夏休みに入ると必ずやってくる『面談』。

小学生の時は親と先生だけだったが、
今年から三者面談なのだ。


さすが中学生。
懐かしいなー。三者面談って。


「C君、明日は三者面談だからね。
 ママは午後有休取るから、一緒に行こう。」
夕食後、バタバタ片付けをしながら
私は息子に声をかけた。
「え?面談って、僕も行くの??」
「そうだよ。三者面談なんだから。」
「え?三者って、そういう事!?」
寝転んでいたC君が飛び起きて叫んだ。


え?寧ろ、どういう事だと?


「C君は三者面談を何だと思ってたの?」
「いや〜、僕はパパとママと先生かと…」

マジか。
ひとり親家庭はどうなる?

「中学生本人のいない三者面談って何だよ!
 おかしいでしょ〜(笑)!」
私は幼い無知なC君が可愛くなった。
「えー、どうしよう。大丈夫かな…」

何を今更びびっているのか(笑)





翌日、私とC君は学校へ向かった。

教室に入ると若い女性の担任教師がいた。
「こんにちは!」
先生は私達に明るく声をかけてきた。
「こんにちは。宜しくお願いします。」
私達は指定された椅子へと座った。


暑い天気の話をしたり、
夏休みを過ごしている様子の話をしたり、
思っていた会話とは違うような…
もっと勉強の事とか、進路の事とか、
グイグイと言われるのかと思っていたが…

「Cさんなんですが、お勉強も問題ないですし
 他の先生からもお褒めの言葉があります。
 成績も上位ですから。」
「あ、ありがとうございます。」


へー。
勉強もせず、家ではゲーム三昧。
スマホは手放さない。
そんな子が??


特に問題ないなら良かった。
それならば、終わりにして早く帰ろうと、
「じゃあ先生、今日はもう失礼して…」
と、言いかけて腰を上げようとした時、
「あ、僕から一ついいですか!?」
突然、C君が言い出した。
「はい、どうぞ!」

先生は笑顔で答えた。



C君はゴソゴソと鞄から
学校から貸与されてるパソコンを出して
「実は…パソコンが動かなくなって、
 強制終了もできなくて、
 画面が真っ暗になって、それきり…」
と、言い出した。


それきり?
それきり、何なんだよっ!


「あら、どうしたのかしらね?」
先生は心配してパソコンを手に取った。
「あの〜、パソコンって、立ち上がってる時に
 キーボードを打ちまくったらダメですか?」
突然のC君のカミングアウト。


ダメだろっ!
私も先生も驚いて固まってしまった…


「先生…先程のお褒めの言葉、
 どうぞ、撤回してください…」
私がそう言うと、
「あははは…」
と、先生は苦笑いをしていた。


穴があったら入りたい…

コイツ…
パソコンを壊した事を私に言わず、
三者面談で暴露するとは!
先生を味方に付けて、
私からの雷を免れようとしたのだな(笑)

くぅ〜、やられた!


後日、技術の先生が復旧してくれて、
無事に息子の手に戻りました(笑)