当方シンガポールにて、築150年の建物に住んでいます。 昔は倉庫だったようです。 

 

でもそのこともあり、天井高がピークで6メートルあり、これまでのオーディオとは別次元の音でスピーカーが歌っています。 

さてこの経験から私なりにルームアコースティックの理想、それもクラシック音楽再生についてはどのような条件があれば良いかをまとめてみました。  

 

1)部屋の壁が共振しない石造り(レンガもしくは岩石をコンクリートで固めたもの)であること 

これは、日本でよくある石膏ボードなどとは、低域の明瞭さで大きな差が出ます!ポンとスピーカーを置くだけでかなりの音が

でてしまいます。その上でところどころモールディングや飾り柱などで音が拡散するのがベストです。

 

2)屋根の部分が木材で、適度に音が拡散する凹凸があること 

一見、傾斜屋根なので定位などが乱れるかと思いましたが、高さがあればかえって傾斜していたほうが、定在波対策になることも確認できました。もし次のオーディオルームをつくるようなことがあれば、天井には必ず木材をけたに組んだようなものを使うと思います。 

 

3)部屋は縦長配置よりも横長配置 

視覚的には縦長のほうが良いかと思ったりしましたが、現実では横長のほうが壁からの低音の反射が少なく、開放的で巨大な音場が出現する感じです。私は虫眼鏡で覗き込むような再生は苦手です。ボーカルの位置や口などを気にする方はもっとスピーカー感覚を狭めて、内ぶりにするのでしょうが、lumen whiteはかなり音が広く拡散するので、限りなく平行に近い配置で中央に座っていても、ぽっかりと個々の楽器はピンポイントで、遠方に定位する感じになっています。スピーカーが音源であるとはほとんど感じられない状態です。ロックを聞くと、ややドラムが台の上に乗っているかのような位置で鳴りますが、ライブでもそうゆう配置がよくあるので、個人的にはあまり気になりません。

 

4)床はやはり硬いフローリングが良い 

壁が石造りなので、床はフローリングのほうがゆったりとした鳴りが楽しめる。ただしオーディオ周りだけはもしかして強固な

コンクリートなどで土台を補強してあったほうが良いのかもしれません。個人的にはコンサートホールともやや違うオーディオ的なズシーンと建物が揺れるような低音も快感に感じたりします。サブウーファーは本当にすばらしい音響効果をもたらしてくれます。

 

5)カーテンやソファー、絵画など適度な装飾品があること

録音スタジオではないので、適度に音を吸収し、かつ拡散させる効果があると、自然に部屋のいろいろな位置で音楽が楽しめるようになる。 当方の場合、スピーカーの背後に横3。5メートル高さ2メートルの巨大なキャンバス画がありますが、それが弦楽器や木管が優しい音で鳴る一助となっているようです。

高い天井とレストランから移したシャンデリア

 

6)サブウーファー

現在使用しているのは、サーロジックのサブウーファーです。DSPで位置を追い込み、47hzから先をかなり急なスロープで落としています。普段は鳴っているかどうかわからないぐらいなのですが、スイッチを入れるだけでヴァイオリンやチェロの倍音が非常に美しくなり、音が滑らかになります。それからスタジアムのライブ録音もスタジアムの空気感がはっきり再現できて、教会の録音では、奥行き感と低音の残響感が素晴らしく美しく出ます。ただし設定がうまくでないと音に圧迫感がでてきたり、伸びがなくなったりするのでかなり追い込みが必要になります。  

 

結果としてオンマイクの録音では、かなりステージに近い位置、状況では自分が指揮者になったかと錯覚するような音(ゲルギエフの一連の録音)が楽しめます。オフマイク録音の場合は、ゆったりとした余韻に包み込まれる感じになります。たまに、音量をとてつもなく上げて、恐怖を感じるレベルぐらいの低音に揺すられてストレス発散することもあります(ストラビンスキー、リヒャルトシュトラウス、パイプオルガン曲など)、まるでヘビメタみたいな感覚かもしれません。 

 

ただ反面、ビートの効いたロックなどを聞くと、ちょっと響きが多すぎるかなと感じることはあります。 

将来もっと余裕が出た場合、ロックやジャズはホーンスピーカーなどで再生し、システムによって使い分けることができれば

ベストではないかと思ったりします(もっと働かねば。。。)  

 

以上