そのモネの作品のなかでも一番好きな作品が「日傘の女」。

モネがもっと若いころの作品だ。同じモチーフで3作ありどれも顔が陰になっているが、1作だけうっすらと顔が見えている。

その作品がなんといっても最高に好きだ! 


場面は夏の草原。

夏といってもうだるような日本の夏ではない、フランスの夏なので日本でいえば初夏のような清々しい暑さ。草原の小高い、丘とも言えないほどの小さな膨らみの上に立つ女性をやや下から見上げている。バックには夏の青空と白い雲が広がっている。女性は強い日差しの下、真っ白な日傘を持ち、真っ白な綿の、下がふっくら広がったサマードレスと帽子に白い薄物のベールを掛けて、草原を吹き抜ける風を受けている。顔は陰になっていて表情はよくわからない。


男にとって、いや少年にとって胸がきゅんとする永遠の光景がまさにこれ。

女性は当然美しいはずだが顔の表情がよくわからないだけに自分が想う理想の顔を想像してしまう。日傘は現在では黒い日傘が日本では主流になっている。UVカットの効率で考えれば日傘は黒だが、見た目のさわやかさでは木綿の白であってほしい。

 

女性の、夏に白い木綿のサマードレスは永遠の清純のシンボル。これ以上の胸キュンはない。

日本の夏祭りの女性のゆかた姿と同じ感覚。卑怯なまでの可憐さにやられてしまう。

 

ところで女性がこのように夏に白いサマードレスを着てみたり、花火大会でゆかたを着たりするのは単純に「夏だから、夏らしいかわいいの着よっ」という無意識の感覚なのか?それとも男性がこんな風に思っていることを本能的にどこかで知っていて、あざとく男性好みのそんな姿を見せているのか?

そこを知りたいとも思うが、男性の身としては分からないし、女性に聞いてみても本当のところは永遠に教えてはくれないだろうけど。