東京ボレロ 生と死のはざま【追記】 | Carpe Diem! 日々摘花

Carpe Diem! 日々摘花

2011年6月PBC(原発性胆汁性胆管炎)と診断される。
【忘れた頃に噴き出す間欠泉ブログ…よろしかったら読んでいってください♪】

元フィギュアスケーター町田樹さん敬愛。彼のスケートと感性、生き様に魅了されています!

【追記】この記事は7月19日、デニス・テン選手の訃報を聞く前にあげたものです。テン君の早すぎる死を前にして、当日にこの記事をあげ続けることに迷いが生じて一旦記事を下げました。

22日に大使館に献花に行ってきました。安らかに…とはまだ言いたくなくてありがとうとだけ言うつもりでした。でも沢山の花が積まれた(机が足りずにちょうど何個目かの机を追加していた)献花台で皆の思いのつまった花に囲まれてテン君の写真を眺めていたら安らかにという言葉が自然と思い浮かびました。別れの言葉ではなく祈りとして…。

テン君のご冥福をお祈り申し上げます。

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PIW東京公演。

初の全通。(プラス朝練見学)

初演はPBCの定期受診日。
朝一で受診して病院から
はやる気持ちを抑えて東伏見へ向かう。

 

はずだった。


しかし血液検査の結果が悪い。肝臓が硬くなりはじめているという。
 

…。

 

寿命が先か?肝硬変になるのが先か?と思っていたけれど、どうやら畳の上では死ねないらしい。


東京公演の前にブルーになりたくなかったのでそれ以上詳しいことは聞かなかった。

 

待合室のダンナにヘラヘラと結果が悪かった~、とさりげなく言いたかったけれど、悪かったの「た」の辺りで涙がジワっと滲んだ。

一旦 言葉を切って、涙を引っ込めてからポツポツと話す。
話しているうちに落ち着いてきた。

 

私の体は実質どこも痛みを感じていない。
THE鈍感力の強い私は だんだん平気になってきた。

 

人生なるようにしかならない。

 

でも仕事は辞める。体を第一に考える。

ショーには何度も行かない、もうお金は使わない。広島遠征が最後の大判振る舞いだ。
(JOとカーニバルはプレミアム支払済…w)

 

病院で会計を済ませて最寄駅まで送ってもらうと、ひとり東伏見へ向かう電車に揺られながら
この4年間幸せだったな~としみじみ思った。

 

この4年 まっちーにバンバンお金を使って悔いはない。
私の病気が本格的にいつ悪化するのかわからないけれど、自分の人生を振り返る時にこの期間がキラキラ輝いているだろうことは今から確信できる。

まだ引退まで間があるけれど(そしてファンでいる期間はこれからも長く続くけれど)、町田樹と共に歩んだ(と勝手に思っている)この4年間はかけがえのない宝物だ。


町田樹を好きになってその魅力に振り回されてドキドキしたり感激したり。
何より心震える感動に何度も立ち会えた。

 

町友さんとワイワイしたり、まっちーの熱風を受けて皆でメロメロになるのもとっても楽しかった。

 

簡単に転送されて色々なものを見た。スケートだけでなくバレエまで習い始めた(笑)

 

この4年があるのと無いのでは人生のキラキラが充実感が全然違う。なんて贅沢な期間だったんだろうか。
感謝しかない:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

許してくれた家族にも感謝。

 

東伏見に到着。
初日名物(?)のエビスビール(無料)をとりあえず(笑)1杯もらう。
エヘヘ。
東京公演が終わってから節制しようっと。
といっても普段1滴も飲まない。
(我が家の年間ビール消費量は缶ビール10本前後)

(だったら余計に我慢できるだろうにイベント気分で…)

 

公演前のそんなこんなで
いつもより生と死を意識した公演になったと思う。

 

初演は何を見ても感動して、逆に何を見ても無感動だったかもしれない。やっぱり気持ちが変だったのだろう。しかし町田樹の突出した力、一人で創りだす世界は別格だった。

 

振り付けを踊る、にとどまらないパフォーマンス。

曲が流れて物語が勝手に広がっていく。

 

森の中の暗闇にいたはずの私たちは気付くと異界に立たされている。そこで狂いかけている男の踊りを眺めている。

 

こっそり覗いた開かずの扉。そこで繰り広げられる異世界から目が離せなくなって、このまま見続ければ災いがこちらにも降りかかってきそうな気配。

 

やはり辞めていくには惜しい。

「辞めないで」とはもう思わない。

ただスケート界の損失を思って、なんと勿体ないことだと嘆く。

 

2日目も熱い演技が続く。

彼の凄まじさはどうだ。異世界感はますます強い。

横浜が森の夜明けを感じたのに、東京はやっぱり森からどこかへ連れ去られる。

やはり異世界に立たされ。

湖面を滑っているのではない…。

では、この男が落ちるのはどこだろう…。平衡感覚がわからなくなるような感じ。

(2日目は連日のバナー作成の無理がたたり朝練を寝飛ばす大失態。それでもまだ眠かった…。まだ頭がもうろうとしていたのかも(・・。)ゞ)

 

湖面を滑る男には死の影がつきまとう。死と隣り合わせの男は滑る喜びに目がくらんで気付かない。普段のなにげない日常も死と隣り合わせ。一瞬一瞬の生は輝いていてまぶしい。暗い闇と生きる喜びとの対比。

 

死が迫らないとなかなかそのまぶしさに気付かない。事故や思わぬことに巻き込まれたりもする。本来人は生と死のはざまを行ったり来たりしているのだ。生まれた瞬間から死に向かう命。生には必ず死が含まれている。

 

町田樹が何かを生み出そうとする限り、必ず死の暗闇に向かいあっていたはずだ。だからこそ継ぐ者やあなたに逢いたくての暗夜、生きる喜びをうたったバジルが生まれたのだろう。スワンはもちろんアヴェマリアの祈りも死を孕んでいる。

そしてこれが町田作品に横たわる強さと優しさなのだろう。

 

緑と紫のライトに照らされて異界の淵で滑る男を見ていたらそんなことを思った。

 

3日目はやや疲れが見えてきた様子。しかし気迫を感じる。残された公演、ボレロの世界を届けるのだという執念。

 

滑っている目の前のリアルな身体を感じながら心が飛翔する2日目までと違い、彼の生き様を感じる演技。

 

これはファン心理が欲目が入っている。少しでもジャンプが詰まり気味になるとハラハラしたり、バレエジャンプで1回2回と数をかぞえたり、ラストへ向けて足の踏み出しの1歩1歩に注視したり。

町田樹の演技を完遂させてやりたいと思う心がフラットに演技をみるのを邪魔をする。

 

まっちーにしてみれば そんな老婆心より純粋に演技を堪能してほしいだろうけど、でもしょうがない…。アーシュラシマリスは馬鹿なのだ…。

 

逆に言うとそれくらい完璧にやり遂げている。わずかな綻びに気をとられるのは他が圧倒的だということだろう。

 

3日目の後半に入ってから 演技に集中したいのに寂しさが襲ってきてやはりフラットに演技を見られない。(いつもフラットに見られないが…(*゚ー゚)ゞ)

 

ふれあいタイムの様子をみると、まっちーはニコニコとさっぱりとした顔をしている。すべてやりきり誇り高く去っていこうとしている彼。悲しいけれど明るく送り出したい。

まっちーがあちらこちらでファンの言葉を聞いてくれている。初日にバナーを見てもらえたのに心の準備がなく何も言えなかった。

私も何か言いたい!伝えたい!((((((ノ゚⊿゚)ノ

 

公演3日目の朝、はじめて当日券のアップグレードに挑戦した。朝8時40分に会場に着くと意外なことに一番のり。前日の朝練で他の人は今日は出が遅いのかもしれない。EX1を手に入れることができ、まっちーに言葉をかけることができた。

 

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

これからもファンです…

でも今までファンでいた期間はとても幸せでした。

私の宝物です…!

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

 

たくさんのファンの言葉が目線がバナーが拍手が、まっちーのこれまでとこれからを明るく包むようだった。この祝福のシャワーが少しでも次の道への養分になりますように。

 

(千秋楽へ続く)

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もしコメントをくださる場合は
体調大丈夫ですか?の文章は無しでお願いします!( ´艸`)
気を遣って いつもはコメントしないけど今回はコメントしちゃおう、というのも無しですよ(笑)
一瞬落ち込んだけれど今は大丈夫、
かまってちゃんじゃなくて、「かまわないで星人」なのですw