杉の旅⑪から間が空いてしまいました

凄く書くのが難しくて


分かりにくいかもしれませんが、自分が感じたままを書きます


植林された森はさまざまな育て方をされています

・国や市町村の山を育林する人

・個人の山(山持ち)から依頼を受けてを育林する人

・自分の山を育林する人

たぶん大きく分けるとこの三つで

ここをしっかり知っておかないといけないポイントだと思います


今回は「自分の山を育林、伐採、搬出、製材されている人」


道の駅を後にして

車酔いと戦いながら車一台しか通れない幅の道を

クネクネ~くねくね進んで到着した場所には


木工教室探検隊
水のはった田んぼと一軒のお家

「そま工房」さんが在りました


今回の先生は

知県北部の嶺北地区を代表する「そま師」

「そま師」=林業の達人!という言葉

「森の名手・名人100人」に選ばれている方です

(これは家に帰ってから知りました)


先生は所有する山の育林、伐採、搬出、製材加工

のすべてを行っている方のため

家の外には


木工教室探検隊 木工教室探検隊
ご自身で製材された板や、搬出された丸太が並んでいました

こんな光景も珍しいです


自己紹介を終えたら、さっそく山へ入り


ここから先

全く自分の知らなかった森が在り、育て方、思いがありました


例えるなら

自分には経験がありませんが

「子育て」と同じように樹を育てておられました

なぜそう思えたか


お話されているそま師の顔が、

お子さんのことを楽しく話している、お母さんやお父さんの表情で


赤ちゃんの泣き声を聞き、何でも分かる親の様に

自分たちには分からない、樹の声を聞き分け


子供によって違う子育てがあるように

ご自身が経験した知識で、自分の樹の育て方をされていて


子供に愛情を注ぐように

樹に愛情を注いでおられました


だからこんなに素晴らしい森に成長したんだと思えたからです。


そして子供がいろんな幸せを運んできてくれるように

樹がいろんな幸せを運んで来てくれていることも知りました



木工教室探検隊 木工教室探検隊

木工教室探検隊 木工教室探検隊

森にに入った瞬間に、驚くしかありませんでした

植林された森に、

こんな光の差し込む、美しく清々しい森があるとは

想像もできなかったので


今まで見てきた森とは、全く違う森が


植林された森でも、人に安らぎを与えてくれる森がここにはありました


当然ですよね!

愛情がいっぱいの森は、その愛情を返してくれているだけなのだから

そま師の樹に対する愛情が、人に届いて安らぎへに



こんな素晴らしい森を育てるために、

そま師から教えて頂いたことを少し紹介します


そま師の経験からお話しいただく内容は

今までに聞いたことが無い話ばかり



木工教室探検隊 木工教室探検隊

間伐の話


この杉の森は植林されてから18年がたった場所です


普通に考えるなら、よく見かける暗い森と写真の森は

植林されている本数が違うから、光の入り方が違うと思いますよね


実はこの森も、木が育つには狭い間隔で植林されていました


初めから間隔を広くして植林したら、光の入る森になるのに?

なぜ間伐をする必要があるのか?


杉は密集しているからこそ、

光を求めて競争しながらまっすぐに伸びていく

その性質を生かして育てるたために


そま師の間伐は、同じ間隔で間引くのではなく

樹の声を聴いて行われています


そま師は言われました

「木も18歳くらいになると、『自分はこんな木ですよ。』と
表現してくる。切る側がそれをよく見分けて切ってやれば、
おのずと周りの木が育ってくる。」と


樹に合わせた育て方をして、いつもその声に耳を傾けておられました



森の保水力


子供の頃、学校で教えられた

「山は緑のダム」

それだけ水を蓄える力がある

自分は漠然と土が水を蓄えていると思っていました

みなさんはどうですか?


木工教室探検隊
間伐や伐採されて残った切り株

樹は伐られても、次の役割をしていました


「水を溜めること」


こんな実験をして下さいました


木工教室探検隊
伐ってまだ年数の経っていない切り株に水を流すと

このように直ぐに土に流れていきます

同じ様に立っている樹も根っこで水を吸収するだけです


10年以上経過した切り株は
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分解が進みスポンジの様に水を吸収してくれます

こうして吸収した水をゆっくり、ゆっくり土に流します


伐った樹もダムの役目をしていました



周りの樹を育てる


切り株にはもう一つ大きな役割が

これがこの旅で自分が一番びっくりしたことです


木工教室探検隊
そま師に言われて切り株の皮をめくってみると

そこから出てきたのは


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根っこ

切り株のものではなく、土から伸びて来ていました

知らなければ何とも思わないでしょ

ただ、根っこがあるだけ


この根っこ、なんと


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隣の杉の樹から伸びていたものと教えて頂きました

まさしく生存競争

大きくなるために、伐られた樹から養分を吸う目的で

ここまで根を伸ばしていたのです


樹の生きる力の凄さ、たくましさ

それを存分に生かした育て方


切り株は最後に腐葉土となります


今までとは全く違い


ほんとうに何もわかってなかった自分が恥ずかしくなりました


はぁ~


樹がどれだけ水を溜め、根を張る力があるか

それを妨げているのが人だとよく分かりました


1つだけ勘違いして欲しくないのが

切り捨て間伐され山に放置された丸太は

切り株の様にはならないこと忘れないで下さい

山を荒すだけで何一ついいことはありません




前後が逆になりましたが

一番最初に説明を受けた樹がこれです


木工教室探検隊
昭和34年に植林された杉です

54年間大切に育ててきたこの杉を販売したいくらになると思いますか

木だけの値段だと1万円以下だそうです

54年育てて1万円以下

それだったら誰も育てないとと思いますよね~


そう思っていると、そま師の方から驚く言葉が


「勝手に育って、お金になるんだから木は楽だ

売るために育てている「しきび」の方が大変だと」


信じられない言葉で

正直、この方はお金の感覚がおかしいと思いましたよ!

毎年売ることのできる「しきび」よりも良くて

54年で54万でもどうかと思うのに

儲ける気が無いんだと


自分が山に案内されて話を聞いた時はこんな思いでした



最後までいろいろと教えてもらって

この時のそま師の本当の言葉の意味が自分なりに理解でき


いかに自分が今まで

「木を見て森を見ず」

だったかよくわかりました

情けなかったですよ、ほんとに

今まで何を見てきたのか、恥ずかしくて仕方なかったです


愛情を込めて育てた樹は、

陽が入る森になり、山になります


そこには下草が生え

虫や小動物や鳥など、動植物の生命の多様化し

四季折々の山の恵みを育て人々に分けてくれる


水を溜めこんだ山からは

栄養たっぷりの綺麗な冷たい水がこんこんと湧き


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その豊富な水でアマゴを養殖


太陽の力で温まった水を田んぼに流す


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水が入った田んぼには

山からカエルが下りてきて、卵を産み


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オタマジャクシが田んぼの雑草を食べ

不思議と田植えが始まる頃には

カエルになって山に帰って行きます


その後は、育てている合鴨の出番になります


そして秋にはお米の収穫


そこには

山と人が共存する姿がありました


樹の値打ちだけでなく、山の値打ちがそこにはあり

想像できないほどの価値があるんだと気付かされました


木工教室探検隊


愛情を注いで育てた樹が

木工教室探検隊 木工教室探検隊

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どれだけ素晴らしい恵みを運んで来てくれているか


初めて知りました


その逆に、


愛情を注がれていない森からは、どれだけの災が起こるか

みなさんもう気付いているはずです


人間が植生を変えてしまった森は

どちらを選ぶのも人でしかありません





今回、そま工房をご紹介して頂いた窓口は


森の文化・自然体験メニュー窓口  

「こうち森のささやき」


もし興味がありましたら、訪ねてみてください

ほんとうの森に出会えます


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