橋下大阪市長のこのような横暴は許し難い。これでは国民に「任期4年でできるとことまでやるから過半数よこせ」と言っているようなものである。

「大阪維新の会」については、既存メディアの仕込んだ「橋下劇場」により期待値が急上昇しているが、政党として様々な違和感が出てきている。

やはり、国民押し付け型より国民参加型の理念が正しき道ではないのか。

[5日 日本経済新聞]橋下市長「数値目標は無理」 次期衆院選の政策で
大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長は5日、次期衆院選で掲げる個別政策について、期限や数値目標を入れない方針を明らかにした。維新は基本的な価値観をまとめた「維新八策」とは別に、個別の政策実例を示す方針だが、橋下市長は「政治が事前に国民に示すことができるものは限られている。数値目標を入れるのは無理」と述べた。

衆院定数半減と、議員歳費と政党交付金の3割削減については「価値観が分かれるところであり、必要な所には数字を入れた」として、残す考えを示した。

【「維新八策」は国政新党の綱領】

昨日5日の会見でまず違和感を感じたのは下記のフレーズとなる。
「(「維新八策」について)新たな政治グループの価値観を示す綱領」

つまり、200以上に及ぶ理念、基本方針、実現のための大きな枠組み、政策例などを設立を予定している新党の「綱領」としたのである。

しかし、そもそも「綱領」とは、一般的に政党の設立した目的や到達する筋道、政党の持つ価値観や存在理由などを示したものとされている。

その結果、「綱領」と「維新八策」に大きな齟齬が生まれる。

200以上に及ぶ項目を掲げた「維新八策」を「綱領」とした政党に参加する現役議員や候補者は、全ての項目に賛成できるのかという疑問である。

現状で次期総選挙で「300人擁立、200議席獲得」を掲げているが、この300人のうち綱領全てに賛成している候補者は皆無であろう。

このような候補者が数多く当選すれば国会はどうなるだろうか。
結局は、綱領自体が有名無実化して存在理由すら無くなるだろう。

その点において、人物的には評価していないが、民主党の前原政策調査会長が先日「大阪維新の会」について発言した内容が的を得ている。

「大阪維新の会と言っても、皆さんが名前をよく知っているのは、橋下市長くらいではないか。橋下氏の人気に乗じて政治経験のないような人がいっぱい出てきて国会で議席を取ったら、この国の政治はどうなるのか。また、民主党や自民党、みんなの党にいたら選挙に通らないから大阪維新の会に移って当選しようという志の低い議員たちが、国会に残ったらどうなるのか」

つまり、「維新八策」に表向きは賛成としているが、本音はブームに乗りたい、国会議員になりたい人の集団になりはしないかということだろう。

この結果、誕生するのがいわゆる「橋下ベイビーズ」であろう。


【「数値目標は無理」とマニフェスト選挙批判】

そして会見での発言で次に違和感を感じたのは下記のフレーズとなる。
「マニフェスト選挙を否定しないが、あまりにも具体的すぎた」

つまり、マニフェスト選挙により政権交代した民主党政権の失敗の一つがマニフェストにあり、具体的過ぎたから失敗したと述べているのである。

これに合わせて飛び出した耳を疑いたくなるのが下記の発言となる。

「国民にも改めてもらわないといけない。政治家は、行政機構の羅針盤になるような公約をつくればいい。数値目標や工程表は行政がつくるもので、政治は方向性を示すことに限定すべきである」

つまり、政治家は方向を示すが手段と期間は官僚に任せるということだ。
この結果、民主党の失敗理由の認識が世間と違うとことが明らかになった。

世間では、民主党政権の失敗は2009年マニフェストを全て反故にして、国民との約束を破る消費税増税法案を成立させたこととなっている。

しかし、橋下大阪市長が認識している民主党政権の失敗は、マニフェストが具体的過ぎたこと、官僚機構と対峙したことが理由となるのだろう。

だから、消費税増税法案の成立の際して野田総理をベタ褒めしたのである。

野田総理という政治家が消費税増税を決断して、官僚機構に丸投げして、3党合意を成立させ、多数派工作により法案を成立させたのである。

おそらく、橋下大阪市長はこの政治家と官僚の関係が理想なのであろう。

正しく過度に政治家の良し悪しに影響を受けやすく、下手すれば官僚機構のシロアリを増殖しかねない、政権運営になりそうなスタイルである。

やはり、理由はともかく結果的に官僚機構の軍門に下ったからだろうか。
それとも、官僚と地方公務員の圧倒的格差を実感してないからだろうか。


【「大阪維新の会」は国民への国家の押し付けか】

そして会見での発言で最も違和感を感じたのは下記のフレーズとなる。
「こういう方向性の政治集団に任せてくれますかと問いたい」

これは、「大阪維新の会」が「ある意味で白紙委任」を求めたのである。
そして、ヒートアップして論理矛盾を起こした発言を下記にまとめる。

「(維新八策の完成度は)非常に高い。既存政党が絶対できない価値観を入れ込んだ。維新八策に賛同する政治グループができれば、ありとあらゆる政治課題に必ず結論が出せる集団になる」

まず、既存政党が「維新八策」のような綱領を絶対にできない理由は、200以上の価値観を完全共有は少数政党でしかあり得ないからである。

次に、必ず結論が出せる集団になれる理由は、「維新八策」で200以上の結論が予め決まっているので、決める結論がほとんどないからである。

つまり、政党の価値観を示す綱領こそ緩やかなほうが良いのである。
「大阪維新の会」と「国民の生活の第一」の対比すれば明らかだろう。

参考記事:「維新八策」最終案に消費税増税反対と原発ゼロなし、「国民の生活が第一」の理念と似て非なるもの

そして、「維新八策」を綱領としたこと、公約の「数値目標は無理」したこと、「ある意味で白紙委任」を求めたことから次の結論を得る。

つまり「大阪維新の会」は国民への国家の押し付けでしかないのである。

全ての政策を一部の人間で決め、これに賛同する政治家を集め、ある意味白紙委任で国民に賛同を求め、過半数を獲れば政策を実行するのである。

この国づくりは、国民に意見を求めることも、国会に意見を求めることも、あまり意味を成さず、官僚機構のレールに乗って運営するのである。

そして、国民が後で「こんなはずでは無かった」「こんなことは知らなかった」「こんなことなら反対した」と言っても手遅れになるのである。

それが、気に入らなければ次の選挙で落とせばよいということだろう。


【「国民の生活の第一」は国民への国家参画の促しか】

現在ある政党の中で完全に対比するのが「国民の生活が第一」となる。

国民主権を取り戻すために、政治主導を確立するために、国民のニーズを調査して国民と一緒に議論して結論を得る方法を採用したのである。

また、これまでの自民党政権、民主党政権の失敗から、「党議拘束」を設けないことにより議員が自立して有権者の意見を反映しやすくした。

そして、官僚主導から政治主導にするため、国民と政治家が官僚機構に対峙できるよう機密以外の情報開示を徹底することを掲げている。

このアプローチこそ国民参加型の「決められる政治」を実現することだろう。
そして、「国民の生活が第一」は国民に国家参画を促しているといえよう。

大切なことは、国民全体で国家の情報を共有することで、問題点がどこにあり、改善点はどこにあるのかなどを統計的に探ることである。

10年に1人の逸材となる政治家を出現を待つのではなく、官僚機構の自浄作用に頼るのではなく、1億総出動で国家改革を行うのである。

国会議員700人程度のチェックより、キャリア官僚1万5000人程度のチェックより、国民1億2000万人でチェックしたほうが正しい。

そして、このほうが改革も格段に早く進み、既得権の解体にも繋がるだろう。

民主党におけるマニフェスト選挙の失敗は、あくまで国民との約束を破ったことであり、マニフェストに数値目標や工程表を入れた訳ではない。

マニフェストに数値目標や工程表が無ければ絵空事に過ぎないのである。

4年間で何を行うのかを国民に訴えなければ国民との信頼も生まれない。
それこそ結果的に、国民全体が政治不信の極みに陥るかもしれないのだ。

国民が、自民党政権と民主党政権での失敗から学んだことに期待したい。
そして、国民参加型の「決められる政治」が実現することに期待したい。




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