不動産の所有権は、
いつの間にか誰かに移転する、ということはありません。
所有権が移転するということは、
そこには、必ず何らかの原因があります。
(↑これを「登記原因」といいます)
「相続」、「売買」、「贈与」といった原因によって、
所有権が移転することについては、
わりとイメージし易いのではないでしょうか。
他にも、「交換」、「和解」、「時効取得」、「遺贈」、「信託」等、
いろんな原因によって、所有権は移転します。
そして、所有権移転登記を申請する際には、
「登記原因」があった事実を証明する情報を添付する必要があり、
この情報のことを「登記原因証明情報」といいます。
例えば、「相続」の場合は、
戸籍、遺産分割協議書、遺言書、等が登記原因証明情報に該当しますし、
「売買」(「贈与」)の場合は、
どんな売買(贈与)があったかを簡潔にまとめた報告書を、
登記原因証明情報として作成することが多いです。
(事例によっては、契約書そのものを使用することもあります。)
司法書士が、登記申請に関与する場合は、
当事者の本人確認だけでなく、
登記原因についても、それが事実なのかどうか、
きっちり確認したうえで手続していますので、
当事者同士の取引の安全はもちろんのこと、
後日のトラブル防止にも役立っていることと思います。
ちなみに…
登記申請というのは、
”単に形式的に書類が揃えばいい”というものではありません。
(↑これ、自称「法律に詳しい」人がよく勘違いしています)
仮に、形式だけ調えたとしても、実体が伴っていない場合は、
虚偽の登記申請をしたことになりますので、
関与した場合は、わりと重たい罪に問われます。
※次のような行為はいずれも犯罪です。
・売買したことにしちゃおう
・差押えされそうだから、贈与したことにして名義を変えちゃおう
・親のハンコを持ち出して、自分の名義にしちゃおう
知らなかったではすみませんのでご注意ください。
登記手続の相談、書類作成、申請、手続の代理に関与できるのは、
「司法書士」と「弁護士」だけです。
インターネット等で気軽に情報を得られる世の中になったせいかなのか、
資格の無い人が中途半端に手を出して(←違法行為です)、
被害に遭う方が少なからずいると聞いて、念のための注意喚起です。
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司法書士 黒川雅揮
司法書士黒川雅揮事務所HP⇒http://k-legal.jp/