薬剤師は薬だしてるだけと思っている方が多いと思う。


私も働くまではそう思っていた。

外来は午前中に終わっちゃうんだから、午後はのんびりでしょ?な〜んて。


それが就職して、エラい間違いだったことを知る。


これは、私が結婚前に働いてた、数十年前の話なので、今とはかなり違うかもしれないけど、何かのご参考になればと思い書いてみる。


私が働いていたのは、総合病院。当時はまだ院外処方はだしてなくて、外来を全て扱っていた。


午前中で外来はだいたい終わるけど、その後患者さんは薬になるから、仕事が落ち着くのは1時すぎ。そして午後は入院患者さんの処方を作らなければならない。


さらに、薬の発注。

そして、前日発注した薬が届くので検品。そして、その薬を保管。

調剤棚が外来でスッカラカンになっているので、その充填。

って書くと、大したことないみたいだけど、それなりの患者さんがくる病院に通っている方、想像して欲しい。

患者さん全てが持ち帰る薬が毎日納品されるんだよ。

外用薬のシップとか、副作用防止の胃薬とか、数キロの箱でバンバン届く。

それを運んだり補充したりする。


そして、入院中心に発注される、注射薬と点滴の補液。補液なんかも、数十本入りの段ボール箱がまた何箱もくる。水分が詰まってるのでとんでもなく重い。そして、それを各病棟に払い出し。


この、薬の検品、払い出し担当になると、大抵の人が腰をやられる。

どこのカイロプラクティックがいいんだなんて話を皆よくしていた。


さらに病棟を回って注射薬の補充。

救急セットの管理。

外用薬など院内製剤を作る仕事。

処方箋の計算なども午後の業務。


そして、外来の患者さんに少しでも早く薬を出すための予製剤作り。

飲食店の仕込みのようなものだ。


たとえば小児科なんかは、体重によって、薬の量を調節しなければならないから、粉薬が多くなる。分包機を使ってパックして出すんだけど、それなりに時間がかかる。よく出る分量や日数が大体決まっているので、あらかじめ分包してセットしておく。


他にも、皮膚科の軟膏なども、ミックスして出すことがあり、これもよく出る組み合わせや分量で作って詰めておく。


ミックスの外用薬用の棚の補充、水剤の補充、粉薬の瓶の補充、錠剤分包機の補充、さらに半錠でよく出る薬なんかはあらかじめ割っておく、薬の袋の補充などなど。


翌日の外来が始まったとき、各薬の棚が満タンで取りやすく、少しでも早く薬を患者さんにだせるような仕込みをしておくのだ。


当然、外来が混雑すれば、薬の棚はスッカラカンになり、発注は増え、納品は多くなり、仕込みは大量になる。


そんなわけで、残業になることもよくある。


そして、そんな午後の仕事も、集中してできるわけではなく、外来、入院、ともに急患がきたらその薬の対応もしなければならない。


更に、処方箋でおかしなところがあったら医師に問い合わせなければならない。

医師もまた人間。錠剤の数や、飲み方の指示、薬の名前など間違えることもある。

それに気がついて、ひっかけるのも薬剤師の仕事。ケアレスミスだよね、と分かっても問い合わせしなければ法に抵触する。電話で問い合わせをするんだけど、タイミングが悪いとなかなか捕まらない。やっと連絡がとれても、それは特殊なケースなので、敢えて出しているんだ!なんて言われちゃうこともあって、私はこの問い合わせがすごく苦手だった。


また、患者さんから問い合わせの電話がかかってくることもあるんだけど、これが、とりとめがなかったり、ただの愚痴だったりなんてこともよくあり苦労する。お通じがなくて困っているってだけの話を定期的に延々と話すおばあちゃんなんかに手こずらされる。


こんな、通常業務の間にちょいちょい入ってくるイレギュラーな仕事を上手くかわさないと、ますます定時で終わらなくなってしまう。


病院あげての忘年会の日なんかに限って、定時ギリギリで急患が入ったりして、医師の診察が終わって、それから薬だから、そんなときは薬局が1番の遅刻で会場に向かうことになる。


今は院外処方も多くなったけど、入院がある病院は、入院患者さんへの調剤や薬の管理はしっかりあるし、注射薬の一本渡しなんかもしているだろうし、病棟薬剤師の仕事も増えてるから、大変さはあまり変わらないんじゃないかと思う。


そして、ここが1番辛いとこなんだけど、

医師や看護師は患者さんから感謝されたり、ありがとうって言ってもらえる機会があるけど、薬剤師にはそれがほぼないことだ。


重症の皮膚科の患者さんのために1キロの軟膏捏ねてたとき、先生や看護師さんは、おかげで良くなりました、ありがとうっていわれても、


薬剤師に、

そんなに沢山軟膏捏ねてくれてありがとう。手が痛かったでしょ。

なんて、患者さんが言ってくれる日は絶対こないよなあと思った。


ここが、私が現役のとき1番仕事が辛かったことかな〜なんて思っている。


誰のために頑張ってるんだか、よくわからなくなる。自分がやっていることが何かの役に立っている実感がない。


それで、今は講師という、人と対面する仕事をしているのだと思う。


そんなわけで、病棟薬剤師さんや、ケモ中に来てくれる薬剤師さんが、いい対応をしてくれたときは、もれなく、ありがとうございますを忘れず伝えることにしているのでした(⁠^⁠^⁠)




薬剤師の仕事について、こちらも良かったら(⁠ ⁠◜⁠‿⁠◝⁠ ⁠)⁠♡