C君に話す事ができたが、なかなか進まず、
こちらでやれる事を進めることにした。


「出て行きたくない」
と言う息子を置いて、
私だけが出て行く訳にもいかないので、
せめて、同居離婚にしようと考えた。

さっそく生計を別にして、
いつ別居してもいいようにと思ったのだ。


ほとんどがクレジットカードからの
引き落としになっているのが厄介。
それ以外の引き落としを
Mさんの口座へと変更した。

webから出来るものもあれば、
銀行に行かなければいけないものもある。
昼休みに銀行へ行き、あれこれ手続き。

離婚となったら養育費をもらいたいが、
Mさんのことだから毎月送金するなんて
たぶんやらないだろう。
銀行に聞いて、自動送金の書類も貰った。


給料口座と引き落とし口座が別々で、
これまでもまとめたいと思っていたけど
引き落とし口座変更手続きが面倒くさくて、
毎月銀行のはしごをしていた。

これが良いきっかけとなり、
Mさんの口座、私の口座で
しっかり分ける事ができた。


ヨシヨシ。

まずは、ここまでだ。





色々と準備していて思ったことがある。

不倫発覚後、いろいろとゴタついて
家族なんだか、夫婦なんだか、
微妙な私とMさん。



「おはよう」や「おやすみ」の挨拶もする。
ご飯も一緒に食べる。
リビングで一緒にテレビも観る。

でも・・・愛情はない。

1年に数回だが、家族や夫婦で出かける。
普段の買い物も重たい物があると一緒に行く。
知り合いのように世間話や天気の会話もする。

でも・・・一緒には寝ない。

当たり前のように、私は自室で寝て、
Mさんは適当に転がって寝ている。

夫婦なのか?友達なのか?知り合いなのか?

これって、何だろう。


会社に出勤して
「おはようごさいまーす」と言って
パソコンを開いて仕事をして、
時々隣りの席の人とおしゃべりをして、
営業に出て、定時になると
「お先に失礼しまーす」と帰る。


家での夫婦生活も、
「おはよう」と言って
朝食からのお互い家事分担。
会社から帰宅したら、また黙々と家事。
「おやすみ」と寝る。


24時間の中で、自分が居る場所、
自分が関わる人が変わるだけで、
心の温度も、距離感も変わらない。


愛情がないって、なかなか面白い。


一緒にいる必要はないけど、何となくの定位置。

段々と空気になっている。

だからこそ、息子も『今更』と
思っているのかもしれない。


息子は友達との世界があり、
今を楽しく生きている。
そこに親の不仲について、
無理やり理解させ、考えさせ、苦しませる…
そんな辛いことはさせたくない。

もう息子に話すのはやめよう。


ほぼ銀行の手続きが終わったある夜、
C君が寝た後、私はMさんに声をかけた。

「Mさん、話がある。」
「ん?何?」
私は各種手続きを完了させた一覧用紙を
Mさんに見せた。
「銀行の引き落としがいつも大変で
 やっとMさんの銀行から落ちるように
 一つにまとめたから。
 これで、Mさんが一人で通帳管理しても
 多分、大丈夫だと思います。」
「え?一人で?意味分からない。」
「自分の支払いは自分で。
 私は自分とC君の分を払うから。
 クレジットカードからの引き落としは
 Mさんの方でお願いします。」
「何で?いきなりそうなるの?」
「離婚したいから。」
「・・・え?ひとりでなんてできないよ。」


出来なくてもやってくれ。