西條奈加 「まるまるの毬」
食いしん坊なので、料理屋さんやお菓子屋さんが舞台になる作品だと
ついつい手に取ってしまいます![]()
大好きな西條奈加さんの作品ならなおさら![]()
舞台は小さな和菓子屋「南星屋」。
武家の身分を捨てた治兵衛が菓子職人となり、出戻り娘のお永、その娘のお君と共に、
昔修行して歩いた諸国の名物菓子を日替わりで販売している。
お得意さんもつき、地元の人気店となった南星屋だが、治兵衛には足枷にしかならない
秘密があった![]()
家族は慌ただしくも平穏な日々を過ごしていたが、ある者の計略によって、そんな日常が
崩れていく![]()
家族の幸せを取り戻すため、また秘密を守り抜くため、治兵衛は奮闘するが・・というお話。
治兵衛の秘密と実家を出た経緯は、本一冊に収めるには大きすぎるテーマだな、と
正直思いました。
それでも、少しずつ語られる弟五郎との幼少時の思い出話、実家を継いでいる現当主の
ふがいなさ具合がリアルに感じ、治兵衛の微妙な立場や思いを感じ取ることができました。
治兵衛の家族は仲が良く、幸せに暮らしてはいますが、皆心に何か抱えています。
治兵衛は言うまでもなく、しっかり者のお永は元夫とのこと、天真爛漫なお君でさえ、
別れた父親を恨んでいます。
そんなお互いを労わるように過ごす姿に、心が温まりました![]()
又、一緒に住んではいないものの、しょっちゅう店に立ち寄る五郎のキャラクターが
とてもよかったです![]()
なんて破天荒な
と思いましたが、きっと元々の性格だけではないんですよね。
五郎には五郎のポリシーがあってのあの性格なんだと思います。
物語の終盤、私はすっかり物語に入り込み、傷ついたお君をまるで自分の子のように
優しく見守っている自分に気づきました(笑)。
それくらい、じんわりと胸にしみこむ物語です![]()