クリスマスのイルミネーションを
隣町で開催している公園までやってきた私達。

このイルミネーションは毎年開催し、
Mさんが彼女とこの公園へ来たのも
このイルミネーションが目的だったらしい。

不倫発覚後、Mさんのスマホから
このイルミネーションの開催案内やら
デートスポットのスクショやら、
わんさか出て来たことがあった。

今となれば過去の事だけど、
見つけた時は気分悪かった。
私とはデートなんてしないけど、
好きな人の為なら、あれこれ探すのか…と。


彼女と別れて家庭に戻って2年半の今、
Mさんが私に尽くしているのは感じる。
それでも、過去は消えない。
許すことも、円満な夫婦にもなれない。


いつも…
私達の間には、ぎこちない風が吹いている。
この日も、冷たい風が吹いていた。


駐車場から会場まで歩いていた時、
足が痺れるとMさんが座り込んでしまった。

そう言えば、Mさんはこの間から
足が痛い、痺れるとか言っていた。
「大丈夫?」
私は声はかけてみたものの
『体調悪いなら誘わないで欲しかった…』
と、少しイライラした。
「もう、大丈夫。行こう。」
Mさんはそう言うと公園の方へと歩き出した。


ゆっくりゆっくり歩き、
やっと会場の公園までたどり着いた。

屋台を見つけた私はもつ煮込みを買って
Mさんと食べた。

「うんまっ!」
「おいし〜!温まる〜!」

夫婦って、こんなもんかな。
友達みたいな感じ。


私達は食べ終わると、
イルミネーションの中へと入って行った。
赤や青、黄色の光がキラキラ輝いていた。


「カップルばかりで場違いだね。」
私がそう言うと、
「家族連れも、女の子同士もいるよ。
 夫婦で来ても良いでしょう?」
Mさんが笑顔でそう言った。


しばらくすると、イベントの花火が上がった。
色とりどりの花火が次々と上がり、
澄んだ冬の空はキラキラ輝いていた。



キレイ。

過去だけど…
Mさんはここで
愛しい人とキラキラしていた。

そう思うと、私の顔から笑みが消えた。


「僕はAちゃんが大切だよ。」
Mさんが突然話しかけてきた。
花火の音でかき消されそうだったけど、
確かにそう言っていた。


愛しい人と大切な人。

結婚すると、パートナーは
愛しい人から大切な人になるのだろうか。


どーん。
花火の音と共に、私はつぶやいた。

「キモイ…」


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今年も宜しくお願い致します。
皆様にとって素敵な一年になりますように♡
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