さて、久しぶりに記事を書いてみます。
書けるかな・・リハビリ半分で行ってみよう![]()
大好きな作家さんの一人、西條奈加さんが先日直木賞を受賞されました![]()
おめでとうございます~![]()
受賞作を読みましたのでご紹介。
千駄木、心町にある長屋の住人をめぐる6つの物語を集めた作品です。
心淋し川
自分の環境に嫌気がさしながらも、苦手な針仕事で必死に生活を支えるちほ。
想いを寄せるようになった元吉が、自分を新しい世界へ連れ出してくれることを望むけれど、
元吉は煮え切らない。
ちほの変化に気づいた家族は、そして元吉の態度のわけは・・
閨仏
実目がよくない女ばかり囲う六兵衛に囲われているりき。
囲われることで人生が変わるかもと思ったけれど、実際はうまい話ではなかった。
ある日、戯れに張形に仏を彫ったところ、意外な反応があって・・
はじめましょ
四文屋という飯屋を営む与吾蔵。
大きく儲けることはないものの、そこそこやっていける穏やかな日々の中で、ある娘と出会う。
娘との触れ合いを通じて思い出すのは、昔捨てた女の事で・・
冬虫夏草
大店のおかみだったお吉は、不幸な顛末により長屋暮らしとなり、
体の不自由な息子のわがままや癇癪に翻弄されている。
そんなある日、ある人に声を掛けられ・・
明けぬ里
気が強く口が悪いよう。
ある日、夫とけんかをして家を飛び出した先で、昔馴染みにばったり。
気が進まないながらも誘われるまま話をすると、2人にある共通点があることがわかる。
灰の男
心町の差配彦十は、ひそかに執念とも言える強い思いを抱えながら生きてきた。
どう決着をつければいいか長年考えてきたのに、その終わりは急にやってきて・・
あらすじだけでわかると思いますが、舞台となる心町はいい土地柄ではありません。
澱んだ川沿いで、夏になると臭うし、住人もみんな貧しい。
そして、どのお話の主人公も、何かしら家族や家庭に問題を抱えています。
家族がいなくて淋しい、家族がいても淋しいんです。
本の帯にもありましたが「誰の心にも澱みがある」んですね。
この環境から逃げたい、捨ててしまいたい。でもできない。
ままならない人生に割り切れない思いを感じながら、それでも日々を精一杯生きている。
いい人間でも悪い人間でもない人たちの日々の営みに、全く環境が違う私でも
共感できる部分があり、主人公たちをいとおしく感じました。
一人一人が今にも消えそうな小さな明かりを持ち寄って明日を照らす。
そんないじらしさも感じました。
正直、私が今まで読んだ西條さんの作品の中でも、地味な方だと思いますが、
大好きな江戸の市井の空気感、人々の息遣いを感じることができ、楽しませて頂きました![]()