これまで断食、あるいは半日断食の効能とあり方について述べてきた。
念のために繰り返しておくが、本格的な断食は専門家による指導のもと行わなければ危険な場合がある。
一方、半日断食(一日二食)は個人でも取り入れやすく、あくまで体の声を聴きながら慣れてくれば月一回もしくは週一回の一日一食などを入れていくと、デトックス効果が得られやすい。ただし、無理は禁物であり、自身が大丈夫だと思える範囲で慣らしていくことをお勧めする。
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特に、アレルギーをはじめとするさまざまな病に効果が期待でき、心の病などでも飲食における「質と量」の調整を行うことは重要である。
食が人間の体を作り、そして心の状態をも動かしていく。
まことに食の在り方は重要であり、心を癒す際でも食の在り方を見直すことがかなりのウェイトを占めると私は考えている。
もちろん、人それぞれさまざまな原因背景があるため、一概には言えないのだが、多くの精神的疾患を持っている人は、薬の弊害とともに食の乱れというものが潜んでいるケースが多い。
食と心というものは、非常に密接につながっており、心の隙間を埋めるかのようにストレス食いをするなどはその典型であろう。
体を楽にすると心も楽になりやすい。過食や甘いもの・動物性食品などの偏食によって体はどんどんとだるくなり疲れやすくなるため、心もしんどくなりやすい。
こうしたことが実際に起こっているのだ。
しかし、多くの西洋医学的治療現場において、アレルギーにせよ、心療内科・精神科にせよ、こうした食の在り方というものを重要視する気配は一部の良心的なドクター・医療従事者を除いてはほとんどないように思われ、薬を出し続けては次第に量がかさんでいき薬漬けとなってしまい、副作用・薬害によって二次的三次的な症状や禁断症状・依存症に苦しんでしまう。
他の項でこういった弊害をたびたび指摘しているが、東西医学を問わず、症状を抑えるばかりに目が行き、人および生活環境に目を向けず、病因病理を見ようともせず、対処療法のみに徹することは問題を先送りするばかりでなく、さまざまな長期的弊害をもたらす。
本来、西洋医学は救急的な外科など一部において有効活用されるべきで、その他の慢性的疾患にはおよそ無力どころか薬などの害だらけの実情がある。
慢性的疾患においては、代替医療(東洋医学・自然療法・食事療法・断食療法など)がはるかに優れた効果を発揮する。
ただし、代替医療の優れた面は他の項でも述べているが、代替医療(東洋医学、自然療法)の看板を掲げながら実は対処療法を行っている群も多々存在している。
もちろん、素晴らしい根本療法を行っている善意の医療従事者も多くいるので、このあたりの見極めを間違ってほしくない。
さて、断食についてである。
断食の優れた点にはデトックス作用があるが、もう少しこれを詳しく述べてみたい。
断食をするとケトン体回路によるエネルギー産生に切り替わり、体内の脂肪をその源にすることは以前に述べた。
脂肪には体内の有害物質(とくに人口添加物やクスリによる毒)が蓄積しやすく、有酸素運動をしたりサウナなどで汗をかくことで脂肪を燃焼させることでデトックスを行う方法があるが、断食することでも脂肪がエネルギーとして使用されるため、中に残存している毒素が露わとなり排泄しやすくなる。
このとき毒素は、脂肪や細胞から出てきて血液に入り、その後排泄されていくため、途上一時的に症状が悪化したように見えることがあるが、これは好転反応であり、生活習慣の改善を行っていれば治癒に向かっていく。
「しかし、三食に慣れているから、二食にするとか間食をやめるとか私には難しいのでは・・・」と思われる方もいるだろう。
以下は、私が一日二食の半日断食を基本線として実践し始め、一か月の間に一度だけ一日一食を実行した時の話である。
およそ一か月で体重は6キロほど減少し、ベルト周りもブカブカになった。ただ、これはあくまでダイエットを狙って行ったものではなく、参考数値として示したまでで、重要なのは体内浄化環境がきれいになり、老廃物が浄化された点である。
白米から玄米食へ、動物性食品や白砂糖を極力避け、日本古来の伝統食を腹7分目で摂ることを一日二食(朝食は柿の葉茶・青汁など水分のみ。時に梅干を食べることも。そして間食はやめて昼・夕食を食べる。)で一か月過ごした。
ふらつきのようなものも最初だけで、体は慣れていき、食べ物をおいしく感じ、玄米のおいしさ、野菜のおいしさをこれまで以上に感じ、感謝できるようになっていった。
一日一食についても、段階を踏んでいるため驚くほど空腹感もなく過ごせた。
もともと大食いの私でさえ慣れていくのだから、「心持」があれば人間はたえず変化していけるのだと思えた。
当然のことながら、その後もこうした生活を続け、心と体を軽くすることに努めていることは言うまでもないし、健康状態も至って良好である。
こうした感覚的なことだけでは指標がないため、一応体重をたまに計ることもある。
私の場合、身長に対するベスト体重はおよそ62キロというのが理論的な数値なのだが、おおよそそのあたりをキープしている。
以後も、定期的な一日一食、あるいはより本格的なデトックスを、体の声を聴きながら行っていく予定である。
決して無理をするつもりはないし、観念的にこうあるべきということでやるつもりもない。
そうあるとむしろストレスとなってしまうだろうし、楽しみながら、体と心に無理なくやろうとしている。
思いのほか食べ過ぎたり、家族で出かけた時に何かしら肉やスイーツを食べることがあっても、一日二日の間で調整するつもりでやっている。
この余裕こそ継続していくうえで重要なのだと思う。
もちろん、こうしたことをしたからえらいとか、正しいとかをいうつもりもないし、押し付けるつもりもない。
ただ、何か健康がいまいち優れない人、何らかの疾患で悩んでいる人に対し、求められればこうしたことを一つの選択肢として示すことは仕事上はもちろんのこと、プライベートにおいてもある。
決めるのはその人自身だが。