こちらにおわすお方をどなたと心得る。

恐れ多くも台湾からお越しになった鶏おばさんにあらせられるぞ。

 

ええぃ、控え、控え居ろうぅ〜。

 

『台湾はおばちゃんで回ってる?!』

著:近藤 弥生子

 

台湾にある「雞婆」という形容詞。これはおせっかい、余計なお世話を焼く人という意味で使われる言葉だそうです。著者の近藤さんは台湾に移住後に結婚出産、その後一度日本に戻ると離婚、シングルマザーで長男連れて再度台湾へ、そして再婚し次男出産と波乱万丈な人生を波乗りした中で心の中の「鶏おばさん」を認識。なんならミドルネームに「雞婆」入れたいぜ!な心意気で生きてる方です。

 

台湾で仕事や出産・育児という人生の大イベントを経験した著者が台湾と日本を「日本生まれの鶏おばさん」視点で比較した、この本はそんな本でございます。

 

「家族」と「食」と「繋がり」を重要視し、合理的かつ大局的な観点で人との関わり合いを持つ台湾の人々をいいなと思う反面、「家族」に関しては正直ヘビーだろうなと感じる比較的ドライファミリーな日本人の私。

 

おばちゃんは生まれてすぐにはなれません。

時を経て、多少の風にビクつかなくなってからがスタートです。

 

豊かな風通しの良い台湾

 

でもそれは、ここ数年の変化によって人々が勝ち得たもの。「あとがき」には変化の始まりが記載されていますが、その衝撃は想像以上にエグい。台湾にいる多種多様な心の中に「雞婆」がいる人々は、その変わりゆく風を体中で受け止めて、そして傷つき、それでも立ち続け風の通り道を作り続けたのかと思うと

 

自分、鶏おばちゃんの事マジ、リスペクトっす。