今回は症例と題しているが、私が取り組む治療体系へのさらなる深化に繋がるであろう試みを書き記しておきたい。

 

私が現在主軸を置いているのはエネルギー療法である。

今では、ほぼエネルギーの活用のみで痛みをその場で取り去り、わずかに軸修正や動きの癖の修正を瞬時に行うだけ。

 

「体の問題を検査で表在化し、一点へのアプローチ(エネルギー)だけで、全ての痛みをその場で取り去る」

と、いう主題を自らに課し、日々発見・考察を続けながら、着実に理想へと近づきつつある。

 

前項でも話した通り、患者さんがあまりの効果と全身が緩んでいく体感に、不思議そうに喜ばれることも多いのだが、私がまだ研究段階であると告げると、

「え?まだこれでも完成していないの?」

と、驚かれる。

 

世の中、上には上がいるし、非常に技術・人格共にすごい方も存在している。

 

私は、「自称治療家を掲げるほぼ大半以上の低レベル者(技も志も)」には見向きもせず、自らを高めることに力を注ぎたいのだが、目指すべき指標という点で、励みとさせて頂いているのが、高レベルな一部の治療家先生方だ。

 

そうした先生方の多くは、すでにハイレベルなものを持ちながらも、さらなる高みを目指し、新たな可能性を模索しながら独自の道を研鑽されている。

 

私もまた、そうした方々に刺激を受けながら、自らの治療体系を高めるべく、面白い・興味深いと思われる取り組みがあれば創意工夫のために活かしたいと考える。

 

おそらく、そのまま丸のみするのではなく、そこにある原理原則を把握し、自らの道に合うよう染み込ませていく形になるだろうが。

 

 

さて、今回のMさんの腰痛である。

 

この方は、長年常に腰痛を抱え、腰の後屈・回旋・側屈で痛みを発し、仰臥位になるだけでもうめき声をあげ、股関節屈曲・腰の回旋動作でも痛みを発する。

 

詳細は控えるが、この方に私は、従来の方法とリンクしながらも異なる新たな試みを加え、施術を行った。

 

すると、とある頭部へのわずかにソフトなアプローチのみで、前述した動作での腰痛はすべてなくなり、さらに肩こりもすっかり軽くなる効果がみられた。

 

エネルギー療法を行っている私にとって、痛みがその場で消え去るとか、患部とは異なるところにほぼ触れるだけのアプローチだけで離れた場所の痛みが消え去るとかは、珍しいことではない。

 

ただ、これまで考えていた方向性とは少し異なる角度で、シンプルかつ効果的な方法論が存在することを、Mさんへの施術で確かめるに至ったのだ。

 

・・・と、これだけではどういう事かよくわからないとは思うが。

 

もちろん、これは始まりにすぎず、これからさらなる検証と創意工夫をエネルギー療法の新体系のために行っていく段階だ。

 

ただ、またひとつ楽しみが増えたという事を、備忘録として書き記しておこうと考えた次第。