「自然河川で日本で最もスレている釣り場はどこですか」と聞かれたら、
「忍野ですね」と私は即答します。
フライフィッシングの聖地であり、フライフィッシャーであれば、まず訪ねる
釣り場です。平日でも大勢の人が訪れます。おまけに5月いっぱいで多くの
エリアが夏季クローズに入ってしまったこともあり、さらに多くの人が
訪れています。
この釣り場はそれほど長さもなく、川幅もありません。ですからサカナは
あっという間にスレてしまいます。そこでフライフィッシャーたちは
ティペット(ライン)を限界まで細くし(鮎用のものを使ったりしています。
0.2号!とかの細さです)、フライを限界まで小さくします。#26などの
米粒よりも小さいフライを使うのです。
しかし、忍野のトラウトたちは、それでさえ見破るのです。正確に流された極小の
フライの、数センチ横を流れる「本物の虫」を悠然と食べる。そうしたスレ方
なのです。
その忍野ですが、鵜の被害と放流量激減のため、サカナが大変少なくなりました。
そのうえ、その少ないサカナが、大勢のフライフィッシャーたちにより、
細いライン、極小のフライでもう叩かれまくっているわけですから、
まさに「自然河川で日本で最もスレている釣り場」と言えるでしょう。
知人の上級者のフライマン数人と話しても、
「自分の持っている技術、フライすべてを投入しても4、5匹ぐらい」
「ルアーで釣れているのは放流直後以外見たことがない」
「フライでもボウズはもう普通だよ」
…
…
…
逆に行ってみたくなりました。そのような状況であれば、もし釣れなくても
納得がいきますし、自分のフェザージグと技術を試してみたいと思ったからです。
続きます。