呼び込むかというところと、もう一つが、ちょうど昨日の佐賀新聞に出ていたので持ってきたんですけど、松丸亮吾さんが、先日、佐賀市内で講演したという記事が出てました。本当、手前みそで申し訳ないんですけれど、二年前のコロナ禍に僕の地元の鳥栖北小学校で謎解きイベントをやってもらったんですよね。このときの出会いが、西田悠弥君という子が、当時、小児がんで亡くなっちゃって、その子が亡くなる前に松丸君に会いたいと言って会いに行った、まだ全然有名じゃなかったときに。そのときに謎解きをしっかりやろうと心を決めたみたいで、ここに書いてあるんですけれど、それでイベントをやらせてもらったというのがあって、毎年、お参りに佐賀県に来てるんですよね。来たときには、西田一家と一緒に佐賀県の観光をしたりしてらっしゃるようです。
 この一番最後のところに、佐賀県民にメッセージをお願いしますとあります。全部読ませてもらいますが、「今年『都道府県魅力度ランキング』で最下位になりましたが、佐賀の魅力を発信しきれていない気がしますね。僕は佐賀県出身ではないですが、遊びに来るたびに感じる佐賀の魅力を発信していきたいと思います。バルーンもみたいし、悠弥君や、マネージャーのふるさとが佐賀というご縁も深いので、これからも毎年来ます。街で見かけたら、『松丸くん』と声をかけてください。」と書いてあるんですよ。確かに、マネージャーさんも小城の方なので、佐賀に非常にゆかりのある方だと思います。
 今後は、先ほど、「江頭2:50」さんのお話もありましたけれど、いわゆるインフルエンサーの方々とか、掛け算しながら広報の効果を高めていくということは非常に大切なことの一つだと思います。
 ここ数年、先ほども御答弁いただきましたが、長期化するコロナ禍も重なって、各種メディアや情報発信を取り巻く環境は大幅に変化をしているというふうに思います。県では、これまでも様々なメディアや新たな手法を活用した広報や魅力発信に積極的に取り組まれてきていると認識していますが、今後、さらにどのような県政広報を展開していこうとお考えなのか、部長にお尋ねをいたします。

 

205◯進政策部長=今後の県政広報についてお答えいたします。
 議員から御指摘がありましたとおり、近年、メディアを取り巻く環境は大きく変化しております。コロナ禍にテレビや雑誌などのマスメディアが地方ロケや取材に行きづらい状況が続いていたり、一方でユーチューブ動画やSNSなどウェブを中心に話題化し、それをマスメディアが後追いするような現象など、このように大きく変わってきております。
 県でも、こうした現状や以前から課題としていました若年層向けの情報発信の方法を踏まえまして、県外向けの動画コンテンツアカウントを開設したり、公式「TikTok」も展開したところでございます。
 この「TikTok」につきましては、県レベルでは九州初ということで先日メディアでも取り上げられました。議員から、最近、県庁も統計を政策に使うとか、広報の在り方、手法についてもどんどん変わってきているというふうにおっしゃっていただきましたけれども、私も着任以来、最初に来た頃は広報もSNSを頑張って使っていきますみたいな答弁をしていた気がしますけれども、この四年間で大分変わってきたなと私も思っております。
 統計分析課についても、来た頃は、統計分析課は単に調査をやっているだけだったんですけれども、どう政策に反映するかということ。あと、政策を立案するときにも、統計分析課に担当部局がまず聞きに行って、何かいい統計がないだろうかとか、どうすればいいんだと。そういうふうに取組が変わってきておりますので、議員に言っていただきましたけれども、そうした取組は着実に進んできているなと思っております。
 今、一つ案といいますか、お話として、ロマ佐賀のお話をいただきました。ああいった全国的に非常にファンが多いものとうまくコラボして、佐賀県のイメージづくりをしていくというのがまず一つ非常に大きいと思いますので、これは引き続きそうした取組をしていきたいと思います。実際、ロマ佐賀列車をやることによって多くの方が佐賀県に来ていただきました。そしてまた佐賀県を知ってもらえます。

 さっきのアンケートの、佐賀県が国内外にいいイメージで広く知られているということについては、多くの人が来て、「すごいね」と言ってくれると自信も出てくるというところもあると思いますので、そうしたことはこれからもしていきたいと思っております。
 また、インフルエンサーを活用したといったところにつきましても、「江頭2:50」さんともコラボしてということもありまして、非常に効果的だと思っております。先ほど言いましたように、(副委員長、委員長と交代)テレビを使ってマスでばーっとやるというよりは、SNSでもう少し細かいところで発信していくというところもあります。どういった方に、どういったものを発信してもらっていくかというのは、今後より大切になってくると思っておりますので、インフルエンサーといいますか、影響がある方に佐賀県のことを語っていただいたりすることも今後は大切だなと思っております。
 あとは、伝え方もいろいろあると思うんですけど、これ、庁内で意識共有をしているわけではなくて、少し個人的に感じている部分もあるんですが、伝え方の工夫だけではなくて、何を伝えるかというところも少し戦略的にやってもいいのかなと思っております。松丸さんの話でも、佐賀県には魅力がっぱいあるというのは聞きます、私もそう思います。ところが、実際来て、いっぱいあるで終わっちゃって、いろいろ言うんだけど、「佐賀県って何?」というところがいまいち伝わらないとイメージを持ってもらえないんですね、外の人に。
 例えば、ちょっと前になりますが、東京にいるときですが、芋焼酎が出てきた頃、あれは鹿児島県が戦略的に芋焼酎を特化して宣伝して、当時、スマスマでビストロスマップというのがあったんですけど、そこに売り込んで芋焼酎を置いてもらって飲んでもらって、「うまい、これはどこのだ」って言って、「鹿児島県のだ」と言って。それは一例ですけど、その時期は鹿児島県が芋焼酎で打っていこうということでやってたらしいんですね。
 何かそういったこともいっぱいあるんですけれども、なので選ぶのが難しいかもしれませんけど、時期を選んで、今これをとにかくターゲットにしてやっていこうとか、そうしたことで少しイメージを持ってもらう。それで一回、気になって佐賀県のことを調べてもらえれば魅力がいっぱいだということは分かりますし、ファンになってくれると思います。
 実際、私が着任してから、私の友人だけじゃなくて、いろんな方に来ていただいた感想を聞きますけど、あんまりイメージを持ってなかったけど、来てみればすごいねと言って、一回知ってもらうと深いファンになる県だなと。今だと、知っている人は知っているぞ佐賀県みたいな感じなんですけど、それをもう少し多くの人に広げていけるように、今後また工夫をしていきたいと思っております。
 今、佐賀県県民意識調査について、るる御質問いただきましたが、その結果を含めて様々な最新のデータを参考に、県民の皆さんが求めている情報を欲しいタイミングで、情報の受け手目線でしっかりと発信していきたいと思っております。
 以上でございます。

 

206◯下田委員=進部長、ありがとうございました。これからも積極的な発信をお願いしたいと思います。

 

 

2十周年を迎えた佐賀県公文書館について
 それでは、次の質問に移りたいと思います。続いて、十周年を迎えた佐賀県公文書館についてお尋ねいたします。
 今年、佐賀県公文書館は、平成二十四年四月の開館から十周年を迎えられております。十周年となれば、佐賀県としては大きく声を上げて何かしらのイベントを開催する、そんなイメージを単純に私は持ってしまうのですが、公文書館は、そもそも目立たない施設というようなイメージもあって、十周年をうたってはいるようですが、あまりスポットが当たっていないようにも思っています。
 そこで、過去の議論を、インターネットで検索できる範囲ですが、全て目を通しました。公文書館ができる前から、ここにいらっしゃる土井先生や中本議員、また、諸先輩方をはじめ、民間の方々からも、佐賀県の公文書館設置を望む声や、施設の建設の在り方、施設の在り方について多くの議論がなされていたということを知ることができました。また、国においても、公文書館の在り方については、継続的に議論がされているようで、調べれば調べるほど、様々な論点があるなということまで認識ができました。
 さて、佐賀県の公文書館は、歴史的文書をはじめとする県の貴重な公文書を収集・保存し、活用するための施設ですが、一方、様々なテーマを掲げた企画展が、今では定期的にテーマを変えながら行われていらっしゃいます。私も何度か公文書館を訪れて企画展を見学させていただきましたが、いずれも展示内容が非常に興味深いものでした。また、館を訪れた際にはスタッフの方々が丁寧に応対をいただいて熱心に資料の説明をしていただきました。公文書館は、図書館や博物館・美術館等の他の文化施設と比べて、県民の認知度もまだまだ低いように思われます。しかし、私としては、郷土の歴史を後世に伝える貴重な資料を有する施設として、もっとスポットが当たっていい、もっと県民の方々に知ってもらうべき施設だと思っています。
 そこで、次の点についてお尋ねいたします。
 まず、公文書館の設置目的についてです。
 この公文書館は、どのような目的で設置された施設かお尋ねいたします。

 

207◯池田法務私学課長=公文書館の設置目的についてお答えいたします。
 公文書館は、公文書館法及び佐賀県公文書館条例に基づき設置された施設でございまして、歴史的文書、すなわち歴史資料としての価値を有すると認められる公文書、その他の記録を収集・保存して閲覧できるようにし、また、これらに関する調査研究を行うことを目的としております。
 以上でございます。

 

208◯下田委員=基本的なところをお尋ねしましたが、引き続いて、(二)公文書館の業務及び運営体制についてですが、まず公文書館は主にどんな業務を行っているのかお尋ねいたします。

209◯池田法務私学課長=公文書館の主な業務でございますが、大きく四点ございます。県が保有する公文書の中から歴史的に重要な公文書の選別、整理、保存、これが一つ目でございます。二つ目、歴史的文書の閲覧希望やレファレンスへの対応。三つ目、歴史的文書に関する企画展の開催や広報活動。四つ目、歴史的文書に関する調査研究。以上の四点が公文書館の主な業務でございます。
 以上でございます。

 

210◯下田委員=四つの機能を有するということでございました。
 次に、公文書館はどんな体制で運営されているのかお尋ねいたします。

 

211◯池田法務私学課長=公文書館の運営体制でございますが、公文書館は、法務私学課の職員が四名兼務しております。私、法務私学課長が館長を、副課長一名が副館長を、また、情報公開・文書担当の係長及び担当者一名が兼務しております。また、図書館副館長一名も公文書館と兼務しております。兼務職員だけではなくて専任の職員も当然配置しておりまして、再任用職員が一名おりますが、それ以外に会計年度任用職員が三名配置されております。以上の九名体制により運営しているところでございます。
 以上でございます。

 

212◯下田委員=ありがとうございました。つまり専属でやっている正職員の方はいらっしゃらないというような認識でいいと思います。そのような体制でやっているということでありました。
 次に、アーキビストについてお尋ねをしますが、公文書館についてはアーキビストという専門職がいますが、アーキビストとはどういうものか。また、本県の公文書館ではアーキビストはどのような業務を行っているのでしょうか。

 

213◯池田法務私学課長=アーキビストでございますが、公文書館におけるアーキビストとは、組織において日々作成される書類、記録の中から、永続的な価値を有するものを評価・選別し、将来にわたっての利用を保証するという役割を担う者とされております。本県の公文書館においては、歴史的文書の選別や保存、閲覧希望への対応、調査研究を行っております。
 アーキビストについては、公的な資格制度はございませんが、令和二年度から認証アーキビストという認証制度が設けられております。これは国民共有の知的資源である公文書などの適正な管理を支え、永続的な保存と利用を確かなものとする専門職を養成するとともに、その信頼性及び専門性を確保するため、一定の実務経験や知識・技能、調査研究能力を有する者を国立公文書館長が認証するというものでございます。
 本県の公文書館においても、知識・技術の研さん、専門性の向上を目的として積極的に職員を研修等へ派遣しておりまして、昨年度、令和三年度には本県初となります認証アーキビストも誕生したところでございます。
 以上でございます。

 

214◯下田委員=ありがとうございます。そのアーキビストの方は、会計年度任用職員の三人のうちの一人の方と。聞いたところによると、あと二人の方も一生懸命その勉強に励んでいらっしゃるというような話も伺っております。
 この体制の在り方について最後に聞こうと思っているんですけれど、私、過去の先輩方の議論等も踏まえると、やはり専門性を持った方に専任でいていただくべきではないのかなというふうに思っております。しかも、会計年度任用職員ということであれば、年度を区切っての契約になるわけで、最長でも十年ほどというような話を聞いたことがありますが、当然、引継ぎをしていくというようなお話になるんでしょうけれど、果たしてそれで大切な公文書を扱う部署がそのような体制でよいのかというのは、今後、検討していくべき課題であるというふうにも認識しておりますので、また後ほどお伺いいたします。
 次に、歴史的文書の電子化についてお尋ねをいたします。
 歴史的文書の中には、作成されてから非常に長い年月がたって文書が破損したり劣化したりしているものもあると思われます。また、火災や水害、地震といった災害により歴史的文書が破損したり、なくなってしまったりするリスクにも備える必要があると思います。
 これらに対処して、文書を将来にわたり閲覧できるようにするためにも歴史的文書の電子化が必要であると考えます。公文書館で閲覧できる資料の中には、パソコンで閲覧できるようなものがあるということで、資料の電子化は既に行われているようですが、この点についてお伺いいたします。
 まず、歴史的文書の電子化を行う目的についてお尋ねいたします。

 

215◯池田法務私学課長=歴史的文書の電子化の目的についてでございますが、これにつきましては委員から御指摘いただいたとおりでございまして、時間の経過による紙文書の劣化、破損、災害による紙文書の破損、滅失、こういったリスクに備えまして、また、将来にわたり歴史的文書が閲覧できるよう、電子化を行っているところでございます。
 以上でございます。

 

216◯下田委員=ありがとうございます。それでは、歴史的文書の電子化はどのように行っているのか。また、その進捗状況についてお尋ねいたします。

 

217◯池田法務私学課長=歴史的文書の電子化の方法と進捗でございますが、歴史的文書はスキャナーを用いて一般的なパソコンでも閲覧できますPDFと呼ばれるファイル形式で保存しております。
 現在、公文書館において歴史的文書として保管している文書は、統計資料等の製本された資料とか、従前からマイクロフィルム化したもの、こういったものを除きまして電子化が可能なものは電子化が進んでいるところでございます。

 

218◯下田委員=ありがとうございます。今、進捗状況についてお話しいただきましたが、続けて、今後、この歴史的文書の電子化はどのように進めていくおつもりなのかをお尋ねいたします。

 

219◯池田法務私学課長=今後の取組でございますが、公文書の中から歴史的文書を選別するという作業は、今後も当然発生してまいります。引き続き、歴史的文書を選別した際には、その都度、電子化を行っていくということでございます。
 先ほども申しましたが、歴史的文書の中にはマイクロフィルム化しているものがございます。マイクロフィルムも経年とともに劣化していくという状況がございまして、これらの資料についても、今後、電子化を図っていきたいと考えております。
 以上でございます。

 

220◯下田委員=ありがとうございます。電子化するマイクロフィルムの量も膨大だと思いますが、膨大な労力がかかりながら電子化を進めていくことになると思います。果たしてどのような体制でいくのか、また、この点も今後お伺いしていきたいと思っております。
 では次に、企画展についてお尋ねいたします。
 近年、定期的に企画展を行われています。今は「鉄道×さが-佐賀の人・石炭・うつわを運んだ鉄の道-」という企画展が開かれております。私も行かせていただいたんですが、初めて知ったことばかりで、大変興味深く拝見させていただきました。
 例えば、先人たちは、神埼市千代田町の崎村地区を通って佐賀の今の巨勢町まで鉄道を通すという肥筑軌道が大正十二年五月に開通しておりましたそうですが、さらには、これを久留米まで延ばしていくというような案があって、当時の戦争や景気の動向で実現はしなかったようですが、設置が決定していたということでした。さらに、その仕事を当時の県議会議員の方が発起人となって取りまとめていたということも、もしこれが実現していたら、今の路線、いや、町の姿は変わっていたのかもしれません。
 また、明治期に今のJR長崎本線が整備される際に、実は嬉野にも駅を建設する予定だったんですけれども、実現には至らなかったこと。また、認可までは下りたのに実現に至らなかった幻の伊万里鉄道など、先人が佐賀県の住民や未来のために奮闘された姿を知ることができて、今の鉄道の在り方の議論と非常にかぶるといいますか、相当な熱を持って当時も議論がなされていたということを初めて知ることができました。
 そこで、この企画展について、公文書館では定期的にテーマを変えながら企画展が開催されておりますが、この企画展はどのような目的で行っているのでしょうか。

 

221◯池田法務私学課長=企画展の目的でございますが、企画展は、県民の方々へ歴史的文書を後世に残していくことの重要性を知っていただき、公文書の存在を身近に感じていただくことで、公文書への関心を高めていただくことを、その目的として行っております。
 以上でございます。

 

222◯下田委員=ありがとうございます。公文書を身近に感じていただくという、なんでしょうね、とても、これからの公文書館の在り方の一つのテーマではないのかなというふうにも思いました。
 それでは、企画展の内容についてですが、これまでの企画展はどのような内容、テーマで行われてきたのでしょうか。

 

223◯池田法務私学課長=これまで行った企画展でございますが、公文書館では、平成二十四年の開館以来、様々なテーマを掲げて企画展を開催してまいりました。最近行った企画を挙げますと、令和三年一月から四月に、佐賀の銘菓に関する「いとお菓子佐賀~シュガーロードと銘菓~」を開催しております。
 令和三年四月から八月一日まで、オリンピック・パラリンピックの開催に合わせて「一九六四から二〇二〇へ-佐賀を駆け抜けた聖火-」を開催しております。
 令和三年八月から十一月にかけてSAGAサンライズパークの整備が進められていることに関連しまして、佐賀市日の出地区の歴史を紹介する「サンライズパーク百年史」といった展示を行ってきました。
 現在、先ほど委員からも御紹介いただいた「鉄道×さが」ということで実施しているところでございます。
 以上です。

 

224◯下田委員=ありがとうございました。建築展に私も行かせてもらったんですけれど、このとき、もしかすると以前行われた佐賀県立博物館で開催された建築展の原型がもしかしたら公文書館だったんじゃないかなというふうに思っています。その企画を私も見せてもらったから思うんですけれど、公文書館の職員の方々の専門性の高さを非常に感じた企画展でした。
 次に、企画展に対する見学者の反応についてですが、公文書館の中でアンケートを行ってますね。企画展の見学に来た方々からはどのような反応があっているのかお尋ねいたします。

 

225◯池田法務私学課長=企画展に対する見学者の方々の反応でございますが、委員からも御紹介いただきましたように、アンケートを取っております。その中の意見には、例えば、「長い歴史の積み重ねを知ることができた」といったものや、「サンライズパーク百年史」の展示については、「昔、近くに住んでいたので懐かしい」とか、「若い頃、参加した行事や体験を思い出した」といった感想がございました。また、オリンピック・パラリンピック開催に関連した「一九六四から二〇二〇へ」の展示に関しては、タイムリーな企画であることを評価する意見が複数ございました。
 以上でございます。

 

226◯下田委員=ありがとうございます。すみません、ちなみにですが、企画展に大体どのくらいの人数の方が来てくださっているかというデータをお持ちでしょうか。

 

227◯池田法務私学課長=企画展だけで数字を取ったものがございませんで、来館者数という形でよろしいでしょうか。──公文書館を見学する県民の数ですが、平成三十年度ぐらいまでは大体百名から二百名の間で推移しておりました。令和になりまして、令和元年度が四百五十七人、令和二年度が九百五十三人、令和三年度が六百二十人、令和四年度が十月末の段階で三百七十八人と、以前と比べますと令和になってから非常に増えたなというふうな印象でございます。
 以上です。

 

228◯下田委員=ありがとうございます。今、人数をお伺いいたしましたが、広報活動について、企画展は興味深いものがとても多いと思っています。もっと県民の人に知ってもらうべきだと考えます。先ほども公文書館がもっと県民に身近なものになってほしいというようなお話、また、今、来館者数のデータもいただきましたが、さらに佐賀県の人たちに来場していただいて、この公文書の魅力を知っていただく、企画展に足を運んでいただく、そういったことが必要ではないかと思っていますが、そのための広報、PR活動はどのように行っているのでしょうか。

 

229◯池田法務私学課長=企画展の広報活動でございますが、新しい企画展を開催する都度、ホームページ上での紹介やツイッターでの情報発信を行っております。また、企画展のチラシを県内の各図書館に配布し、PRしているところでございます。また、今年からは県民だよりの文化施設のイベントスケジュール欄にも掲載しているところです。加えて、テレビの情報番組や新聞等で取り上げてもらえるよう、企画展を開催する都度、報道各社に対し、情報を提供しておりまして、地元紙や地元放送局からの取材も増えております。記事や番組で取り上げていただける頻度も高くなってきたなと感じているところでございます。
 以上でございます。

 

230◯下田委員=ありがとうございます。そうでした。私もツイッターフォローさせていただいております。来るたびに、「おー、公文書館がツイッターしよる」と思ってうれしい気持ちがあったりして、わくわくしながら配信を待っていたりしております。
 次に移りますが、公文書館の十周年記念と今後の運営についてお尋ねします。
 公文書館の重要性や歴史的文書が持つ面白さは、もっと多くの県民に知ってもらうべきと考えております。公文書館は、今年、開設十周年という節目の年を迎えていますが、この十周年を契機として、今後さらに公文書館の魅力を県民にアピールしていくべきだと考えております。
 そこでまず、公文書館の開館十周年に際して特別な催物やイベントなどは行ったのでしょうか。

 

231◯池田法務私学課長=十周年記念の催しについてでございますが、今年四月には、公文書館の開館十周年を記念した企画展「10年のあゆみ」を開催しております。これは、これまでの企画展を振り返って代表的な資料を展示したり、公文書館のこれまでの歩みを紹介したものでございます。また、十周年特別企画として、今年五月に公文書館のバックヤードツアーを開催しております。
 以上でございます。

 

232◯下田委員=ありがとうございます。十周年記念、やってあるわけですね。でもなんかね、認知がなかなか進んでないと思うんですよ。企画展「10年のあゆみ」、バックヤード、書庫とかですよね。あそこ、僕も行かせてもらいましたけど、本当、本の山で、書物の、公文書の山で、湿度の管理とか、丁寧にちゃんと古紙で包んでしっかりと保存してあるような状況です。ただ、先ほど来場者数のお話も伺いましたが、十周年の割にはもうちょっと伸びていいのかなというのは感じます。
 冒頭申し上げましたが、やっぱり佐賀県何周年記念となったら大々的に何かの行事を打つというイメージが、これは僕の勝手なイメージですけれども、そういったイメージがあります。であれば、もっともっと多くの人に知っていただくような仕掛けというのが、先ほど広報広聴課に質問させてもらいましたけど、広報広聴課と連動しながらやっていただければなというふうにも思いました。
 では次に、今後の運営についてお尋ねしますが、今、質問をずっとさせていただきましたけれど、歴史的文書の保存や企画展の実施、運営体制の確保、今後の公文書館の運営について、どのようにお考えでいらっしゃるのかをお尋ねいたします。

 

233◯池田法務私学課長=今後の運営についてでございますが、まずは公文書館の主たる設置目的でございます歴史的文書を後世に引き継ぐため、引き続き、資料の収集や整理保存を適切に行っていく必要があると考えております。
 また、企画展は、その時期の話題や行事を勘案しながら、県民に興味を持ってもらえるようなテーマを選んで公文書に関する県民の方々の関心が高まるよう、工夫を重ねて開催してまいります。
 運営体制でございますが、現在、学芸員の資格を有する職員三名を公募の上、配置しております。うち一名は全国でも数少ない認証アーキビストでございまして、ほかの二名も含めてアーキビストに求められる知識や技能、調査研究能力を高めるための研さんに現在努めているところでございます。
 県民の貴重な財産である公文書を将来の世代に確実に引き継ぎ、また、公文書が持つ歴史的な価値や面白さを県民の方々に知っていただけるよう努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 

234◯下田委員=ありがとうございます。最後に部長にお尋ねをしたいと思うんですが、今、御答弁をいただきました。近年の議会においても、今回も、佐賀県政史の話、あとは過去の議論でも佐賀県史の在り方について議論があっておりました。このような議論は、公文書館の存在が不可欠であって、十周年を迎えた佐賀県公文書館の存在は、大きく問われるものでありますし、今、大きく問われる時期でもあるというふうに認識をしています。
 また、これも冒頭お伝えさせていただきましたが、さらに検討すべき課題も多くあると考えます。今回の質問に当たって議事録等を読ませていただいたんですけれども、先人たちも非常に思いを持って、この公文書館の設置をしましょうと、先輩もいらっしゃいますけれども、そのような思いがとても詰まった公文書館です。国の議論もまだまだ進捗している状況でもあると思います。例えば、公文書の管理は管理規程じゃなくて条例を制定するべきじゃないか。また、人員配置の在り方についても、今御答弁いただきましたが、本当に今のままでいいのか。県立図書館と県立博物館との連携や人事交流、これも非常勤だからほかの館と、もちろん連携はしてますけれども、人事交流というところまでは至ってないというお話を伺います。本当にそれでいいのか。また、県職員の方々の公文書に関する普及啓発、これも必要不可欠だと思います。あとは公文書と同時に私文書、この管理をどうしていくのか。また、第三者の視点からの公文書管理の在り方など、正直、本日の委員会だけでは、その核心に迫っていくようなことに関しては、整理すべき課題が非常に多岐にわたるものだというふうに思いました。今回、これらの点については、もう触れませんけれども、非常にそういった課題があるというふうに思います。
 ただ、これからの佐賀県を考えたときに、先ほどの広報の質問でも触れましたように、総合計画にある「自発の地域づくり」、これに関する原点が、まさに詰まっているのが、この公文書館でもあるわけです。
 こういったことを踏まえて、今後の公文書館の在り方について部長にお尋ねをしたいと思います。

 

235◯甲斐総務部長=今後の公文書館の在り方ということで御質問いただきました。
 委員からお話がありましたように、公文書は本当に歴史的文書でありまして、県民の貴重な財産ということで、それを預かる大切な施設でございますので、もっと広く県民に知っていただくべきものということは、同じ思いでございます。
 そのために大事なことは何かと考えますと、課長から答弁したことと重なりはしますけれども、まず大事なのは、公文書の適切な管理、先ほど条例の話もございましたけれども、歴史的公文書というのは、県民共有の知的資源として県民の皆さんが主体的に利用し得るものでございまして、過去から未来にわたって県民への説明責任を果たしていくものというふうな、そういう貴重なものであるという認識の下、適切に保存し、利用の要望があったときに丁寧に応対できるような状態にしていきたいというふうに思っております。
 それから、公文書館の運営を支える人材が重要でございまして、課長答弁にありましたように、今、高い能力と熱意を持った職員に職務に当たってもらっています。日々の業務の中で研さんを積んでいただいたりとか、研修へ派遣したりしながら、さらに高いところを目指していっていただいているというような状況でございまして、引き続き、人材の確保、育成に努めていきたいと思っております。
 御指摘の会計年度任用職員でいいのかという御質問もございました。職務の内容を見極めまして、どういった職種の方にこの職務をお願いするのかというのは、そこは人事ですとか組織を考える上での基本でございますので、これからもそういったところはきちっと見ながら考えていきたいと思っておりますし、現在は会計年度任用職員ということでさせていただいております。任期につきましても柔軟に対応させていただいております。
 そういったことがあって、さらに知っていただくためにということで、そこで重要な役割を果たすのが企画展だというふうに思っております。県民の皆さんに広く知っていただく機会になろうかというふうに思いますので、その時期に合ったホットな話題ですとか、いろんな切り口で興味を持っていただけるようにということで、魅力的な企画を実施することで、その公文書が持つ歴史的な価値や面白さというのをお伝えしていきたいというふうに思っております。
 今、企画の構想段階から図書館の職員も加わって、どういった企画内容にするのかといったところは連携をしております。今後も企画や広報に当たっては、そういう関係施設とも連携しながら、工夫しながらやっていきたいというふうに思っております。
 県民の貴重な財産である公文書館の存在を、より多くの方に知っていただいて御活用いただけるように、運営面、広報面にこれからもしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
 私からは以上でございます。