いつからだろう。
夫婦が別々に寝るようになったのは…


結婚して、子供が生まれ、
最初は3人仲良く寝ていた。
まぁ、川の字ってやつかな。


C君が保育園に通っている頃、
大きなベッドを買ったのも、
家族で寝られるようにと思ったからだ。

それが、ベッドを買ってすぐに
Mさんの仕事が不規則になり、
いつの間にか、パパの部屋、ママの部屋、
そんな風に別々の部屋で寝るようになった。


その夫婦別室がずっと続いて、
お互いプライベート空間を
個々で楽しんでいたのだ。
私は、テレビを見たり、C君と遊んだり。
Mさんも新聞読んだり、テレビを見たり、
そんな楽しみを過ごしていた…と思っていた。

でもそれが、ある意味…
Mさんにとって、不倫の道へと進む
原因の一つだったのかもしれない。






Mさんが不倫を解消してからも
私達夫婦は別々の部屋で過ごしていた。


少しずつ、少しずつ、
私達夫婦の再構築をしていく過程で
夫婦の距離感も変わった。

きっかけは、C君がいない夜。
友達の家に泊まった日と、修学旅行の2夜、
Mさんと眠る夜があったのだ。


そして、とうとう息子のひとり部屋移住。

ずっと私と一緒に寝ていたが、
さすがに自分の部屋が欲しいと言い出し、
私とは別々になった。


私の部屋にある大きなベッドの片側が
誰もいなくなり、
その空間を見て、Mさんが言った。
「一人でこのベッドは大きいよ。
 半分、俺が寝ようかなー」と。

そうして、夫婦一つの寝室が出来上がった。

しかし、
なかなか一緒に寝るタイミングがなく、
ようやく?とうとう?
一緒に寝る夜が来た。

「おやすみ」
そう言って、私はさっさと寝ようとしたが、
「このプーさんが邪魔なんだけど…」
Mさんが私とMさんの間にある
プーさんのぬいぐるみをどかそうとした。
「こらこら、これは防波堤です。
 津波が来ないようにしないとっ。」
私は、ガシッとプーさんを掴んで
しっかり拒絶発言をしてみた。
「え?俺が津波?
 でもプーさんくらいでは、
 乗り越えて、そっちに行くよ(笑)」
と、Mさんがニコニコしながら言った。



沈黙の後、私が一言、Mさんが一言。
「・・・殺す。」
「・・・はい。」


渋々という感じで、
Mさんはおとなしく眠った(笑)