不二娘 | 至峯舎・染織家のひそひそ話
2008-12-13

不二娘

テーマ:着物

以前、ご結婚される際に


訪問着をおつくり頂いたお客様。




その訪問着は深い地色に、


シルエットで表現した一本の「松」がそびえる一枚。


裾には忍び寄る「魔」を呑み込んでくれる「波」を


あしらっております。




その一枚に一目惚れされ、


おなかに締める帯は


「どうか元気なお子様が授かりますように」


と、光を感じさせる白地の帯を合わせておられました。




その後、元気なお嬢様をご出産。


そして先日、


「次の帯のコーディネートを考えておいて。」


とのご連絡。


私にお任せで、お誂えで…これは燃えます。




「テーマはいかが致しましょうか。」


「そうね…『大人の女』…かな…」


「『凛』とした雰囲気で…?」


「そう、それそれ。


あと、少しだけ色気が欲しいかな…


私に足りないからね。」


至って簡潔なお打合せ。




これが楽しいモノづくりになりました。




私の考えたテーマは「不二娘」。


歌舞伎の演目の一つである「藤娘」では


松が男の象徴、藤が女の象徴として


描かれています。




その藤を地紋(織模様)であしらい、


七色に変化するオンナゴコロのように


多色使いで織り上げて―


これは帯裏に。




表を「凛」としたイメージで。


(少しマニアックですが、)


紗(シースルーのように透ける織り方)をベースに、


「杢」といって銀糸を絹に絡ませて光りを抑えた糸で


菱形に織り込む…


さらに黒を基調に染める…




完成です。




(分かりづらい写真ですが…)

至峯舎・二代目のひそひそ話



帯芯が所々白く透けて見え、


菱形に添ってちらちらと小さく光る銀糸。


裏には女性を表す藤の花。




女性の知性と色香は内に秘めて…


ご主人様のようにそびえる松の着物に包まれて、


それを引き立てるように帯は楚々と締める。


貴女はご主人様にとって、


二人といない「不二娘」―




「いかがですか?」


「素敵じゃない!」




「『私に足りない』ものを備えるように、との


宿題もこなしてきたつもりですが


ご満足頂けましたでしょうか…」




「何?色気のこと?真に受けてたの?


いいんじゃないの…」




全てご満足頂けたようです。




至峯舎さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントする]

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

    ブログをはじめる

    たくさんの芸能人・有名人が
    書いているAmebaブログを
    無料で簡単にはじめることができます。

    公式トップブロガーへ応募

    多くの方にご紹介したいブログを
    執筆する方を「公式トップブロガー」
    として認定しております。

    芸能人・有名人ブログを開設

    Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
    ご希望される著名人の方/事務所様を
    随時募集しております。