松田丈志氏、パリ五輪の競泳メダルの厳しい見通し明かす「1から3くらいかなと…」



競泳で五輪3大会連続メダリストの松田丈志氏が3日、東京ビッグサイトで始まった「スポーツチーム・アスリート向け総合展2024―Japan Sports Week―」(5日まで。業界関係者のみ公開。一般入場不可)のトークセッションに登壇した。





 松田氏はパリ五輪の日本勢のメダル獲得見通しについて「最近ちょっと国際的な舞台での力が少し落ちてきているのが現状です。メダルは最悪ゼロもあるかもしれません。1から3くらいかなと思っています」と厳しい見通しを明かした。


注目種目については男子200メートルバタフライでパリ五輪の金メダル獲得に挑む本多灯(イトマン東進)に加え「日本のお家芸でもある、200メートル平泳ぎ。渡辺一平選手、花車優選手で挑みますが、結構面白いかな」と明かした。


 さらに男子個人メドレーでは「瀬戸大也選手と松下知之選手。瀬戸選手は、200メートルと400メートルで1つ取れたら、と僕は思っています。その3種目くらいがメダルが狙えると指摘。「女子はちょっと厳しいかな、ゼロの可能性が高いかな、と正直見ています」と冷静な分析を明かしていた。




男子200メートル個人メドレーに出場する瀬戸大也(30)も昨秋からマイケルコーチの指導を受けています。最もメダルの可能性があるのは瀬戸だとみています。私の本職のバタフライでは、男子200メートルの本多と寺門弦輝(21)にも注目です。


 既に(東京五輪銀メダルなど)実績があり、持ちタイムも速い本多の方が可能性は高いですが、寺門の伸びしろにも期待したい。元々個人メドレーをやっていた寺門は200メートルバタフライに専念して力を一気に伸ばしてきた。彼がすごいのは、(身長171センチと)小さいのに100メートルも速い。僕からすると、あの体で100メートルを51秒台で泳げるのは、泳ぎの技術と彼の持っている体のバネ、スプリント力が生きているのかなと。100メートルのスピードをうまく200メートルにつなげて持久力の強化ができれば、もっとタイムを上げられるでしょう。指導するのは鈴木陽二コーチで、鈴木大地さんに金メダルを取らせた名伯楽。この短期間でも何か仕掛けてくるんじゃないかという期待感があります。


 ただ、バタフライは絶対王者のクリストフ・ミラーク(24=ハンガリー)がずば抜けています。200メートルは1分50秒34の世界記録保持者で、東京五輪では金メダルを獲得。本多の自己ベスト(1分52秒70)と比べても、3秒ぐらい速い。とはいえ、ミラークも少し休んでいた期間があって、2022年に世界記録を出した自国ハンガリー開催の世界水泳のときほどの勢いはないとみています。


その次に警戒したいのが、レオン・マルシャン(22=フランス)です。地元フランスの競泳で一番期待されている選手。200メートル平泳ぎも出るんですが、もともと200メートルバタフライと日程がかぶっていたのを、彼が両方出られるようにフランスがスケジュールを変えた。自国開催なので何でもありですね。200メートルと400メートル個人メドレーに加え、4冠の可能性がある。この2人は強力なライバルですね。


金が1個取れたら…


 ズバリ、僕はメダルの数は2〜5個だと思っています。すごくうまくいって5。男子では、200メートル平泳ぎの渡辺一平(27)、花車優(24)、200メートルバタフライの寺門、本多、200メートル個人メドレーの瀬戸、400メートル個人メドレーの瀬戸と松下知之(18)も面白い。確実に読めるのはこの4種目です。


 松元克央(27)の200メートル自由形と100メートルバタフライはどちらも大混戦なので、3位(銅メダル)もあり得るけど、下手したら決勝に行けない可能性もある。それぐらい選手層が厚い。だから準決勝がまず大きな勝負になりますね。決勝の舞台に立てれば混戦の中ですり抜けられるチャンスが出てくる。松元の課題は自由型短距離とバタフライのエースでリレーもいっぱい出るので、疲労との闘いもある。多種目に出る選手としては璃花子もそうでしたが、タフな過密スケジュールをどうこなすか。


 金は1個取れたらうれしいですが、ない可能性もありますね。あるとしたら渡辺一平の200メートル平泳ぎか……。でもこれも混戦でライバルが多い。(【女子編】につづく)



確実にメダルが獲れる

種目は?

と、言われるとないですよね。


獲ってほしい種目は、

あります。


瀬戸大也

渡辺一平

本多灯


かな?