競泳の入江陵介(34、イトマン東進)が3日、都内で引退会見を行い、冒頭で「私は引退を決意させていただきました」と報告。



18年間の日本代表歴を誇る入江は「日本代表として戦うことができて本当に幸せでした」と現役生活を振り返った。 黒のスーツ姿で会見場に現れた入江。「すっきりした気持ちとどこか悔しい気持ちとただ晴れやかな気持ち」と様々な感情を吐露したが、「何より大好きな水泳をここまで続けることができたことがまず本当に良かったな」と話した。 3月に行われたパリ五輪代表選考会では、競泳史上初となる五輪5大会連続出場を目指したが、100m背泳ぎ2位(派遣標準記録突破ならず)、200m背泳ぎ3位という結果に終わり、代表内定を逃した。「パリの地で引退したかったなっていう気持ちは強かった」と本音も漏らしたが、「東京の地で日本の地でたくさんの人の目の前で、最後に泳ぎきることができたのが何より幸せな瞬間でした」と振り返った。 五輪は4大会に出場(08年北京、12年ロンドン、16年リオ、21年東京)。最も印象に残っているレースに、2012年のロンドン五輪で北島康介、松田丈志、藤井拓郎とともに銀メダルを獲得した4×100mメドレーリレーをあげた入江。「観客席を見た時に日本チームがみんな飛び跳ねて泣いて喜んでくれたあのシーンが、本当に今でも鮮明に覚えています」と懐古した。



 (左)入江陵介選手(右)北島康介さん 今後は「イトマン東進に籍をおきながら後進の育成」へ。さらに「大学院への進学も」考えているという。「いろんな活動をしながら勉強もしていきたい」と話した。また幼少期の夢は「アナウンサー」だったと明かし、「ずっとメディアから伝えていただく立場だったんですけど伝える立場にもなってみたい」と多彩な夢を思い描く。 水泳についての思いを聞かれると「自分自身の人生がずっと水泳で生きてきたので、正直ここから水泳のない人生っていうのが思い浮かばない」。「すごくぽっかり穴が開いたような感じもありますし、明日からどうやって自分は生きていけばいいんだろうっていう風に感じる部分もあったので」と言葉を詰まらせ涙した。 会見の最後、北島康介さん(41)が駆け付けるサプライズに入江はまたも涙。初出場した北京五輪でルームメイトだった北島さんは「長い間競技生活ご苦労様でした」と労いの言葉をかけ、「日本を牽引してくれた心強い後輩」とそれから15年以上第一線で活躍した入江を称えた。


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