多分、どう表現しても分かって貰えないでしょう(笑)。上の写真で説明しようとしてもやはりダメでしょう。いやこの土偶のデフォルメされた大きなお尻の、どうしようもない安心感とユーモアをです。

 先月初めに「国宝展」を開いていた大阪市の美術館。その会場の真ん中にちょこんと置かれていた「縄文のビーナス」を見た時には、思わず大笑いしてしまいました。正面の極端な切れ目やつまみ出されたおっぱいなどではありません。背面に展開する豊満な大地と地平線がスゴイのです。

 聞くところによると、このお尻には特別の魅力があって、ビーナスを保管する茅野市尖石縄文考古館では、企画展「背中から見る土偶」展さえ開いたこともあるとか。さもありなん。

 

 後期高齢という年代になると喜怒哀楽が薄まるものと勝手に思っていました。しかしこのビーナスには全身で笑わされました。これぞ国宝です。しかしその魅力は現物を、しかも間近にみて始めて味わえるもの。ぜひ皆さん、直接にビーナスにお会いするチャンスをおつくり下さい。幸せになります。