LEXUS RC-F試乗記
ふとしたことから出たばかりのRC-Fに乗ることができたので感想を。
ふとしたことから出たばかりのRC-Fに乗ることができたので感想を。
この車のSpecから見てみます。
全長×全幅×全高 4705×1850×1390mm ホイールベース 2730mm 車両重量 1790kg
V型8気筒DOHC 総排気量 4968cc
最高出力 477ps(351kw)/7100rpm 最大トルク 54.0kg・m(530N・m)/5600rpm
パワーウェイトレシオ 4kg/ps
全長×全幅×全高 4705×1850×1390mm ホイールベース 2730mm 車両重量 1790kg
V型8気筒DOHC 総排気量 4968cc
最高出力 477ps(351kw)/7100rpm 最大トルク 54.0kg・m(530N・m)/5600rpm
パワーウェイトレシオ 4kg/ps
くしくもM4と パワーウェイトレシオ 4kg/psと同一だ。
ただこちらは5000ccのNAであり、世界の潮流からは少し古くなったエンジンを積んでいる。
1気筒辺り621ccもあれば、ムービングパーツが重く、大きくなるため、よっぽどお金と技術を
ただこちらは5000ccのNAであり、世界の潮流からは少し古くなったエンジンを積んでいる。
1気筒辺り621ccもあれば、ムービングパーツが重く、大きくなるため、よっぽどお金と技術を
かけない限り、気持ちよく吹け上がるエンジンにはならない。RC-Fはどうか?
見てみて
大きいV8を積む事もあり、エンジンフードが盛り上がる。RCも同様だが、ヘッドライト周りの
大きいV8を積む事もあり、エンジンフードが盛り上がる。RCも同様だが、ヘッドライト周りの
造形は複雑怪奇であり、高性能を感じさせる。ここまでやる必要があるか?と思うほど
アグレッシブだ。
前輪後方にアウトレットがあり、嫌でも走りを感じさせる。
ところが基準車RCと横幅は1センチしか違わない。
フェンダーの張り出しはあまり変わらない、ということだ。何故だろうか?
ホイールベースはM4と比較して8センチも短いため、引き締まった印象があるが、
前輪後方にアウトレットがあり、嫌でも走りを感じさせる。
ところが基準車RCと横幅は1センチしか違わない。
フェンダーの張り出しはあまり変わらない、ということだ。何故だろうか?
ホイールベースはM4と比較して8センチも短いため、引き締まった印象があるが、
それでもドアは異常に大きく、駐車場での乗り降りは少し難儀する。
リアのオーバーハングが何故か長く、Sportyな感じを少し削いでいる。トランク容量の要件が
リアのオーバーハングが何故か長く、Sportyな感じを少し削いでいる。トランク容量の要件が
あったかもしれない。
ホイールベースがM4より短いのに、全長が長いのは前後のオーバーハングが長いことを示している。
ラグジュアリー感を与えるための処理かもしれないが、少し残念だ。
ホイールベースがM4より短いのに、全長が長いのは前後のオーバーハングが長いことを示している。
ラグジュアリー感を与えるための処理かもしれないが、少し残念だ。
相変わらず塗装は抜群で、中塗り塗装後に、人の手により水で研磨をしているが、その効果が
見事に現れている。そして鉄板の滑らかさも異常だ。
歪みもひきつりも全く存在せず、見事だと思う。
こういったBodyの作りを見ていると、高級車としての資質は十分だと思うし、これに金を払う
歪みもひきつりも全く存在せず、見事だと思う。
こういったBodyの作りを見ていると、高級車としての資質は十分だと思うし、これに金を払う
意味も分かるような気がする。
この作りの良さは日本人の感性ならではのものであり、これが1000万円以内で購入できると思うと、
凄いことだと思う。
この作りの良さは日本人の感性ならではのものであり、これが1000万円以内で購入できると思うと、
凄いことだと思う。


AMGや、Mとは少し異なり、迫力を強調しているように思う。これが子供っぽいと言われれば
その通りだし、これぐらいの押し出しが無くては世界で通用しないとも言える。
スピンドルグリルのモールは、面が複雑に変化しており、大変Costがかかっている。
これを眺めるだけでも楽しい。
リアフェンダーの面の複雑さは緊張感と、不調和を与える。
見た者を不安感にさせるこの処理は意図的なものであり、この手のHigh Performance Carには
必要な処理だと思う。
ちょっとやり過ぎかな??
スピンドルグリルのモールは、面が複雑に変化しており、大変Costがかかっている。
これを眺めるだけでも楽しい。
リアフェンダーの面の複雑さは緊張感と、不調和を与える。
見た者を不安感にさせるこの処理は意図的なものであり、この手のHigh Performance Carには
必要な処理だと思う。
ちょっとやり過ぎかな??
触れてみて
ごっついドアを開けるとこれまたごっつい派手なシートが鎮座する。
革はもちろんセミアリニンであり、しっとりやさしい。腰を下ろすとウレタンが少し薄いが、
ごっついドアを開けるとこれまたごっつい派手なシートが鎮座する。
革はもちろんセミアリニンであり、しっとりやさしい。腰を下ろすとウレタンが少し薄いが、
かっちりした剛性感が高いシートだ。
賭け心地は若干M4の方が上か?
革の質感は最高だ。
セミアリニンレザーは本革に染料を染み込ませて風合いや外見を整えたあと、顔料による薄く
賭け心地は若干M4の方が上か?
革の質感は最高だ。
セミアリニンレザーは本革に染料を染み込ませて風合いや外見を整えたあと、顔料による薄く
均一な塗装処理をすることで毛穴をふさがずに革表面を保護し、柔らかな手触りを保ちつつ
通気性や耐久性を両立させたもの。
セルシオ辺りから採用されたが、今ではBenz、Audi、BMWも使う。
セルシオ辺りから採用されたが、今ではBenz、Audi、BMWも使う。
(呼び名は異なるみたいだが。)
その中でも最高のものだろう。これ欲しい。。
その中でも最高のものだろう。これ欲しい。。
ポジションは少しだけステアリングの角度が良くない。以前のTOYOTA車と比較すれば
天と地の差ぐらいよくなっているが、この辺はもう少しだと思う。
インパネの質感は全く文句なし。ベースはISだが、革を貼ったりしてかなり高級感を増している。
触れるところ全てが柔らかい。
呆れる位の品質の高さ。
Lexusの主張がこういったところに感じる。
Aピラーが強く寝ていることもあり、穴倉感は強い。視界も四方ともに良くない。
この辺りに関してM4の方が勝る。
視界を含めたエクステリア、インテリアのデザインをもう少し考えるべきだろう。
インパネの質感は全く文句なし。ベースはISだが、革を貼ったりしてかなり高級感を増している。
触れるところ全てが柔らかい。
呆れる位の品質の高さ。
Lexusの主張がこういったところに感じる。
Aピラーが強く寝ていることもあり、穴倉感は強い。視界も四方ともに良くない。
この辺りに関してM4の方が勝る。
視界を含めたエクステリア、インテリアのデザインをもう少し考えるべきだろう。
乗ってみて
最初はノーマル モードで走る。
ステアが軽く、少しもさっとしており、フリクションも少し感じる。ISも似たような印象があった。
エンジンもアクセルに対して過剰な反応は示さず、大排気量のエンジンに乗っているなあという
最初はノーマル モードで走る。
ステアが軽く、少しもさっとしており、フリクションも少し感じる。ISも似たような印象があった。
エンジンもアクセルに対して過剰な反応は示さず、大排気量のエンジンに乗っているなあという
印象だ。
特に強烈な切れも感じない。
もちろんエンジンに神経質な面は感じられない。5リッターもあれば当然か。
Bodyはがっちり。M4と遜色ない。
基本的に乗り心地は硬く、快適とまで言えないが、それでもショックに角が無いので、不満は無い。
以前乗っていた135iのような醜い突き上げは皆無。
少し荒れた路面でも不快ではないし、轍にステアリングが取られることも無い。
ブレーキもリニアに効いてくれるし、扱い難さを感じることは無かった。
M3のような回したーい、という欲求に駆られることもなく、牙を隠し持っている状態だ。
特に強烈な切れも感じない。
もちろんエンジンに神経質な面は感じられない。5リッターもあれば当然か。
Bodyはがっちり。M4と遜色ない。
基本的に乗り心地は硬く、快適とまで言えないが、それでもショックに角が無いので、不満は無い。
以前乗っていた135iのような醜い突き上げは皆無。
少し荒れた路面でも不快ではないし、轍にステアリングが取られることも無い。
ブレーキもリニアに効いてくれるし、扱い難さを感じることは無かった。
M3のような回したーい、という欲求に駆られることもなく、牙を隠し持っている状態だ。
さて、Sports Modeに変えてみる。
エンジンのレスポンスが良くなり、ステアリングが重く、足回りが硬くなる。
アクセルを深く踏むと豪快に路面を蹴り出す。
室内にもエンジンの音が堂々と入ってくる。こんなにエンジン音が入ってくるのは最近では
エンジンのレスポンスが良くなり、ステアリングが重く、足回りが硬くなる。
アクセルを深く踏むと豪快に路面を蹴り出す。
室内にもエンジンの音が堂々と入ってくる。こんなにエンジン音が入ってくるのは最近では
GTRぐらいだ。
ただ不思議なことに速さをあまり感じなかった。
おそらく、Turboでないために急激なトルクの立ち上がりがなく、加速度という意味では
ただ不思議なことに速さをあまり感じなかった。
おそらく、Turboでないために急激なトルクの立ち上がりがなく、加速度という意味では
M4などには劣るのだろう。
7000回転ぐらいまで回したか。
速い!えらい速い。 一般道でこの車で遊ぶのは危険すぎる。
営業が道を指定する。ほとんどヘアピンカーブで登りである。「ここで踏んでください」
でも道は狭いし、目の前に停止線があるぞ。。
とりあえず言われたとおり踏み込む。
車が前に向くかどうかのタイミングで強めに踏むとリアが流れてしまった。
試乗でリアのオーバーステアは初めての経験だ。
特に安全デバイスが介入することなく、車は前に進んだ。
「滑っちゃったよ!」
「はい。そうですね」
普通に返答するな!
狭いコーナーが続く。
車は素直に反応して走りぬける。
そして直線。また思い切り踏んでみる。
豪快。
とは言え、意識が遠くなるような加速感はやはり無い。
エンジンは大排気量にありがちな重ったるさは無く、軽く拭けあがる。さすがに"F"だけはある。
緻密さ、密度感、色気みたいなものは、少し足りないかもしれないが、このエンジンに文句を
7000回転ぐらいまで回したか。
速い!えらい速い。 一般道でこの車で遊ぶのは危険すぎる。
営業が道を指定する。ほとんどヘアピンカーブで登りである。「ここで踏んでください」
でも道は狭いし、目の前に停止線があるぞ。。
とりあえず言われたとおり踏み込む。
車が前に向くかどうかのタイミングで強めに踏むとリアが流れてしまった。
試乗でリアのオーバーステアは初めての経験だ。
特に安全デバイスが介入することなく、車は前に進んだ。
「滑っちゃったよ!」
「はい。そうですね」
普通に返答するな!
狭いコーナーが続く。
車は素直に反応して走りぬける。
そして直線。また思い切り踏んでみる。
豪快。
とは言え、意識が遠くなるような加速感はやはり無い。
エンジンは大排気量にありがちな重ったるさは無く、軽く拭けあがる。さすがに"F"だけはある。
緻密さ、密度感、色気みたいなものは、少し足りないかもしれないが、このエンジンに文句を
言えるような人間はそう多くないだろう。
トランスミッションはA/Tのみで、8速である。
試乗の際には常にManual Modeで走った。
Normalでは当然シフトショックも滑りも感じられず、問題は無い。
2速からすべてのギアでロックアップするようだ。
但し、Sportsにした際の高回転域でのシフトチェンジはかなり醜いショックを伴う。
高出力、トルクであること、シフトタイミングが速くなっているためだろう。
ちょっと看過できないぐらいのショックであり、まるで昔乗っていたZ4のSMGのような
トランスミッションはA/Tのみで、8速である。
試乗の際には常にManual Modeで走った。
Normalでは当然シフトショックも滑りも感じられず、問題は無い。
2速からすべてのギアでロックアップするようだ。
但し、Sportsにした際の高回転域でのシフトチェンジはかなり醜いショックを伴う。
高出力、トルクであること、シフトタイミングが速くなっているためだろう。
ちょっと看過できないぐらいのショックであり、まるで昔乗っていたZ4のSMGのような
ショックがあった。
こういった点はちょっと惜しいと思う。
M4、GTR、135iのDCTよりもショックは大きい。
こういった点はちょっと惜しいと思う。
M4、GTR、135iのDCTよりもショックは大きい。
サスペンションは基本的にISと同様だ。
フロントはダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンク。
写真を見る限りでは例の如くダンパーの位置がロアアームの中途半端な位置にあり、
フロントはダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンク。
写真を見る限りでは例の如くダンパーの位置がロアアームの中途半端な位置にあり、
アンチロールバーもダンパー、アップライトに設置されているものではなく、
アームに繋がれている。
こういうデザインはTOYOTAの定番であるが、効率が悪く、何故これこういったデザインに
こういうデザインはTOYOTAの定番であるが、効率が悪く、何故これこういったデザインに
固執しているのか分からない。
またリアのアーム類は細く、剛性に関して数値的には問題ないのだろうが、余剰がもたらす
安心感や、しっかり感は乏しいかもしれない。
またリアのアーム類は細く、剛性に関して数値的には問題ないのだろうが、余剰がもたらす
安心感や、しっかり感は乏しいかもしれない。

リアサスペンション。アームが短くダンパー、コイルも中途半端なところに置かれる。
旧IS-Fは横剛性が弱く、すぐにリアがブレイクしてしまった。
トラクションも低く、このエンジンを持て余し気味だった。
今回のRC-Fはどうなのか??
旧IS-Fは横剛性が弱く、すぐにリアがブレイクしてしまった。
トラクションも低く、このエンジンを持て余し気味だった。
今回のRC-Fはどうなのか??
降りてみて
TOYOTAはかなり本気だ。
この車であれば、ドイツの3社と正面からぶつかることができる。走りに関しては何も劣る事無く、
品質は必ず上を行く。この車に欠けているものがあるのか?と考えてしまうぐらい全てにおいて
高い次元にある。 我々が走る分においてM4と比較しても何も劣ることはない。
たいしたもんだと思う。
サーキットで走れば重量のハンデはあるが、かなり良いところまで張り合えると素人は思う。
ただ一点、M4との大きな違いがある。
それはダイレクト感というか、車からのインフォメーションが薄いことだ。
M4は速度を上げても車との距離が近く感じることができるため、安心して走ることができる。
RC-Fはその距離が少し遠い。
車の状態が手に取るようなM4と、一枚何か挟まっているような印象があるRC-Fといえば良いか。
例えばステアリングからは両車ともインフォメーションは感じられるのだが、M4であれば
TOYOTAはかなり本気だ。
この車であれば、ドイツの3社と正面からぶつかることができる。走りに関しては何も劣る事無く、
品質は必ず上を行く。この車に欠けているものがあるのか?と考えてしまうぐらい全てにおいて
高い次元にある。 我々が走る分においてM4と比較しても何も劣ることはない。
たいしたもんだと思う。
サーキットで走れば重量のハンデはあるが、かなり良いところまで張り合えると素人は思う。
ただ一点、M4との大きな違いがある。
それはダイレクト感というか、車からのインフォメーションが薄いことだ。
M4は速度を上げても車との距離が近く感じることができるため、安心して走ることができる。
RC-Fはその距離が少し遠い。
車の状態が手に取るようなM4と、一枚何か挟まっているような印象があるRC-Fといえば良いか。
例えばステアリングからは両車ともインフォメーションは感じられるのだが、M4であれば
路面の状態まで手の平に感じることができるような感覚がある。
道路に書かれた横断歩道の白線を踏んだ時の感覚が伝わるのだ。
RC-Fにはそこまでのフィールは与えてくれない。
これをキックバックとして押さえ込むのが高級の証でもあるかもしれないが、これぐらいの
道路に書かれた横断歩道の白線を踏んだ時の感覚が伝わるのだ。
RC-Fにはそこまでのフィールは与えてくれない。
これをキックバックとして押さえ込むのが高級の証でもあるかもしれないが、これぐらいの
Outputを持つ車であれば、重要なことだと思う。
これはBMWとTOYOTAの車作りの思想の違いとも言える。
これはBMWとTOYOTAの車作りの思想の違いとも言える。
十分な動力性能と、品質と、走りの質感の高さを手に入れたRC-F。
今後必要なのはこの手の高性能な車を作り続けていくことによる経験だろう。
500PSのGT Carを作り続けることによってしか覗き込むことにできない世界がそこに必ずある。
これを続けていくと、Lexusの車に大きな資産ができる。それに気づき、どうやってそれを
今後必要なのはこの手の高性能な車を作り続けていくことによる経験だろう。
500PSのGT Carを作り続けることによってしか覗き込むことにできない世界がそこに必ずある。
これを続けていくと、Lexusの車に大きな資産ができる。それに気づき、どうやってそれを
具現化するか。
RC-Fは部分的にはBMW M4を越えている部分は多くあると思う。
後は何が足りないのか、もっと経験を積み、数値的なものではなく、感性に訴えるような
後は何が足りないのか、もっと経験を積み、数値的なものではなく、感性に訴えるような
RC-Fができれば市場がかってに評価をしてくれるだろう。
RC-Fを降りた後にM4のときとは違い、汗をかくことはなかった。
LexusはやはりどこかでFに対しても割り切れていない。いや、これがLexusの方向なのだろう。
これがRC-FとM4の違いなのである。
LexusはやはりどこかでFに対しても割り切れていない。いや、これがLexusの方向なのだろう。
これがRC-FとM4の違いなのである。