日産創立90周年記念 特別試乗会@Grandrive

BMWに乗りながらも、BMWのHPを見ることは殆どない。

見難いし、あまり興味もない。

でも日産のHPはよく見る。

日産が好きなんですよね。できれば日産車に戻りたい、と言う願望は強いです。

レースでもBMWを応援する事は無く、日産一択。

NISMO ロゴ入りの服はいくつも持っているが、BMW ロゴ入りはディーラーからもらったTシャツ一枚だけ。

BMW Brandに思い入れが無いのかな。

日産に戻れないのは買いたい車が無いから。10年前に今のRZ34 Zが出てれば買ったかもしれないけど、

今は色々理由があり買えない。ま、そもそも受注停止なので、買えないけど。

Skylineは古すぎ。

中々うまく行かないもんです。

 

ある日、日産のHPを見ていたら”日産創立90周年記念 特別試乗会@Grandrive”の

イベント情報が出ていました。

先着約100名で2日間開催。

内容は

日産追浜工場隣接のGrandraiveにてアリア、エクストレイル、サクラ、セレナ、GTR、Zの試乗、

先進技術体感、ヘリテージカー展示、GTRのパフォーマンス体験等。

Grandriveは新車の発表などでプレスを呼んで、プチ試乗会、説明を行うところで、

1周4キロほど、アップダウンコーナー、首都高段差、不正路、S字コーナー、ロードノイズ路、

うねり路、高速道路、低ミュー路等がある、クローズドコースがある。

一度行ってみたかったので、予約開始直後に携帯から応募した。

どうせ、直ぐに定員一杯になると思いましたが、すんなり予約完了。

皆イベント自体に気が付かなかったかな??

 

当日、渋滞もなく順調に走り、追浜へ。

最近、日産本社にも行ったし、日産エンジンミュージアムにも行ってきたので、日産漬けだ。

受付を済ませ、軽いブリーフィング。

早速試乗が始まる。

 

4キロという短いコースで、次々と車を乗り換えるので、インプレッションも何もあったもんではない。

じっくり味わっている暇もないが、感じたことを。

 

1台目 エクストレイル e-4ORCE

乗り込んでシート合わせ。少しステアが低い。内装の質感は高いが、リアのドアトリムはハードプラ、シートの座面は

平板で、全くよろしくない。Spaceだけは十分。

コースに出る。

ステアは軽く、反力があまりない。

アクセル、ブレーキペダルも軽く、何となく心もとない。

e-Powerは力強く走る。圧縮可変エンジンは振動もなく、音も静か。

中々良い感じだ。

少しばかり重心の高さを感じたが、慣れの問題でしょう。

首都高の継ぎ目を模した段差では中々快適に乗り越える。

強いショックも無いし、角も無く、いなしは見事。

S字では少し車の重さを感じた。

高速路では140キロぐらいまで出たが、極めて安定しており、エンジンの音もさほどうるさくない。

ただ、モーター特有のジャーク感は薄かったのは少し残念。

驚いたのはピッチングが抑えられており、車が常に安定していること。

このような重心の高い車で安定しているのは前後の駆動制御のたまものでしょう。

アリア、ノートも同様で、e‐Powerを買うなら4WDであるe-4ORCEが絶対に良い。

(個人的には”e-FORCE”と名称に思い入れがある。辛かったけど、良い思い出)

上質までとは言えないけど、中々良い車でした。

 

アリア B-6

次の車はアリア。まず違和感があったのはブレーキ。ペダルのストロークが深い。何だろ??

とりあえず純粋なBEVなのでジャーク感を期待。

走り出す。 ステアの反力が殆どない??

アップダウンコーナーでは車の重さを感じる。 

うーん、さすが1960㎏。

いくら制御が巧みであっても物理の法則には敵わない。

あまり速度を上げて曲がりたくない感じ。

乗り心地は悪くないが、先程のエクストレイルの方が落ち着いている感じで良かった。

高速路で、アクセルを床まで踏むが、思ったよりもジャーク感が無い。

これも制御の影響だが、せっかくのBEVの良さ、魅力を生かしていない。

騒音は抑えられており、ICEと比較にならない静粛さ。

何となく新しい車に乗っている感じが薄く、不特定多数の人が乗ったためか、少しやれた印象がある。

特にステアフィールについて全然良いとは思えず。大きい、重い車を動かしているという実感が

強かった。

2020年、夏に発表されてから受注停止を繰り返し、最近ようやく9Bというe-4ORCEのモデルが

販売されるようになった。

日産のBEVの旗艦車となるはずが、今回の車を乗った限りでは旬を過ぎてしまったような印象がある。

B9に乗ってみれば印象が変わるはずだけど。。

相変わらず受注停止と言う状況では、せっかく発表をしても意味がない。。

もうちょっと考てくださいな。

 

サクラ

内装は軽規格とすれば質感上々だけど、それは見た目だけ。

相変わらずドア内張りの薄さと取りつけ剛性の低さに興醒め。

写真では良いが、実際に触れてみると、お里が知れてしまう。

BEVとは言え、300万円もすると考えると。。。

リーフも同様だけど、BEVと言うだけでこんなに高価になるのはまだまだ市民権を得ることは難しい。

補助金頼みであり、これが縮小方向に向かうと、こんなの誰も買わなくなる。

急いでポジションを合わせ、スタート。

この車にはジャーク感と、軽のクラスを逸脱した乗り味を期待。

試乗開始。

あれ?

ジャーク感ないぞ。

考えてみれば軽枠の自主規制(64PS)を守っているから当然だが、それにしても。。

前後重量配分がFFのように極端ではない。

トラクションがかからないので、仕方ないかも。。

ステアフィールも軽自動車のそれ。フリクションがあって精度感が無い。

走り出すとエンジンが無いくせにやたらうるさい。これはロードノイズ。

フロアに置くバッテリーのため、腰高感はあまり感じないが、剛性感もあまり感じない。

首都高の継ぎ目を模した段差では安っぽい音と振動が入る。

これ、普通の軽自動車とそう変わらない。

高速路では130キロぐらい出しましたが、その騒音と、車のヨーイングピッチングが大きく、

はっきり言って怖かったです。

高速巡行は無理ですね。僕には。

高速道路で飛ばしている軽自動車は、相当気合い入れて走っているんだと思いました。

期待感が高かっただけに、サクラの出来具合は少し残念でした。

気合いの入った開発陣の声を聞いて新しい軽の基準がそこにあるのでは?と思っていましたが、

考えすぎでした。

BEVってのは難しいな。意外と。

 

セレナ e-Power

ガソリン車の方は乗っていましたが、e-Powerは初めて。

まずは椅子の高さに驚き。こんな高い位置にあったのか。

期待は静かさと、モーターの力強さ。

ステアの反力には期待できなかったけど、やはりフィールはあまり良くない。

この手の車に求めるものではないか。

アップダウンコーナーでは重心の高さを感じ、少し怖いくらい。

車が言う事を聞いてくれない印象。無理に抉ると倒れそう。

ただ、以前実家にあったセルシオのようにBodyとシャーシがバラバラに動くような挙動は感じず、1 BOXとして

動きは悪くないようにも思う。

首都高の継ぎ目を模した段差では騒がしいし、Body剛性の低さも感じる。

後ろの方からガシャッと音がする。

アクセルを奥まで踏むとエンジンが急激に騒がしくなるが、ジャークは感じない。

Powerが低いのと制御の影響でしょう。ジャークを抑えて車酔いを抑えた、と開発陣が話していた。

高速路ではエンジンが大騒ぎ。

静粛性にかなりお金を使ったとのことだけど、これでは会話もままならない印象。

古いプラットフォームの限界をこの辺で感じます。

長距離は辛そう。。

まあ、構造的にもNVHに弱いBodyだし、仕方ないのかな?

ドンガラ構造を真面目に手当てすると金もかかるし、重くなる。

e-POWERに未来を感じながらも、やはり新しい酒は新しい革袋に入れるべき。

エンジンが急にかかったり回転を上げたりすることは少なくなり、違和感はかなり抑えられたけど、

この騒音はちょっと容認できない。

新しいプラットフォームにしてください。

 

シフトレバーのボタン化について一席。

開発陣はウォークスルーの容易さと、女性24人を招いてボタン操作をしてもらったところ、

1人も間違える人はいなかったと胸を張って言っていた。

何故ボタン化に?

一つはCost。シフトレバーの土台にはかなり力が集中するため、しっかり作る必要があり、Costが

かかるが、ボタン式にすればUnitを一つ作れば済む。

もう一つはデザイン的なもの。

今回もセレナはプラットフォームが変わらなかったため、室内の横幅は変えられない。

対応は、ドアトリムの造形の見直し、インパネを横基調に左右に伸ばし、広がり感を持たせたい。

そのため、従来縦型シフトノブでは収まりが悪く、横並びのボタン化を選んだ。

また先進性の演出のためでもある。

日産にとっては一石二鳥である。

ボタンを横に並べたのは複数の指で操作可能だから、縦だと手の平を上下させる必要があると、

意味不明な説明をしていたが、詭弁である。

また女性に操作してもらって間違いは無かった、と言っても目で見て押すのだから当然だろ。

またボタンの大きさ、リバースの際にはボタンを押したときにクリック感を変えて、誤操作を防ぐ、とした。

違うっての。

まず間違いを起こさせないような操作系にするのが必要なんだよ。

車を前後に動かす際に、指先で小さいボタンを押すという行為自体、人間工学的に

よろしくない。

肘が浮いた状態で、目で場所を確認し、小さなボタンを指先で選択して押す操作よりも、

大きなレバーを手で握って前後に動かす方が、どれだけ確実で楽な操作だろうか。

駐車がうまく行かない際に前後行ったり来たりしている人がいるが、セレナでは一々上記の操作を

繰り返す必要がある。

どう考えても面倒な操作である事は直感的に分かる。

変なトレンドだと思うよ。本当に。

BMWまで小さなつまみにしており、誰もこんなものに恩恵を受けていない。

やめてくれないかね。

 

日産の新しめの4車種の試乗はこれで完了。

 

日産先進技術体験

何を体験させるのかなと思ったら、Skyline 400Rで低ミュー路でのVDCの体験だそう。

一度同乗してお作法を習ってからいざ運転。

最初はVDCをOffにして低ミュー路に。

ダブルレーンチェンジを実施し、元のレーンに戻る際にアクセルを踏む。

すると面白いくらい簡単にリアが滑り、スピン。

氷の上は正にこんな感じだ。

次にVDCをOnにして再TRY。

今度は少しばかりリアの流れを感じながらもしっかりと車が安定した。

低ミュー路が途切れるところで急ブレーキを踏む。

ABSは以前の様なペダルへのキックバックは抑えられ、良く効いて止まった。

まあ、これが先進技術か?と言われると答えに窮するけど、素人相手には丁度良い催し物でしょう。

ブレーキアシストの経験でも良かったと思うけどね。

もしくはプロパイロット 2とか。

400Rはゆっくり走ったので、何も感じなかった。

最近のスッキリしたインテリアとは違い、質量を感じるもので、これだけでも時代から乖離している。

パーキングブレーキが足踏みなのも設計の古さを感じましたね。

もうそろそろ新しくして上げてください。

お願いします。

 

お次はGTRとZの試乗。

まずはZから。

最近乗ったばかりだけど、また乗れてうれしい。

動き出した瞬間に、やはり良い車だなと感じましたね。

ステアはしっかり反力があるし、車のレスポンスも良い。

首都高の継ぎ目を模した段差もきれいに通過した。

アップダウンコーナー、S字は気持ち良く低重心を感じながら通過し、改めてこの車は

僕が望ましいと思っている車の動きが出来る車だと思いました。

ステアはやはり少しダル目だけど、前回よりは気にならない。速度域が高かったから?

高速路ではとりあえずエンジンを思いっきり回す。

7000回転を超えた辺りで急激な頭打ち。

もう少し失速感を抑えて欲しい気もする。これだとシフトアップのタイミングを間違えたらがっくり来る。

試乗車はA/Tだったけど、Manual Modeにしていたので自分のミスだったのですが。

160キロぐらい超えた辺りで先導車に追いついた。

高速安定は抜群で何も不満は無い。

これまで乗った4台よりも、断然こちらが良いですね。好み。

ただVR30DETTは速いけど、回して楽しいエンジンではないです。

音、回転感、精度感、キレもイマイチで、Sports CarらしいUnitではないのが残念。

過剰な演出が必要とは思わないけど、回して気持ち良くなるエンジンにするのはこの時代難しいのかな。

この日乗った車で一番良かったですね。

買えないけど。

次はGTR。

久しぶりの試乗。

やはり古さを感じるインテリアとエンジン。 スタートの際の振動と音は只者ない車だと誰でもわかる。

走り出すと、ステアへの振動があり、駆動系も何か重い。

ステアフィールも悪く、反力乏しく、接地感が薄い。

あれ?こんなんだっけ?

車の重さも感じながら走る。

首都高の継ぎ目を模した段差ではやはりきついハーシュネス。

DCTはショックレスで変速速度も速い。以前のGTRはカシャン、カシャンと音が出ていたし、ショックもあった。

今回はほぼ気にならないぐらいだった。

アップダウンコーナー、S字はさすがにシャープに車が動き、GTRらしい片鱗を見せた。

剛性感が高く、明らかにZよりも良い。

高速路ではこの日一番のジャークを感じた。

さすがに速い。

視界が狭くなりあっという間に速度が上がっていく。

170キロぐらいまでで限界。もう少し直線が長ければ。。

この車を普通の人は操れない。

買わなくてよかった。。。

この個体に関しては少しヤレが出ていたように思う。

ステアへの振動もそうだけどエンジンも少し粗い。

何となくしっかり感も薄くなっており、25000キロほどの走行距離だったが、手荒く扱われるとこんな具合に

ヘタってくるのだろう。

ちょっと可哀想な感じでした。

 

GTRパフォーマンス体験

助手席に乗り、Grandriveの50R、40度バンクを駆け巡ると言う余興。

先程の試乗で、こんなに狭く、角度の強いバンクを走る事は無理だろうと思っていたが、

そこを走ると言う。

マジか?

ドライバーの方は日産実験部隊のTop Gun。

助手席に乗り、直線路に出てから一旦止まる。

ラウンチコントロールを使うのか?と聞いたところ、それは使わないともこと。

少し残念。

と、ここまでは威勢が良かったのだが。。。

「お体に不安は無いですか?かなりきついので」

「え?大丈夫ですよ」

ちょっと不安になるが、こっちだってサーキットでM3やM5等を運転した経験はあるし、M4、M6だって

GTRだって運転したこともある。

さて、スタート。

シートに体が押し付けられる。

これまで乗った車の中で一番の強烈な加速感。

さすが4WDのトラクション。

これは凄いことになる。

各ギアを思いっきり引っ張っているのを横目で見る。

6速に入ったところまで確認。アクセルを少し緩めた程度であのRが小さく狭く角度の強いバンクに

入っていく。

死ぬ気か!!!

本当にそう思った。

バンクに入った途端に強烈なGが縦に入り、血の引く感覚が分かった。

車が道路に押し付けられている!

強烈すぎる!!!

あっという間に直線に戻り、今度は強烈なブレーキ。

これは予想の範囲。

以前、富士Speed Wayでレーシングドライバーの運転による同上試乗にて走ったことがあったけど、

それよりも強烈な体験だった。

あんな速度であんなところを走るなんて、車の凄さもさることながら、それを運転する開発Driverの

異常さを感じた。

凄い方々です。

とんでもない世界。

しっかし市販車でこれだ。

これがレーシングカーだったら、、、恐怖体験にしかならないだろう。

死んじゃうかも。

お礼を言ってGTRから降りたが、恥ずかしいことに足が震えて力が入らなかった。

係員に、GTRを連続してあのように使って大丈夫か?と聞くと、「人気のイベントなので・・・」

とのことだった。

GTRのヤレはこういった使い方による影響もあるのでしょう。

 

GTRを買わなくてよかったと再確認。

あれを調子に乗って走らせたたら今頃高天原か、黄泉の国からこの世を眺めていたかもしれない。

素人が金に任せて買う車ではありません。

イベントホールです。

 

ヘリテージカー

良く分からない日産の古い車とS54B 3代目Skylineの2台だけ置いてあった。

何度も見たし、まあ、良くも座間から持ってきたな、と言う感想。

このS54BにはSkylineの生みの親と言われる櫻井慎一郎と、R32の主管の伊藤修令のサインが

ボンネットを開けると書かれている。

係の人に開けたら?と言ったら開け方分からないとのこと。

ひょっとすると若い人だったので二人の名前すら知らなかったかもしれない。

櫻井慎一郎のサイン

こちらは伊藤修令のサイン

誰も見たくないか。。

 

総評

色々な車に一度に乗ったので、感想もあやふや。

最期のGTRの走りで記憶が消えたかも。

その中でもZの走りは良かったし、エクストレイルのピッチング制御の走りは光っていたと思う。

それ以外はもう少し頑張ってね、と言った感じだ。

GTRはコンディションが悪すぎだったと思う。

楽しい経験を与えてくれた日産に感謝です。

早く新しいSkylineを出して欲しいなあ。。

そういえば写真撮影禁止の場所がありましたが、確かにそこからはMCされたノートが出荷待ちらしく

たくさん置いてありました。

どうってことないような気もしましたが、見る人が見れば何かしらのConfidential情報が漏れるのかな?

こんな車も置いてあった。GT-R50 by Italdesign。即完売したはず。世界限定50台。1億5千万円也。

 

おまけ

帰りのBMW 330i。

この日に乗った車の中で一番良い車だと思ってしまいました。

ステアフィールも良いし、エンジンもきれいにスムーズに回る。

剛性感の高いBodyと、フリクションの小さい駆動系はやはり良い車です。

燃費は流れに乗って走ったこともあり18.2キロを記録。一体どうなってんの??

価格が高いから当たり前、とも言えますが、その裏に車の走りに対する思想がしっかりないと、こういう車は

作れない。

日産はそういった車を作る機会が少なくなってきており、人材も不足してきている。

“Z”をまだ作れるのだから、技術を含めしっかり継承して欲しい。

でも車の魅力は性能的なものだけではないです。

Zの佇まいや、雰囲気にその魅力を再認識したことにもなりました。

ただ3000cc,405PSは必要ないんだよなあ。。

受注停止だし。