押さえつけ、抱え上げ、駆け抜ける。

 

 

乗客たちの息を飲んだ空気に見送られながら。

 

 

 

ちびさん2歳4ヶ月。

 

 

 

保育園がお休みの日のこと。

 

 

暑さが続き公園遊びできない。

 

 

かといって、近所のスーパーやドラッグストア探索には

飽き飽きしてしまった。

 

 

 

そのため、新たな居場所を求める。

 

 

 

バスで15分ほどの図書館へ。

 

 

 

後部の2人用座席に

ちびさんと私で座る。

 

 

 

乗車してくる人をじっと見つめ

窓の外の景色を指差し

 

 

 

なかなか忙しそうな様子である。

 

 

 

「もうすぐ降りるよ〜」と伝えるものの

 

 

「まだ、まだ」

*まだ降りたくないよ。

 

 

 

と、バスを満喫している様子。

 

 

 

本当に降りる停留所になって

 

 

 

「ヤダ!ヤダ!ヤダ!!!」

✳︎降りない!!

 

 

車内に響き渡る。

 

 

 

周囲に緊張が走る。

 

 

 

暴れるちびさんを

 

 

 

押さえつけ、抱え上げ、出口まで駆け抜ける。

 

 

 

 

降りてから

 

なだめる&休憩のため

停留所のベンチへ。

 

 

ちびさんの落ち着くのを待ってから

 

 

「あのままちびさんだけ

バスに乗ってたら

 

 

ママやばあばとバイバイ〜になっちゃうよ。

 

 

それは、ママ、イヤだよ」

 

 

と、伝えてみる。

 

 

 

理解したのか

 

 

「ヤダね」  

 

と、同意。

 

 

伝わった喜びも束の間

 

 

炎天下のなか

 

 

歩きたがるちびさんに連れ添い

 

 

 

徒歩10分ほどの帰路を

1/3の速度で歩むのでした。