番外編 | しまばら薬局 健康ブログ

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みなさん、こんにちは。 しまばら薬局スタッフの森崎ですニコニコ

今回のブログは番外編です音譜

宮崎県で発行されている新聞、『日本講演新聞』から、私が感動した話、面白かった話、ためになった話をひとつ選んでご紹介したいと思います。

 

 

 

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今、菩薩になれ!~1人が始めなければ何もできない~

龍源寺住職(当時) 松原泰道

 今、現代人に一番なくなっているものが「呼びかけ」です。
 心の貧しさからものを言わなくなりました。これはどういうことでしょうか。
 私に言わせますと、技術革新から私たちは普段の生活の中でものを言わなくても何とか用足しができるようになったんですね。
 脳は、使わなければどんどん退化していくそうです。言葉も使わなければ退化していくのではないでしょうか?

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 心理学者の三森先生という人が、「今の若い人がなぜものを言わなくなったのか」ということを研究しておられます。
 そのきっかけはこういうことです。
 三森先生がご自身の大学で1人の女子大生に「おはよう」と声を掛けたら、黙っていたので「何で黙っているの?」と聞いたんです。
 そしたら「何か言わなきゃいけないんですか?」と言ってきたそうです。
 「いい悪いじゃなくて、『おはよう』とあいさつされたら、『おはよう』と返すのが基本的なマナーだ」と先生が言うと、その学生、こう言ってきました。
 「じゃあ、朝のテレビのニュースでキャスターが『おはようございます』と言いますよね。先生はその時、『おはようございます』と返されますか?」
 こういう考え方なんですね。つまり、一部の若い人はテレビと実際とが混乱しているんです。
 三森先生に言わせると、「そういう人はあいさつを知らないんじゃなくて、できないんだ」と。
 なぜできないのかと言うと、心がないんです。
 だから、私はできる限り、「呼びかけ」をしていきたいと思うのです。

 

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 東京の、ある劇場に行ったときの話です。
 休憩時間になると男子トイレに行列ができました。家内に聞きますと、女子トイレでもかなりの行列ができていたそうです。
 あのトイレの順番待ちの行列は告別式の行列に似てますね。みんな厳粛な顔をしています。
 その時、1人の中年女性の順番が来ました。すると、その女性、後ろを振り返って「お先に失礼します」と言って、ちょっと頭を下げたんだそうです。
 ここが女性のすごいところです。男でこういうことをする人は1人もいないでしょう。
 それで、その女性が個室から戻ってきたとき、次に待っている人に「お待たせしました」とまた声を掛けてトイレを出ていかれたというんです。
 その場にいた家内は感動したんですね。するとそれまで告別式みたいな行列だったのに、不思議と明るい雰囲気になって笑い声が聞こえ、中には若い女性がお年寄りに「お先にどうぞ」という声まで掛けるようになったというんです。
 みんな心の中では幸せになりたいんです。でも誰かがその扉を開いてくれないと、その心が出てこないんです。
 私が中学のときに習った英語の教科書に「1人では何もできない。だが1人が始めなければ何もできない」という文章がありました。
 「誰かが始めたらやるんだが…」という気持ちは誰でも持っています。その「最初の1人」になることを、仏教用語で「菩薩になる」と言います。
 明日から「声を掛ける」ということにおいて、皆さん、「菩薩」になりましょう。「呼びかけ」は人々の心の中に眠っている何かを呼び起こすでしょう。 

(1999年5月24日号より)