かいだん

…………

会談…

ではない。

怪談…

でもない。

階段である

娘のジョンが

一段

階段

上がっただーん

昨日

満点の小テストをshimaeに差し出して

「満点だったよ」

と、言うので

「頑張ったね。

嬉しいね」

と、言ったら

テスト用紙を差し出したまま動かず

「満点だったんだよ？」

と、繰り返す……

なるほど

そーゆーことか

ピンときたね

テストが満点だったことによる

お小遣いのインセンティブ交渉である

検定の時なんかに

「一発で合格したら

２度目の検定料が浮くから

その分

オマエに還元したるよ」

って

やってきたんだよなー

でも

それは事前に約束があってのこと。

そうそう毎回出せるかいな

そもそもこんな小問題の20問くらいで

満点とったってドヤ顔で言ってるけど

毎日コツコツやっとったら

満点で当たり前くらいのヤツやないけ

そこいらへんも含めて

却下を言い渡し

さらに

「大事な交渉してくる割には

スマホばっかいじってて

相変わらず学校からの手紙も

出してこないけどさ

月が変わるんだから色々配られたんじゃねーの？

こっちから指摘される前に

やることきっちりやってから

交渉かけてこいよ

詰めが甘すぎだ」

と、言い放ったら

ジョンのヤツ

憮然とした顔で

学校からの配布物を持ってきた。

そんでもって

こう言ったよ

「あのさー。

私、なんでかわかんないけど 

なーんか、イライラするんだよね

なんでだと思う？」

「思春期だからだろ？

おまけに今生理だからじゃないの？

ホルモンのせいだよ」

「ふーん。

じゃあさ

このイライラはどうしたらいい？

マヂでイライラすんだけど」

「部活で楽器鳴らしてる時や 

歌歌ってる時は

イライラしないだろ？

なんかに集中したり

あとは運動で発散かなー」

「運動はイヤだ

確かに楽器吹いてる時は

落ち着いてるねー。

イライラするのは

主に朝と夕方だもん」

…………

「へぇー。

あたしが家にいる時間帯に

イライラが集中してんだな

なるほどね。

母親がウザいってわけか。」

「……そーね」

「いないほうが気楽でいいかよ」

「……そ、そーゆーときもあるね」

「オッケー。

じゃ、ウザいババアはなるべく家にいないように心がけますわ。

幸いワタクシ

自分の世界がありますんでね」

大人気ないshimaeの口は

止まらない……

「飯も自分で支度して食えよな。

学校がらみで保護者が出てく時は

親父に言えよ。

毎日オマエが寝た頃を見計らって

帰ってくるようにするかなー。

２２時には寝といて欲しいね。

部屋借りて

一人で暮らしたいとこだけど

コストがかかりすぎるからな

高校出るまでは

『親の責任』って言われちゃうしな

オマエの自立目標のため

コストカットを考慮して

通院もやめたっていいんだぜ」

だーれーかーとーめーてー！！

と、心の中で思ってても

なかなか止まらず…

間に入ってくれたのは

この方

猫って

絶妙なタイミングで

ピリピリした雰囲気を壊してくれる。

この後

ジョンと一緒に布団敷いて

一緒に布団でゴロゴロしてたら

ゴマもくっついてきてゴロゴロしてて

右手にジョン…

左手にゴマを撫でながら

「娘は反抗期だし

猫は気まぐれに噛み付いてくるっていうのに

こうやって両手に花状態で 

こいつら撫でてると

幸せ感じちゃうなんてねー」

と、独りごちたら

ジョンが笑いながら

「あー

これから一生 

私が母ちゃんのことを

『ウザいおばさん』って言ったことに

されちゃうんだろーなー（笑）

私、なんにも言ってないのになー」

だって

わかってんじゃん

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