我が家は共働き。
平日はゆっくり買い物なんて出来ないので、
週末にまとめ買いをする。

ただ、それもMさんが不倫真っ最中の時は
私一人で行っていたので大変だった。
雑貨の買い物はドラッグストア、
食料品はスーパーで、と場所が違うのだ。
買い物袋を何袋も下げて車に乗せて、
次のお店へと向かい、また買い物…
帰って来てから、冷蔵庫にしまうのも大変!
お米だとか、飲料水をケースで買った時は
ヒーヒー言ってしまう。

それが今は運転手付きの、荷物持ち付き。
Mさんをうま〜く使って、楽をしている。


「Mさん、次はドラッグストアね。」
私はタクシードライバーにでも言うように
Mさんへ指示をした。
「あいよー」
Mさんも文句なんて言わない。


Mさんは不倫を終えた頃、一緒に買い物して
『こんなに買うの?
 これずっとAちゃん一人で運んでたの?』
なんて、言ってた事もあった。


だから今は文句言わずドライバーをして
荷物を運んでくれる。





ドラッグストアに着いて、
特売の炭酸水をケースで購入!
他にも洗濯洗剤だとか重たい物を
ここぞとばかりカゴへ入れてレジへと列んだ。

ピッ、ピッ、と商品が計算されていくが、
『ん?』
炭酸水の値段が違うような…
気のせいかな…
最後に支払いを済ませて、Mさんと店を出た。

車に乗ってから
「あー、やっぱり!間違えてるわ!」
私はレシートを見ながらMさんに言った。
「何?どうしたの?」
「この炭酸水のね、値段が間違えてるから
 ちょっと言ってくる!」
私はバッグとレシートを持って
店内へと入った。


店員に確認すると、返金があるとの事で
サッカー台で金額の確認をしていた。
「ではこれが返金分です。」
そう言って店員はお金を私に渡してきた。

と、その時、店員側からも、私側からも
人がぶつかって揉みくちゃにされて、
私も店員もあたふたした。
「あ、すみません。」
店員は私に謝り、私も周りに謝り、
手にしていた返金分のお金をしまおうと
お財布を探した。


ない…

ない…

バッグの中にお財布がない…

車か?いや、コートのポケットか?

あれ、あれ、ちょっと記憶にない…