「テミスの不確かな法廷」を楽しみに視聴している。


このNHKドラマの主人公、松山ケンイチ演じる安堂は、ASDとADHDを合わせ持っている裁判官。自分のことを、宇宙人で、地球人に擬態して生きていると表現する。


私も自分がASD、アスペルガーなんじゃないかと思い、心療内科を受診したことがある。



そのときは、


アスペルガーだったら働けてないですよ!


と医師に言われ、私の生きづらさは毒母の圧力のせいと言う診断だったのだが、やはり、アスペルガーの人の話には共感する部分が多い。



安堂の、自分は一度に2つ以上のことができないと言う言葉。 


まさに薬剤師時代に仕事が本当に辛かった点だ。薬剤師って、調剤をしながら電話対応、患者さんの対応、急患の調剤、急ぎの病棟の払い出しなどが次々飛び込んできて、その都度、今最速でしなければならないものの優先順位を付け仕事を消化していかなければならない。




これがものすごく苦手だった。

急ぐべきものを見誤り、更に、集中が途切れる度ミスが増えたり、忘れてしまったりした。




私って、頭の中に棚がひとつしかないみたいなんだよ!!

ひとつ入れるとひとつ出ちゃうの!!




人生でこれほど一度に沢山のことを捌かなければならないことはなかったので、自分の弱点を初めて深刻に受け止めて、こんなことを友人に話したりしていたけど、あんまり分かってもらえなかった。


今の非常勤講師の仕事は、授業やレッスン中に複数のミッションは起こりにくく仕事に集中できる。

多少のイレギュラーがあったとしても、場を仕切るのは私なので、経験を積んでひとつひとつの対処法を学んでいけばなんとかなる。

授業も今までの繰り返しが基本。

アスペルガーっぽい私に向いている仕事だと思う。



そして、自分は冗談がわからない。言葉どおりの内容を受け取ってしまう。と言う安堂。



私は、ユーモアや冗談が全然わからないわけではないんだけど、ときどき咄嗟の冗談が分からなかったり、うまく返せなかったりする。




講師を始めたばかりの頃、学生に、




先生の給料っていくら〜?



って聞かれて、



人の給料を聞くなんて、ものすごく失礼なことですよ!!



と、激しく怒り、

後でそれを友だちの先生に、


失礼な学生がいた!!


と、伝えたところ、




しまさんは真面目だからな〜。

そんなの冗談言ってるだけなんだから、


100万円くらいだよ〜。


とか、適当なこと答えとけばいいんですよ〜。



と、笑いながら言われて、




なるほどそういうものなのか!?




と学んだ。




人の給料を聞くのは失礼なこと。




と、刷り込みがあると、状況がどうであれ、正義感からくる怒りが発動してしまう。


でも、


そうだよなあ。

状況から考えて、冗談言ってた風だったかも。



と反省した。




しばらくしてまた同じクラスで、



先生、満点とったらプレゼントもらえる?



と、聞かれた。



以前なら、また正義感の怒りがでるところだが、これは冗談なのだ。冗談で返してみよう。



そうね〜。みんなプレゼント何が欲しいの〜?




すると、男子学生が、




先生のチュー!!

注:ン十年前の話です。




こっこれは?!




いやいや、


こんなの冗談なんだから、私も冗談で返さなければ!!





あらぁ、こんな若い男の子にチューしていいんですか?

うふふっ、すごく楽しみですねー!!






やった!

これでどうだ!!

冗談で返したぜっ!!





と、思ったら、別の満点取りそうな男子学生がものすごく真顔で、




でも先生、先生が学生にチューしたら、学校で問題になりませんか?






(⁠ ⁠;⁠∀⁠;⁠)(⁠ ⁠;⁠∀⁠;⁠)






ねえ、みんな、冗談言ってたんだよね?

だから私も冗談言ったんだよ!?





ってことがあったのをまた友人の先生に話すと、



しまさん、すごく真面目な顔で返しちゃったんじゃないですかあ?

だから学生が不安になっちゃったんですよー。




そうかっ、冗談を言うには顔も大切なのか!?




こうして、地球人に擬態する方法をひとつひとつ学ぶ。


声のトーンや表情、アクション、タイミングなどを会得して、今では冗談は冗談らしく言えるようになったかなと思う。



そんなふうにひとつひとつ、普通を擬態しているところが、安堂に共感するのだろうなと思っている。