2022年3月23日(水)18:00~、ゼレンスキー・ウクライナ大統領による国会演説がオンラインで行われ出席しました。
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2022年3月23日(水)18:00~、ゼレンスキー・ウクライナ大統領による国会演説がオンラインで行われ出席しました。
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【しげとく和彦事務所です】
重徳議員は、厚生労働省(後藤茂之厚労相宛)に対して、「早急に年金の最低保障機能の強化の実現に取り組むと同時に、年金受給者への5000円給付の検討を中止することを求める要請」を党の有志議員で行いました。
<内容>
選挙前に年金受給者への5000円の給付案。与党内でも異論が出ている。生活が厳しい方への支給なら額が少なすぎるし、ワーキングプアの方々への支援も必要。給付案の見直し及び、同時に年金制度そのものを見直し、本当に安心できる年金制度にすること。
・困っている方への支援なら5000円では足りない。
・そもそも年金支給額が少ないから支援なら、制度を変えるべき。
・困っているのは年金受給者だけではない。
・本当に支援するなら選挙前だけでなく継続的に支援するべき。
・予備費をなんでも使えるお金と勘違いすべきでない。
<報道>
(産経)年金受給者に「5千円」検討中止を 立民、政府に要請
https://www.sankei.com/article/20220322-IWR57U5RWFKEFLTC5MDYULXEGY/
https://news.ntv.co.jp/category/politics/c6ed37c6656b48d98d4aae2f8bbd01cf
(日テレNEWS)
立憲民主党 年金受給者への“5000円支給” 厚労省に検討中止を要請
https://news.ntv.co.jp/category/politics/c6ed37c6656b48d98d4aae2f8bbd01cf
(共同通信) 立民、5千円支給中止要請 「年金最低保障強化を」
https://news.yahoo.co.jp/articles/c04df1818d550855930c041d311557d613ece0be
※手交は、厚労省 年金局長
2022年2月21日(月)午後、衆議院予算委員会にて締めくくり総括質疑に立ちました。
1.原油高騰対策
答弁者:岸田文雄 内閣総理大臣、萩生田光一 経済産業大臣
重徳和彦議員の質疑の動画に字幕を付けて国会Twitterで発信しました。
(1)原油高騰対策
<国会Twitter>
https://twitter.com/cdp_kokkai/status/1495749808325541891
<字幕書き起こし>
https://docs.google.com/document/d/1vApEQlECD9wGe6BrrO7Ski4_iAz-NZQMYGmPqIF4nwM/edit?usp=sharing
2.コロナ対策
答弁者:岸田文雄 内閣総理大臣、後藤 茂之 厚生労働大臣、鈴木俊一 財務大臣
【議事速報】
○根本委員長 これにて長妻君の質疑は終了いたしました。次に、重徳和彦君。
○重徳委員
立憲民主党、重徳和彦でございます。
今日の午前中の総理の答弁で、原油高騰対策の中で、トリガー条項の凍結解除を含むあらゆる選択肢を排除しないという答弁がございました。これは、どこまで本気でおっしゃっているんだろうかと。トリガー条項のことについてですね。我々は、もうかねて法案を提出し、本日も用意している予算組替えの案の中にも、数千億円規模の予算についても手当てをする、そういう主張をしております。総理、特にトリガー条項は、税法、法改正が必要となってまいります。これを検討する際に、法改正について、どこまで、いつ行うということを考えておられるんでしょうか。
○岸田内閣総理大臣
私が先週来申し上げておりますのは、原油高騰、エネルギーの価格高騰に対してしっかり対応していかなければならない、効果的な激変緩和措置を考えなければいけない、そういったことから、今、政府として取組を行ってはおりますが、今後の不透明な状況を考えたときに、更なる対策についても考えていかなければいけない、その際に、あらゆる選択肢、これは排除することなく考えていきますということを申し上げているわけであります。トリガー条項も含めて、あらゆる選択肢について官房長官の下でしっかりと議論をし、早急に追加の対策を決めていきたいと思います。これは、これから引き続き議論を続けていく課題であると思っています。
○重徳委員
もう一般論で検討している段階ではない、私はそう思います。現に、先週の金曜日には、自民党内においても、政調会長から、トリガー条項、二十五円の減税措置をも超える支援をという、具体的にトリガー条項の規模感としても意識をするような、そういう提言がなされたと聞いております。今、審議、まさに今日にも採決をしようというこの本予算においても、このための予算が全く盛り込まれていませんよね。トリガー条項を含めてあらゆる選択肢を排除しないと言うからには、法改正、そして本予算の組替えが必要だと思うんですが、何も考えていないんだったら、含めたことにならないと思いますよ。トリガー条項のことを含めていない。いかがでしょうか。
○萩生田国務大臣
総理がおっしゃっているのは、今後、国際情勢等を含めて、国民の皆さんにどういう影響が与えられるのか、与えてくるのか、それを最小限に抑えるために、現在執行中の激変緩和措置をまずはしっかりやっていく、そして、その上で、これが長期化するようなことがあれば、あらゆる選択肢を排除しないということを申し上げていますので、今日この採決に当たってトリガーをどうするのかとぎりぎり聞かれれば、今の段階でトリガーを発動する、解除するということは考えていません。今は、激変緩和措置をきっちり三月までやっていきたいと思っています。その上で、長期化するんだったら、もう少しいろいろなことを考えていかなきゃいけないな、それを加速して検討するようにという指示を受けているところです。
○重徳委員
どうも本気度が感じられませんね。もう既に、今取り組んでいる激変緩和措置も上限の五円までとっくに到達しておりまして、三月中に予算が足りるかどうかぐらいの段階だと思います。予備費でも使わない限り、足りないんじゃないか。まして四月から、何の用意もないわけですよね。法改正、我々は法案を提出しておりますが、これを検討いただけませんか。総理。
○萩生田国務大臣
現段階において予算が不足をすることは想定しておりませんが、国民生活や経済活動などへの影響を最小化するという観点から、事業をしっかりと継続していくことが重要であると考えています。原油価格の高騰がどの程度長期化するかや、石油製品の需給の増加などをよく注視しながら、例えば、請求いただく金額が増加する場合には、令和三年度予算の執行残を当てるなど、柔軟にあらゆる可能性を検討してまいりたいと思います。現時点で法改正は考えておりません。
○重徳委員
総理にも確認します。総理から答弁、お願いします。今の点、法改正について。
○根本委員長
もう一度ちゃんと。もう一度言ってください。
○重徳委員
今経産大臣から、法改正、考えていないというふうに聞こえましたが、総理にも確認したいと思います。どうなんですか。
○岸田内閣総理大臣
今のエネルギー価格の高騰に対して、政府としても、激変緩和措置を始め、重層的な対応を用意しています。しかし、将来を考えた場合に、不透明なこれからを考えた場合に、あらゆる方策を排除せず、しっかりと議論をしていかなければいけない、しっかりとした準備をしておかなければいけない、こういったことを申し上げています。トリガー条項も含めて、あらゆる選択肢を排除しないということを申し上げています。法改正が必要なのかどうか、その議論の中で検討していく課題であると認識をしております。
○重徳委員
本当に、全然長期的な話でも何でもなくて、もう三月いっぱいで措置も切れます。そして四月、すなわち一か月ちょっと後の話を私は議論しているつもりなんですが、その危機感なり、国民生活、企業活動への影響ということも十分に認識されていないように私には聞こえます。もっと、ぴりっとやっていただきたいと思います。さて、今ほどのコロナ、長妻委員からもコロナの話、我々は、国民の立場から、政府の対応について厳しく今追及させていただいておりますが、私からは、今日午前中の江田委員からも指摘がありました、特に、死者数が今三千五百人、今の第六波だけで三千五百人に届かんとしている。この状況の中で、特に、もちろん医療機関、入院措置がなかなかうまく取れていないということもありますが、その前段として、自宅療養の方々がお亡くなりになっている。十分な措置が取れていないといったようなことが、これは誰がどう見ても、国民の皆さん自身が感じておられることだと思います。総理は、今年の年頭の会見で、自宅療養された方々、陽性判明の当日ないし翌日に連絡を取り、健康観察や訪問診療を始めるんだと高らかにおっしゃっていましたけれども、今、現状をどのように認識されていますか。
○岸田内閣総理大臣
重症化率の低いと言われるオミクロン株の対策において、御指摘の、軽症の自宅療養者への対応、これが鍵であると認識をし、保健所に頼らない地域の医療体制、経口薬の確保、こういったものに全力で取り組んできました。自治体によって、当日ないし翌日に連絡を取ることができていないというところもある、このことについては承知をしております。こういったことだからこそ体制強化をしなければいけないということで、電話等による初再診を行った場合の診療報酬の特例加算、更に倍増する、医療関係者への協力をお願いする、こうした努力を続けているところです。是非、こうした現状について自治体に個別に状況を確認し、必要な支援、これからも引き続き続けていきたいと考えております。
○重徳委員
保健所の負担も軽減しながらということだとは思いますが、今日、資料をお持ちしました。御覧ください。これは、全国の自治体の働く立場、すなわち自治労の調査でありますが、コロナ感染によりまして、非常に保健所の業務が長時間労働となっておりまして、とりわけ電話対応が非常に多い、事務作業もそれに伴って非常に多い。当然想像されることでありますが、更にこれがメンタルヘルスの不調にまで及んでいるということをひしひしと感じられるような調査結果であります。特に、自由記述に寄せられた代表的な意見でありますけれども、働く時間が長くなると抑うつ傾向になるんだな、それから、休みも取れない、日々の暴言とクレームの対応、大変だと。そして、これはいろいろな受け止め方はありますが、医療現場に比べると、報道に取り上げられたり、感謝されるといいましょうかね、そういうやはり日の当たるところで仕事をしていないという感覚が、恐らく皆さんあるのでしょう。本当に、日々地道に、長時間に及ぶ活動を保健所の皆さんはされているわけであります。このことに対して、こうした過重労働、メンタルヘルス不調に対して、どのように認識をされ、対応されているんでしょうか。
○後藤国務大臣
委員御指摘のとおり、保健所職員の過重労働、メンタルヘルス不調への対応は非常に重要な課題であると認識しております。このため、保健所の体制について、各都道府県に保健・医療提供確保計画の策定を要請いたしまして、全庁体制や専門人材の派遣の仕組み、IHEATを含めた外部支援の活用など、必要な人員を確保できる体制の構築に努めていただいております。一方で、これまでの新型コロナ対応の中で、組織的な業務改善やストレスケアの仕組みづくりに取り組んでいる保健所もあると承知しておりまして、厚生労働省として、これらの取組を集約して横展開する等、保健師を始めとする保健所職員等の負担軽減につながる支援を引き続き行ってまいりたいというふうに思っております。
○重徳委員
本当に保健所の皆さん方も苦労しながら取り組んでおられる、この現場の感覚を総理にも肌で感じていただきたいと思います。一方で、先ほど来お話ししておりますように、自宅死の方々も、今回、第六波においてもこれは無視し得ない数の皆さんがお亡くなりになっている、そのように承知をいたしております。しかし、御自宅で亡くなられた方々の遺族の皆さんの心は本当に想像するに余りある状態でありますが、それでも決して、今の状況の中で、身内の方が亡くなった、それは保健所のせいにしたい、したくても、せいではない、病院のせいとも言えない、施設のせいでも誰のせいでもない、こんなような思いでおられるというふうに聞いております。このこと、非常にこれは厳しい話であるんですが、よく言われるのは、やはり、保健所とうまく連絡がつかなくて、数日面倒を見てもらわないうちに亡くなっていたなんというケースが間々あるという話でありますが、この際の責任って一体どこにあるんでしょうね。お答えください。
○後藤国務大臣
今おっしゃったのは法的責任の問題だというふうに受け止めましたけれども、そのことにつきましては、当然、これは公務員の一般的な法制が適用になるということでございます。ですから、過失や重過失があるということになったときに、公務員としての業務がどうであるかという問題点であります。今、本当に、保健所等で、いろいろな方たちが手助けに入って、一生懸命助け合って支えているときでございます。そういう意味で、私からはそういう答弁にさせていただきたいと思います。
○重徳委員
こうしたことにも、恐らく、保健所の職員、あるいはそれをサポートする皆さん方は、自分に落ち度があったら、それによって死に至るような方がいたらどうしようかという思いも、これは大変重圧がかかっていると、これも想像することはできると思います。そういうことも察していただきたい。そういう思いの中で、保健所の負担を軽くするとか、総理も言及されました、保健所に頼らない、そういったことを、そういった体制を構築していく必要があると思うんです。それで、私、前回の質疑においても、今日の資料でいうと二枚目なんですけれども、自宅療養されている方々は、本来、保健所の方々がしっかりと面倒を見るのが、そういう法的たてつけになっているんですが、今、余りに自宅療養者が増えてしまって、この図でいうと、緑色の割と軽症者と言える方々はいいんですが、もう既に黄色い、黄色信号になってしまっている、もう入院させなきゃいけないんじゃないか、少なくとも放置することはできないという方々、医療にアクセスさせなきゃいけないという、そういう方々まで今は放置されてしまっている。この状況を変えていく必要があるということを申し上げてまいりました。実は、このことに関して、かかりつけの家庭医という制度を、我が党からは、昨年、法案提出させていただいたんですが、しかし、この主張とそっくりそのまま引き写しと言えるような財務省の財政審の建議が去年の十二月に出されております。資料の三であります。御覧ください。今後の制度面の課題、かかりつけ医の制度化とあります。そして、これは去年の十二月ですから、第五波を例に取っておりますが、全国で十三万六千人の自宅療養者、三万六千人に及ぶ入院先調整中の方々が発生した、そして、これらの方々の医療へのアクセスの機会は限られていたことが指摘されている。中盤、かかりつけ医機能の要件を法制上明確化した上で、これらの機能を備えた医療機関をかかりつけ医として設定するなどの制度を設けること、事前登録、医療情報登録を促す仕組みを導入していくと。ここまでで、まず厚労大臣にお尋ねしたいんですが、かかりつけ医機能の要件を法制化するとあ
りますが、今は全く法律上の存在ではないということなんですね。かかりつけ医、よく聞く言葉ですけれども、特にコロナになってから。法律上全く位置づけがないわけですね。
○後藤国務大臣
御指摘のかかりつけ医制度については、国として、法令等において明確な定義は置いておりません。
○重徳委員
言っておきますけれども、自民党を中心とする政権には絶対に実現することのできない制度だと私は思っておりますが、下のところ、かかりつけ医が、平時において、高齢化時代における地域包括ケア、在宅医療の担い手となる、それから、かかりつけ医は、患者情報の事前管理により、PCR検査受検相談、まさに今必要なところです、発熱外来、オンライン診療、宿泊、自宅療養の健康観察を安全で迅速、効果的に包括的に提供し、保健所の負担を軽減することが期待されると。まさしく我々の主張と同じなんですけれども、この点、所管の鈴木財務大臣、どのような見解をお持ちでしょうか。
○鈴木国務大臣
重徳先生が資料三でお示しになられましたとおりに、昨年の十二月の財政制度等審議会の建議におきまして、コロナ禍における経験から、必要なときに必要な医療にアクセスできることの重要性を踏まえまして、かかりつけ医機能の要件を法制上明確化し、これらの機能を備えた医療機関をかかりつけ医として認定するなどの制度を設けること、利用希望者による事前登録、医療情報登録を促す仕組みを導入していくことを段階を踏んで検討していくべきとの提案をいただきました。この建議も踏まえまして、政府部内で調整した結果、昨年十二月二十三日に決定いたしました新経済・財政再生計画改革工程表において、かかりつけ医機能の明確化と、患者、医療者双方にとってかかりつけ医機能が有効に発揮されるための具体的方策について検討を進めるとの方針が示されております。この改革工程表に沿いまして、具体的方策を検討する中で、建議の内容の反映を含め、しっかり議論を深めて、改革を着実に実行してまいりたいと考えております。
○重徳委員
これは、改革、検討を進めるという言葉になっております。これを進めることが本当にできるかどうかは、岸田総理、やるべきことを全て尽くすとおっしゃっている岸田総理の決意にかかっていますが、最後に御答弁願います。
○岸田内閣総理大臣
御指摘のかかりつけ医については、その機能を明確化しつつ、患者と医療者双方にとってその機能が有効に発揮されるための具体的な方策、これを検討し、かかりつけ医が広く普及するよう、しっかり取組を進めていきたいと考えます。
○重徳委員
必要な改革はどんどん、我々としても提言し、プッシュしていきますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。
2022年2月17日(木)、予算委員会第一分科会にて質疑に立ちました。
予算委員会第一分科会 (消費者庁)
大規模なアサリ産地偽装により、外国産のアサリが「熊本県産」と表示された問題
・実態の把握と対処 (偽装業者には厳正な対処を)
・輸入アサリについて
・蓄養について
・産地表示について
・今後の取組への支援 (国産アサリ回復など)
重徳和彦議員(アサリの産地偽装、漁獲量減少)
<国会Twitter>
https://twitter.com/cdp_kokkai/status/1494271576459857921
<字幕書き起こし>
https://docs.google.com/document/d/19wqPQwwkdAOSB47QDXeJWX_iiYxHRYYmVT6Jpvl36J0/edit?usp=sharing
【議事速報】
○島尻主査 これにて西野太亮さんの質疑は終了
いたしました。次に、重徳和彦さん。
○重徳分科員
立憲民主党の重徳和彦です。今の熊本・有明海の自民党の西野さんに続いて、同じテーマの質問なんですが、私は愛知県で、三河湾という湾がありまして、かつて、日本一のアサリの産地だ、そういう誇りを持った地域でありますが、近年、漁獲高がただでさえ激減して、本当に取れなくなっちゃった、こういう地域であります。原因も、かつては、カイヤドリウミグモという寄生虫が原因じゃないかと言われたときもありましたが、最近は、海の栄養が足りない、栄養塩が足りないというような指摘がありまして、下水処理の在り方を、湾に流す水の処理を、リンと言わ
れる栄養分、要するに、窒素、リン酸、カリのリンですね、それを少し増量するように下水処理の在り方を調整するとかいうようなことを漁協の皆さん方と一緒になって取り組んできて、今年は少しいいぞとか、なかなかよくならないねとか、こういう思いを地元の漁師の皆さん方とともにさせていただいている、そういう立場であります。先ほどの質問の中でもございましたけれども、テーマは、大規模なアサリ産地偽装によって外国産のアサリが熊本県産と表示されたという問題についてなんですが、二月一日、農水省の実態調査が行われまして、先ほど政府の方から御説明があったように、去年の十月から十二月までの調査において、年間の熊本県アサリの実際の漁獲量、これは二十一トンと言われておりますが、それを大幅に上回る二千数百トンが三か月の間だけで確認をされた。これはやはり外国産のアサリが相当量混入しているという可能性が高いというふうに判定がされたというわけですね。この調査結果に基づいて、この結果のみでは原産国を特定することはできないので、流通ルートに遡って立入検査を実施し、事実を認定していくことになるということで、現在調査が行われているはずなんですが、今、農水省、どんな調査をされていますか。
○江﨑政府参考人
お答えいたします。今回の調査を通じて把握した疑義につきまして、仕入れ先や販売先等の流通ルートを遡って立入検査等を行っているところでございます。法に違反する事実を確認した場合、表示の是正等の指示、公表を行い、消費者庁や警察にも情報共有を行ってまいります。
○重徳分科員
少し後ほど詰めてまいりますが、まずその前に、この産地偽装というのはかなり大規模に行われていたというふうに言われますが、政府は昨年十月に先ほど申し上げました調査を行ったわけですが、それまでの間、何らかの調査をしてこられましたか。過去のアサリの産地偽装の事案、今、権限としては指示とか公表といったことができるという話でしたが、そういった過去の実績を教えてください。
○江﨑政府参考人
お答えいたします。アサリの産地偽装事案につきましては、農林水産省として、これまで、食品表示法に基づき、消費者庁や都道府県等の関係機関と連携し、疑義情報を踏まえた立入検査を行い、法に違反する事実を確認した際は表示の是正等の指示を行うなど、厳正な対応を行っております。また、こうした情報は警察にも提供しております。広域事業者に対しては国が、それから、広域事業者以外の事業者に対しては都道府県等が、指示、公表を行っております。平成二十四年度から現時点までの十年間で指示、公表を行った件数は十六件でございます。このうち、農林水産省として、広域事業者に対して二件、指示、公表を行っております。
○重徳分科員
実際に指示、公表を行ったのは二件。過去五年ですか。(江﨑政府参考人「十年間」と呼ぶ)過去十年で二件ということでございます。この食品表示法のほかにも、不正競争防止法、これは経産省所管と聞いておりますが、ここにおける不当表示が適用されれば、そういった厳正な処置がなされるというふうに聞いておりますが、それは過去五年、十年、どうでしょうか、実績は。
○蓮井政府参考人
お答え申し上げます。御指摘の不正競争防止法でございますが、不正の目的をもって商品、役務などの原産地ですとか品質等について誤認させるような表示をした場合、あるいはこうした誤認をさせるような虚偽の表示をした場合につきまして、刑事罰の対象となるところでございます。個別事案についての罰則適用判断は司法でされますので、お答えする立場ではございませんけれども、過去五年ということでございますが、アサリの原産地偽装の事案につきまして、不正競争防止法違反として一件の摘発事例があると承知をしております。
○重徳分科員
食品表示法で十年で二件、不正競争防止法で一件、実績としてはそういうことだということであります。さて、少し切り口を変えますが、この熊本県の問題につきまして、熊本県知事さん、熊本の関係者が大変大きな問題意識を持って臨まれているということが見て取れる、これは今年の二月十一日の読売新聞の全面広告なんですね、「産地偽装は、許さない。」と。熊本県知事さんが写真入りで、「許さない。」そして、熊本県では二月四日に熊本県産アサリ緊急出荷停止宣言を発令し、そして、二月十一日以降、店頭からそのアサリを全部出荷停止ということですから、姿を消すということになった。二か月間の間に信頼回復をし、二か月後には再びアサリの出荷を再開すると。こうしたある種の強い覚悟を持って、地域、利害関係が様々ある中と想像されますが、そういう中で、非常に強い思いでこうした宣言、対応をされています。比べてと言ったら申し訳ないんですが、これは大臣にお聞きしたいんですが、国の方は、各業界団体に対しまして二月一日に通知を出しておりまして、そして、要すれば、アサリの取扱い時には産地伝達の確認を徹底してください、業界団体の会員に対する特段の御指導をお願いします、こうしたお願い文書を出しているというところにとどまっているわけなんです。このことは、熊本県のこの悲痛なまでの覚悟を持った、絶対産地偽装を許さないということに対しまして、国は随分穏当な感じに、少なくとも一見見えるわけなんですけれども、その辺りについて、やはり地元の苦しみというものを国としても共有してといいましょうか、少し覚悟を持ってこうした対策を講じるべきじゃないかと思いますが、まず大臣にお伺いすると同時に、問いの十五番というふうに通告していますが、水産庁の方にも、この熊本県の対応をどう評価されているか、こういったことをお答えいただきたいと思います。
○若宮国務大臣
今委員からお話しいただきました件でございますが、今回、農林水産省の最初の公表を受けまして、御指摘の通知を発出をさせていただいたところでもございます。都道府県の監視担当部局に対しましても、監視指導を徹底するように求めたところでもございます。先般、熊本県の方からは、取締り体制の整備、原産地表示のルールの運用の見直し、そしてまたトレーサビリティー制度の構築について、制度面での御提言もいただきました。いずれも、現在のルールの下では表示違反を見つけるのが非常に難しいということが背景にあろうかと思いますが、まずは、御要望と現場の意見をしっかりと受け止めたいと思っております。また、先ほども答弁申し上げましたけれども、今、農林水産省におきましては、今回の件に関わります疑義の解明の調査が行われているところでもございます。もしも不適正な行為が確認をされた場合には、農林水産省とも連携し、厳正な法執行に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。これと併せまして、また、ルールの適用の在り方につきましても、消費者庁といたしましても、農林水産省と連携をいたしまして、国内のアサリの流通の実態、これも把握していかなければいけないと思っております。また、どうしたら表示の偽装を防ぐことができるのか、あるいは、先ほどもちょっと触れましたけれども、消費者の信頼を回復して、何よりも御家庭でおいしい、安心したアサリを食していただけるということが一番重要だと思っておりますので、こういった観点から必要な見直しについては取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。
○渡邊(毅)政府参考人
熊本県の二か月間の出荷停止についての水産庁の評価というような御質問をいただきました。お答えをいたしたいと思います。熊本県におかれましては、熊本県ブランドを守るための対策に取り組むということで、二か月間の出荷停止を行ったと伺っておりますけれども、県内の漁業者の方々と一体となって、熊本県産ブランドを守るために県として大きな決断をされたというふうに我々としても受け止めているところでございます。水産庁といたしましては、今後、熊本県において実施される取組内容を踏まえた上で、消費者庁や熊本県と連携し、共に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○重徳分科員
大きな決断という水産庁からの評価、そして大臣は、調査をしっかり行って、何か見つけたときには厳正な法執行を行っていくという話がございました。先ほどの質問の中にもありましたけれども、この偽装は地理的には恐らくかなり広範囲にわたる。それから、流通過程でいいますと、川下、川上のたくさんの段階で、そして、その中のどこで偽装、どこで外国産が熊本産というふうに表示がすり替わった、そういうこともなかなか見つけにくいぐらい大変なことだと思うんですけれども、そもそも、食品表示法上の権限として、国の権限として、こうした全ての段階の業者に対して立入調査を行う、そういった権限はあるんですか。権限がなきゃ、それは調べようがないと思うんですけれども。そこを確認してみたいと思います。
○江﨑政府参考人
お答え申し上げます。食品表示法上、表示の適正化を確保するため必要があると認めるときは、食品関連事業者や関係のある全ての段階の事業者に対して立入検査を行うことが可能となっております。なお、農林水産省は広域事業者を対象に立入検査を行うこととなっておりまして、事業者が県域事業者の場合は、当省は事業所の所在する都道府県に情報を回付し、都道府県が検査を実施することになります。
○重徳分科員
分かりました。全ての段階で可能だということであります。そうしましたら、ちょっと別の角度ですが、今回、当然、外国産ですから、輸入をしたアサリに関わる問題です。これは多くは下関の税関で国内に入ってくるというふうに聞いておりますが、その量がどのぐらいだったのかということを教えていただけますか。それから、そこから熊本県で期間は短いながらも蓄養されてから熊本産として出荷されたものと、いや、そうじゃなくて、下関に入ったらすぐ、熊本と全く無関係のまま全国の小売店で熊本産として売られた、その両方があるだろう、むしろ直接行った方が多いんじゃないかという話もあるぐらいですが、この辺りは把握されていますか。
○渡邊(毅)政府参考人
お答えをいたします。アサリの輸入量でございます。我が国のアサリの輸入量は、財務省の貿易統計によりますと、令和二年は、生きているもの、生鮮のもの及び冷蔵したものですけれども、全体で三万五千三百七十トンでございます。このうち、下関税関支所を含みます門司税関で輸入されたものというものは、二万三千八百二十四トンということになっております。また、熊本の保税地域とか蓄養を経ずに直接熊本産として出荷される量については、我々としては把握をしていないというところでございます。
○重徳分科員
把握されていないということであります。これは、こういったところから調査をしていかなくちゃいけないんだろうと思います。その一方で、アサリというのは、そもそも日本の大切な食文化でありますね。みそ汁、酒蒸しはもちろん、深川飯というのもありますし、しぐれ煮もありますよね。和食に限らないですね。深川飯、柿沢さんの御地元のね。それから、ボンゴレスパゲッティ、洋食もありますよね。そういったこともございます。アサリが日本の食卓から消えてしまっては困るんです。ですから、確かに表示は大事だし、国産アサリが一番大事だと私は思いますが、しかし、外国産だからといって、これはおかしなものなんだとか、安全性が確保されていないんだとか、そういう少し行き過ぎた認識が広まってしまうと、これまた問題が出ると思うんですが、中国産、外国産の輸入アサリというものの安全性について御説明いただけますか。
○武井政府参考人
お答えいたします。輸入される食品については、食品衛生法に基づき、輸入者に対し、輸入の都度届け出ることが義務づけられており、違反リスクに応じた検査が行われているところです。御指摘の中国産アサリについては、輸入の都度、貝毒や残留農薬の検査を命じており、その検査の結果、食品衛生法に適合したものだけが輸入されております。
○重徳分科員
国産アサリが大事、産地偽装は許さないのはもちろんですが、必要以上の過度な外国産に対する危険視はこれまた避けなきゃいけないということですから、そういった検査はしっかりと行っていっていただきたいと思います。次に、蓄養について少しお話ししたいと思います。蓄養については、これは、蓄養の意義というものはまずあると思います。その意義とは何かというのを教えていただけますか。それから、あわせて、蓄養によって味わいがよくなる、コクが出る、こういうことも言われておりますし、先般、私も地元の業者の方に、一週間蓄養したアサリ、二週間蓄養したアサリというものを食べさせていただきまして、私は理屈は分かりませんが、確かに、何かうまみが増しているなという感じもいたしました。こうした蓄養によるアサリの品質向上、あるいは、こういったものをブランド化して地域のアサリとして出荷していくことについて、こういった企業努力、こうしたものへの評価をお答えください。
○渡邊(毅)政府参考人
お答えをいたします。まず、蓄養でございます。蓄養につきましては、漁業法の中にその行為が定められていないために、明確な定義はないところでございますけれども、一般に、出荷調整などを目的として水産動植物を短期間一定の場所に保存する行為というふうに言われております。このため、いわゆる蓄養では砂抜きとか鮮度保持といったような行為が行われていると承知しておりますけれども、それを超えて、例えば身を大きくするなどの品質向上に取り組むということは想定をしていないということでございまして、このような品質向上のために生育を一定期間管理するというようなことであると、これは漁業法上の区画漁業の免許を要する養殖に該当するのではないかと思っております。先生のおっしゃった風味がよくなるというのは、恐らく鮮度維持の範囲でとどまっているということなのではないかというふうに考えております。
○重徳分科員
ありがとうございます。政府の見解をいただきましたので、またいろいろと勉強していきたいと思います。さて、産地表示についてですが、今回の偽装は、当然、売買の伝票に産地がどう書かれていたかといったようなことが一つ、これから調査をするに当たっても、そしてもちろん、今後の適切な取引においても重要になってくるわけであります。今の現状を知りたいんですけれども、産地を証明する書類、伝票にどう書かれていても、特段、様式というものがないのか、そして、それは法令上、特段、やり方を指定されていないのか、その書類を保管する義務とか保管する期間とか、それから記載する責任といいましょうか、裏を返せば罰則のようなものがないのか。こういった、今の、産地を証明するための、流通上の、取引上の書類の現状というものについて教えていただけますか。
○村井政府参考人
お答えをいたします。食品表示基準におきましては、食品関連事業者等は、同基準に基づく表示を適正に行うために必要な限度において、その販売する食品及び当該食品関連事業者等に対して販売された食品の表示に関する情報が記載された書類を整備し、これを保存するように努めなければならないということにしております。その根拠書類の様式あるいは保管期間につきましては、具体的な規定はございませんが、表示の適正化の確保のため、事業者においては適切に書類の整備や保存に努めていただきたいと考えております。ただ、具体的にどういった書類が考えられるかということでございますけれども、仕入れた食品なり販売した食品につきましては、その名称、原材料名、原産地等が表示された送り状、納品書、規格書等が考えられるのではないかということ、小分け、製造した食品につきましては、製造仕様書なり製造指示書、原材料の使用記録、製造記録等が考えられるのではないかなというふうに考えております。保管期間につきましては、食品が製造されてから消費されるまでの間、表示に関する書類を保存していただく必要があるのではないかということで考えております。なお、罰則の関係でございますけれども、立入検査時に虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出を行った場合には、食品表示法に基づきまして罰則が科せられるということになっております。
○重徳分科員
今回は熊本を舞台として起こったことでありますので、三河湾の業界においては、これを機に余計な負担が増えるというのは、今までも真面目にやっているのに、そういったバランスもありますので、なかなか、規制の在り方というのは大きな議論が必要だと思います。また、熊本県知事が、先ほどの一面広告、全面広告ですけれども、長いところルールの運用の見直しも求めておられますけれども、これはどのように検討されていくんですか。
○若宮国務大臣
食品表示におきましては、これはやはり消費者の商品選択に当たって非常に重要な判断材料だというふうに思っております。産地を偽った商品が販売されるということは、消費者の信頼を揺るがす極めて深刻な問題として捉えてございます。生鮮食品の原産地、これは食品表示法及び同法に基づきます食品表示基準におきまして義務表示の対象となっており、原則として、農畜水産物が生産された場所を表示することとなってございます。ただし、畜産物や水産物については、その育成過程の中で複数の産地で育成されることがあり、その場合は、最も生育期間の長い場所を原産地として表示することとされてございます。現在、農水省におきましては、産地偽装に係る疑義解明の調査、このアサリでございますけれども、行われておりますので、このアサリに関しましては、しっかりとした形の実態調査、実態を把握するということが重要だと思っておりますが、いずれにいたしましても、消費者の信頼を回復して、まず、アサリがきちっとした形で御家庭の食卓に届けられるように尽力してまいりたい、このように思っているところでございます。
○重徳分科員
要すれば、まず調査ということですね。それは分かりました。消費者の選択の前提として正確な表示というのは不可欠だし、偽装というのは絶対悪いことであるというのは間違いないことです。ただ、大臣にお聞きしたいんですけれども、結局、消費者の皆さんが、国産がいいと思いますよね、我々も思います。だけれども、だから、無理して、偽装してまで国産だという表示をしてしまう、こういう誘因が生まれる。この悪循環をどう認識され、どう対応するのか。これが結構本質じゃないかと思うんですけれども、大臣の御見解をお願いします。
○若宮国務大臣
確かに、今、重徳先生がおっしゃるような傾向というのは現実であろうかというふうに、私自身も個人としては思っております。ただ、消費者全体として見てみますと、例えば外国製のもの、お肉でも何でもあろうかと思いますけれども、食品の価格ですとかあるいは品質ですとか、お肉の好みであれば、サシが入っている方が好きだという方もいらっしゃれば、赤身の方が好きだという方もいらっしゃるかと思います。あるいは産地、これについてもこだわりがある方もいらっしゃると思います。また、昨今、環境への配慮や特定の地域の応援など、様々な要素をして選ばれるかと思いますので、最終的に何を重視をしているかというのは、これは各々の、お一人お一人の消費者の方々の御判断に委ねられるべきではないかなというふうにも考えているところでもございます。いずれにいたしましても、食品の表示というのは、消費者の皆様方お一人お一人が選択をするに当たっての、まず最初にパッケージが見えたときの、入口の重要な判断材料でございますので、まさに、産地を偽った、あるいは中身と違うものが販売されるということがあってはならないというふうに思ってございます。こういった形のものにつきましては、しっかりとした形の法執行、またルールの在り方まで含めて、食品表示の司令塔として、私どもの方でもしっかりとした対応を考えていきたい、このように思っております。
○重徳分科員
ありがとうございます。私は、消費者が国産を求めるというのはいわば健全なことであり、また、地産地消とか、大きく言えば食料安全保障という意味でも、食料自給率という意味でも、やはり消費者の期待に応えるとともに、国益を守るという、こうした政策にもつながっていきますから、消費者が安易に外国産がいいやとかいうよりは、当然、国産を求めるというマインドがあるというのは極めて重要なことだと私は思います。それで偽装が生まれちゃいけないということは、やはりきちっとしたルール、そして取締りをしなきゃいけないということなんだと思っております。要するに、何が言いたいかというと、この問題の本質は、やはり国で国産のアサリが本当に取れなくなってきているということ。そして、その原因は一体何なのか。そして、それは複合的ないろいろな要因があると思うんですよ。省庁で言えば、各省庁ですよ。干潟がなくなってきている、ダムを建設したりいろいろなところを埋め立てたりという意味では国交省。それから、農業、同じ第一次産業ですけれども、農業が使っている農薬の問題があるかもしれない、そういう意味では農水省。さらに、愛知県もそうですけれども、非常に製造業が盛んなところですから、産業界との、基本的に産業界というのは環境を汚す側でありますので、製造業とか、そういった第二次産業の世界との折り合いという意味では経産省。そして、もちろん環境省。こういったいろいろな要因があると思うんですけれども、最後に、水産庁として、アサリが減った原因を他省庁に全く遠慮せずに言っていただきたいんですけれども、言ってください。他省庁に関わる課題がいろいろあるということを言っていただくとともに、もう一つ、冒頭申し上げました、三河湾ではここ数年間、下水処理場の、水を浄化する薬のさじ加減をして、窒素、リン酸、カリ、特にリンを増量するといった、増量した上で水を下水へ放流するといった取組をしてきているんですが、この成果というもの、地元では悲喜こもごもなんですよ、成果が見えたね、見えないね、諸説あります。場所によって、あの島の近くではたくさんアサリが取れるようになった、いろいろな話があるんです。これを全体としてどのように水産庁として評価されているか、水産庁じゃなくてもいいですよ、環境省でもいいけれども、お答えできる方にお答えいただきたいと思います。
○黒萩政府参考人
それではお答えいたします。アサリの減少原因は海域によって異なっております。以前は、埋立て等により漁場が喪失しました。近年では、乱獲であるとか、海底形質の変化であるとか、貧酸素であるとか、食害、病害などが指摘されております。それに加えまして、先ほど委員の方からもございました栄養塩不足による影響、これが指摘されております。伊勢湾、三河湾におきましては、愛知県の調査研究によりまして、栄養塩不足が、アサリ、それからノリの色落ちもそうなんですが、そういった漁獲量の減少の要因の一つであるということが指摘されております。実は、昨年十一月、水産庁は環境省と共催で、伊勢、三河湾をきれいで豊かな海にするための第一回勉強会を開催しまして、愛知県の漁業関係者にも御参加いただき、さらには、先月、水産庁の担当官が現地に赴き、漁業関係者との意見交換を行わせていただきました。水産庁としましては、愛知県との連携を密にしまして、現地の漁業関係者の御意見を踏まえて、海域の特性に応じた栄養塩管理の調査研究や管理の取組を推進、協力していきたいというふうに考えております。
○重徳分科員
国の協力を是非いただいて、いい海を守り、おいしい御飯を食べられるように、おいしいアサリを食べられるように、皆さんで力を合わせてまいりましょう。以上です。ありがとうございました。
2022年2月17日(木)、予算委員会第二分科会にて質疑に立ちました。
予算委員会第二分科会(総務省所管)
・郵便局の役割の重要性
・森林環境譲与税について (人口割の見直し等)
・EV促進による自動車税制への影響
【議事速報】
○中谷主査 次に、重徳和彦君。
○重徳分科員
立憲民主話の重徳和彦です。
今日は、総務大臣金子先生と政府の皆さんから、大きく三点、三つのテーマについて質問させていただきます。まず、郵便局の役割の重要性についてでございます。郵便局は、町中で気軽に立ち寄れる便利な拠点であると同時に、昨今、人口減、高齢化の進む過疎地の貴重なサービス拠点でもあります。全国二万四千局のネットワーク、これをもっともっと有効活用して、利用者の皆さん、住民の皆さんに喜んでいただける拠点にしていくべきだと考えます。既に様々な物販、サービス、民間ベースのですね、ことも行われておりますが、自治体との関係でも、バスの回数券とかごみ袋とか商品券といったものを販売する、そういったことも行われていると承知しております。この郵便局の拠点性を高めるためには、さらに、自治体のいわゆる窓口業務を担っていただくための環境整備をしていく必要もあるんじゃなかろうかというふうに思います。郵便局事務取扱法という法律が施行されて二十年ほどたちますけれども、法律上は、様々な証明書の交付などの行政事務の受託、いろいろできることになっております。現時点で、百六十九自治体、五百八十九の郵便局がこの行政事務の委託を受けている。それから、支所の機能を丸ごと委託するような例も出てきて、これは十五の市町村で行われているというふうに聞いております。こういったことによるメリット、住民、自治体、郵便局におけるメリットのようなものをどうお考えでしょうか。これは大臣、お願いします。
○金子(恭)国務大臣
重徳委員にはこれまでも御指導いただいておりますが、またよろしくお願いしたいと思います。今日も郵便局のこの問題を取り上げていただきまして、本当にありがとうございます。実は、昨年十二月に北海道の白老町にお伺いしまして、北海道内で初の取組であります、郵便局における自治体事務の包括受託の状況について、関係者の皆様と車座対話を実施してきたばかりでございます。その中で、こうした郵便局と自治体との連携によりまして、取組は、特に人口減少などに直面している地域において、住民サービスの向上や行政の効率化に大きく寄与しているとのお話を伺ったところでございまして、いや、これは我々のところも非常に過疎地でありますけれども、こういう郵便局の取組というのは、これは絶対参考になるなということを思ったところでございます。こうした先行事例を踏まえまして、郵便局が、自治体と連携しつつ、地域の生活インフラとして具体的にどのような役割を担っていくのかについては、御指摘の費用負担の在り方とか郵便局側の体制整備も含めて、今後検討を深めていく必要があると認識しております。総務省といたしましても、これまでも制度の整備や実証実験などに取り組んでまいりましたが、こうした検討を進めつつ、引き続き、郵便局のネットワークの更なる利活用に取り組んでまいりたいと考えております。
○重徳分科員
熱の入った御答弁、ありがとうございます。一方で、先ほど、行政事務の受託は百六十九自治体というふうに申し上げましたが、全部で千七百ぐらい自治体は、市町村、ありますので、進んでいないところも九割ぐらいあるということなんですね。これは、進まない要因というのはどのように分析をされていますでしょうか。
○今川政府参考人
お答え申し上げます。御指摘のとおり、郵便局における行政事務の受託は、現時点では、一部の自治体による先進的な取組に限られているというふうに考えております。このような取組を実際に導入していただくに当たりましては、まずは自治体側で住民のニーズをしっかりと把握をいただきまして、どのような地域においてどのような事務を郵便局に委託することが望ましいのか、綿密に御検討いただくことが必要というふうに思っております。その上で、この取組を広く普及、展開していくには、自治体における費用負担をどう考えていくか、また郵便局側の体制をどう強化していくか、そういった課題があるものと考えております。
○重徳分科員
ニーズはもちろんですけれども、費用負担とか体制整備ということ、大臣も先ほど少し言及されましたけれども、もう一歩踏み込んで、こういうことをこれからやっていくんだという大臣の御決意があれば、ちょっとお話しいただけたらと思います。
○金子(恭)国務大臣
今、部長からもお話があったんですけれども、やはり、まだまだこういう、地方にすると必要な、まあ地方に限らずですけれども、郵便局のネットワークを使うということは非常に重要なことだと思っておりますので、そういう課題も含めて、もっともっと利用していただけるように、先進事例も含めて広報していく、そして皆さん方に活用していただく。これは、郵便局側だけではなくて自治体側ですよね、これは非常に使えるのではないかと思っておりますので、更に広報も含めて取り組んでいきたいと思っております。
○重徳分科員
そうですね。広報をすることによって、郵便局の存在そのものも高まると思いますので、是非ともよろしくお願いいたします。あと、これから、自治体業務のデジタル化、ネットワーク化というものがもっと進んでいくと思いますが、それによって、郵便局だって人員には限度がありますで、より円滑に、郵便局がいろいろな窓口業務を請けて、デジタル上のやり取りを通じて、いろいろなことができるようになるんじゃないかなと思いますが、その辺りの見通しはいかがでしょうか。
○今川政府参考人
お答え申し上げます。今御指摘いただきましたとおり、自治体において、行政のデジタル化は一層進展していくということが期待されております。一方、日本郵政グループにおいても、昨年五月に発表した中期経営計画、JPビジョン二〇二五におきまして、デジタルトランスフォーメーションの推進により、リアルの郵便局ネットワークとデジタル郵便局の融合を目指す方針を打ち出しております。これまでも、郵便局における事務受託につきましては、住民サービスの向上や行政の効率化などの効果が見込まれておりました。双方のデジタル化が進展することにより、郵便局と自治体の連携はより円滑になることが期待されます。例えば、マイナンバーカードを使った手続が郵便局の窓口で普及すれば、証明書の交付などの事務委託がより行いやすくなるなどの効果が見込まれます。総務省としても、今年度の補正予算を活用してこのような取組を支援する予定ですが、引き続き、制度整備や実証事業などを通じて、デジタル技術を活用した郵便局と自治体の連携が進展するように取り組んでまいります。
○重徳分科員
ありがとうございます。せっかく二十年前に自治省と郵政省が合併して総務省になっておりますので、効果をたくさん発揮していただきますようお願い申し上げます。さて、次のテーマです。森林環境税についてです。令和元年から森林環境譲与税の交付がスタートしました。実際の税というものは、今は譲与税ですけれども、実際の森林環境税は令和六年度からというふうに承知しております。これまでの市町村への配分額、使途などの活用実績について御答弁願います。
○小坂政府参考人
お答えさせていただきます。森林環境譲与税につきましては、令和元年度に譲与が開始され、現在三年目となっております。その使途は、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律におきまして、森林の整備に関する施策及び森林の整備の促進に関する施策と規定されております。その範囲で、地域の実情に応じた取組が進んできているものと考えているところでございます。具体的には、令和二年度におきましては、市町村数でいいますと、森林整備関係の取組を実施した市町村が約七割、木材利用関係の取組を実施した市町村は約三割となっておりまして、例えば、森林経営管理制度に基づく森林所有者への意向調査や、間伐の実施、都市部と山村部が連携した木材利用、普及啓発の取組等が行われているところでございます。一方で、令和元年及び令和二年度の市町村への譲与額は合計で五百億円となっておりますけれども、そのうち執行されたものは約五割、二百二十八億となっており、残りは市町村で基金に積み立てられているというような状況になっているところでございます。農林水産省といたしましては、この譲与税について、森林整備などに計画的に活用されるよう、全国いろいろな優良事例が出ていますので、そういったものを収集、共有し、市町村の説明会等に職員を派遣して対応するなど、また、地域林政アドバイザーということで市町村の体制強化を図るとか、そういった取組を引き続き進めてまいりたいと考えているところでございます。
○重徳分科員
ちょっと一部報道で、五百億円これまで配分されたけれども、半分は基金に積み立てられているだけだというような、ちょっと意地が悪いというか、現状を厳しく指摘した報道も見られるわけです。私としても、森林環境税を推進してきた立場としましては、半分以上基金ですでは、これはもうこれから持続できないような制度になってしまいかねないというある種の危機感を持っていますが、基金がたくさん積み立てられているという、この要因をどう分析されていますか。
○小坂政府参考人
お答えいたします。報道にあるように、基金に五割積み立てられているところでございますけれども、市町村に聞き取ったところ、例えば、今後、森林整備に本格的に活用するんだ、でも現在は、森林所有者の意向調査とかそういう準備段階であるため執行額が少ないであるとか、さらには、譲与額が少ない市町村においては、複数年分をまとめて執行するんだ、そういったような回答がありましたので、実態としては、そういうところが原因になっているんじゃないかなというふうに考えているところでございます。
○重徳分科員
森林環境税は必要だと私は非常に思うものの、一方で、目的税というのは、常に、本来使われるべきではないところに使われているだとか、あるいは、今の話みたいに、基金に積んであるだけで全然使われていないとか、常にそういう厳しい批判にさらされるものであります。したがって、森林整備あるいは木材利用などの目的に沿った使われ方がきちっとされるように、林野庁からもしっかりと、リーダーシップを取って、発揮をしていただきたいというふうに思います。本当に、緩めると、やはり、各自治体によっては、ちょっと使い道がないから取りあえず積んでおけということも、これは実際に、各都道府県の、先行的に各県が進めてきた同様の税においても同じようなことが見られますので、そうした批判に耐え得るような、しっかりとした施策推進をお願いしたいと思います。私がこの制度導入当初から注文をつけていることが実は二点ありまして、その一つが、木材利用にこの森林環境税を使うということは、当然対象なんですけれども、ただ、例えば公共施設の建設を行うというときに、その木材は国産材じゃなきゃ意味がないでしょうということなんですね。国内の森林を整備するために日本国民から税金をいただいているわけですから、国産材を使わなきゃ意味がないだろう。そして、去年の予算委員会で、当時の武田総務大臣に、しっかり、その使途として、国産材を使った建築、建設をしているのか、あるいは外材になってしまっているのか、このこともちゃんと調査し、把握すべきだということを申し上げましたところ、武田大臣も、もう少し調査するべきだ、そして、国産材の利用実績も含め、譲与税の取組状況の調査については、その在り方について検討してまいりたいという御答弁をいただきました。この調査は行われていますか、調査結果はいかがでしょうか。
○小坂政府参考人
お答えさせていただきます。そのような国会の議論も踏まえ、市町村への聞き取りを行わせていただきました。令和二年度に、森林環境譲与税を活用して、公共建築物の木造化、木質化や木材製品の導入等が進められ、全国で約一万三千四百立方の木材が利用されており、このうち九割が国産材ということでございました。
○重徳分科員
九割国産材。結構多いという見方もある一方で、厳しく見れば、一割は外国産材じゃないかということであります。こんなことが、しばらくするうちに、やはり外材の方が安いしとかいうことで、どんどん広がっていってしまうようなことになったら、結局、この制度導入の目的がまたそれていってしまうという、国民からの、税金を負担されている皆さん方からの厳しい目というものが出てくると思います。ですから、税の趣旨からすれば、一〇〇%国産材じゃないとおかしい、これが本来じゃないかという声があると思うし、私もそう思うんですよ。この辺りについてはどのようにお考えですか。
○小坂政府参考人
お答えいたします。九割ということについては、森林環境譲与税を活用した木材利用に関して、各地方公共団体、さらには受注した事業者の方々が、やはり森林整備及びその促進を図るという制度の趣旨を踏まえて取り組んだ結果だというふうに認識しております。外材につきましては、例えば強度など、構造上求められる性能等を考えると、やはり外材じゃないとというような場合もございます。そういったことで使用されている事例もあるんじゃないかなというふうに思っているところでございます。
○重徳分科員
本当は、もっともっと強権を発動して、もう全部一〇〇%国産材にすべしというふうに言うべきではないかという私の意見を申し上げておきたいと思います。さて、今日は資料を配付させていただいております。私が言いたいもう一点なんですけれども、森林環境税、現時点では譲与税でありますが、この資料の一枚目は、譲与額の全体の中の上位二十団体のリストとなっております。これを見ますと、一位から二十位を見ますと、この赤で囲ってあるところ、これが政令市なんですね。つまり、トップ二十の中の、何のことはない、大都市が十か所、半分なんですよ。金額も、横浜市の三億円を頂点に、かなりの金額が行っている。結局、森林面積は、もちろん、浜松とか静岡とか京都、広島、この辺りは森林面積が結構あります。だから、もちろん面積も大きな市が多いですから、それを否定するつもりはありませんが、やはり、横浜市、五百十七ヘクタールでしょう。これは二、三キロ四方ぐらいですよ。このぐらいの森林があるだけで三億円とか、大阪市に至ってはゼロですよね、面積が。そして、名古屋市も百五十六ヘクタールしかない、一キロ四方ちょっとぐらいしかない。そこに、名古屋の場合は一億八千万円以上出ているということであります。要するに、人口割が多過ぎるんじゃないかということです。もう一枚。二枚目を御覧ください。今度は、これは、私有林人工林面積、要するに、森林の面積がゼロというところの中で譲与額が多い方からトップ二十を並べておりますが、この第一位は大阪市で、先ほど申しました。政令市ですからね、人口が非常に多い。だけれども、その後も、この赤で囲んでいるのは東京二十三区。このトップ二十の中の十二団体は東京二十三区なんですよ。第二位、世田谷区ですね。世田谷区は七千三百万円配分されておりますが、これは以前、私、本会議でも指摘したことがあるんですけれども、私の地元岡崎市よりも、岡崎市は、合併して、面積の半分は山なんですよ。そういう場所だけれども、世田谷区の七千三百万、岡崎市は六千八百万ということで、別に岡崎市のことだけ言うつもりはないですが、分かりやすい比較なものですから、これを前から言っております。こういったことで、もちろん、人口が多く、かつ森林面積も広いというところはあります。それはそれでいいと思います。ですが、先ほどの、単に木材を利用する、建物を建てるというだけでは、一割多いと見るか、少ないと見るかはありますが、やはり国産材以外の木材だって使われるわけですよ。したがって、本来であれば森林面積に応じてだけ配分してもいいぐらいなことが、この森林環境税の趣旨なんじゃないかと思います、極端に言えば。少なくとも、現状を見ると、今、大臣、御覧いただいたとおり、やはり政令市だとか東京二十三区とか、そういうところがかなりの金額を配分を受けている、こういう実態であります。森林環境税の大きな目的というのは、日本の国土の三分の二は山なんです。日本というのは山国なんですね。この山、森林を守らなきゃいけない。そして、最近では、森が荒れ過ぎて、しかも、気候変動によりまして集中豪雨が降りやすい。そうすると、一気にその雨水は大都市部に流れてきて、結局、被害を被るのは都市部に住んでいる皆さんなわけですね。ですから、そういう意味でも、森林環境税というのは、都市部の方々に負担いただいて、それを中山間地域とか森林地域に手厚く配分する、こういうものであるべきではないかと私は思っております。大臣に、こういった趣旨から、人口割、今三割です、三割は人口按分をされているわけですが、これを見直すお考えはないかということをお尋ねしたいと思います。
○金子(恭)国務大臣
実は、私は林家の息子でございまして、この譲与税が導入される前も、林政、山村の方の責任者もやったことがございまして、今おっしゃったこともよく理解をしておりますし、導入直前も、それから導入後も、そういう議論があることは承知をしております。その上で、私は総務大臣として答弁をするわけでございますが、森林環境譲与税の譲与基準につきましては、これまでの衆参両院の総務委員会の附帯決議において、各自治体の森林整備の取組や施策の効果を検証しつつ、必要がある場合には、所要の見直しを検討するとされているところでございます。森林環境譲与税を活用した事業の効果を検証するためには、地域の実情に応じた様々な取組の実施状況を見極める必要があると考えております。これらを踏まえ、しっかりと検討してまいりたいと思います。
○重徳分科員
必要があれば見直すということでありますから、必要性をしっかりと感じ取っていただきたいと思います。私自身も、しっかりとこれからもこの税の運用についてはウォッチをしてまいりたいと思います。さて、三点目です。EV、電気自動車についての議論をさせていただきます。これは、総務委員会というか総務大臣所管の委員会でありますので、税制や、ちょっと金目の話を通じた議論をしてみたいと思います。今、カーボンニュートラルということで、自動車産業は百年に一度の大構造転換期であると危機感を持っております。ですから、私も、この自動車産業に関する、特にEV化に関する様々な課題について常々指摘をさせていただいております。日本が百年かけて積み上げてきた物づくり技術、この継承と発展ということが日本の命運を左右すると思っております。今、まさにカーボンニュートラル、あるいは自動車に関して言えばEV化だという流れは、EUとか中国が主導したがっている。そして、日本はエンジンとかハイブリッドといった技術では世界トップレベルでありますけれども、これが、バッテリー、電池を使ったEVになりますと、世界的に見て優位性が必ずしも十分にあるとは現時点では言えない段階であります。そういったことに対して、急激にEVに転換されてしまうということに対して警鐘を鳴らしているところであります。EVというのはまだまだ課題が多いんですね。例えば、価格が非常に高いです。それから、ガソリンであれば、三分もあれば満タンにできますけれども、EVは充電です。充電は、急速充電でも三十分かかっても満タンにならないと言われております。家で充電すれば、一晩かけて、十何時間かけて充電できるということはあると思いますが、外出中なんかはいろいろと不便が多い。そして、実際の走行距離というものも、今のところさほど長くはない。さらには、これは根本的な、本質的な問題ですけれども、電気自動車に充電しているその電気というのは、結局、日本の場合は火力発電が大半でありますから、車から排気ガスを出さない代わりに、遠くの発電所でぼんぼん石炭をたいたCO2がどんどん出るわけですね。そういった構造的な課題というものもあります。そういったことから、日本の技術を大事にしながら、新しい燃料、水素燃料、こういったものも、いろいろな選択肢を並行して考えながらやっていくというのがカーボンニュートラルに向けた本来の道ではないかと考えております。これを前置きをした上で、経産省、お越しいただいておると思いますが、これまで多額のエコカー補助金という形でEVの購入を支援してきたと思いますが、その執行実績について御答弁願います。
○新川政府参考人
お答え申し上げます。経済産業省では、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車等につきまして、導入初期段階にあり、需要創出や車両価格の低減を促すため、購入補助を実施をしております。その中で、電気自動車に対する直近三年の交付実績を確認いたしましたところ、平成三十年度は約七十八億円、令和元年度は約八十一億円、令和二年度は約三十九億円の交付となっております。
○重徳分科員
今お聞きしただけでも、三年で、どうでしょう、二百億円近くということですかね。といった非常に多額の補助金でEV購入を推進しているという形です。よしあしは別として、二百億円近くで購入補助をしているわけです。EVというのは、先ほど言いました、そうはいっても高いんです。だから、どちらかというと、高所得者というか、ゆとりのある方が購入される傾向があると思います。それから、充電も、自宅で充電できるというのは、すなわち戸建て住宅でありますから、都市部の集合住宅にお住まいの方々、もちろん低所得の方々にはなかなか手が届かないという代物で、余り悪く言うといけないかな、といったものであります。一方で、今、ガソリンの価格も上がっていますよね。だから、これまでのガソリン車とかハイブリッド車に乗っている方々は、やはりガソリン価格が上がって苦労されているわけです。そういう中で、我々は常に、トリガー条項を発動してガソリン税を引き下げるべきだという主張をしておりますが、政府はなかなか動かない、こういった状況であります。こういった意味でも、ややバランスに疑問があると言わざるを得ない状態にあります。そして、税制の面でもかなりEVは優遇されておりまして、取得時の、昔、かつて自動車取得税と言われていた自動車税の環境性能割、EVは非課税、ゼロですね。そして、EV以外の車両は平均三万九千円ほどと言われております。自動車重量税、国税でありますが、初回の車検のときで考えると、EVはゼロ、免除されております。例えばカローラのようなガソリン車でいうと、三万六千九百円といった自動車重量税。それから、毎年かかる自動車税、種別割と言われるものですね。これも、EVは二万五千円なんですが、それ以外の平均税額は三万三千八百七十円ぐらいだと言われております、試算によりますとね。そうすると、毎年の自動車税だけ考えても八千八百七十円の差があるという試算になります。仮に、今、日本で課税をされている対象の車というと、国内に三千五百万台ぐらいあるんですが、これが全部EVに転換して、そして、かつ、今の税制のままだと、簡単な試算をしますと、自動車税で、今言ったように八千八百七十円の違いが一台当たりあるわけですから、三千五百万台を掛けますと、年間三千億円以上の減収になる。これは地方税ですね。それから、ガソリンを使わなくなりますから、揮発油税で、国税で二兆円、それから地方税で二千億円。さらに、軽油引取税、軽油で走る車には、地方税、九千億円ほどかかっています。今の税率を前提とするもののこういった大幅な税収の減といったもの、税収に大幅な穴が空く、とりわけ地方税にも大きな影響がある。こういったことについて、大臣として、若干将来的な話、段階的に進む話でありますが、こういった危機感も持ちながら、危機感というか、税体系を変えなきゃいけないという問題意識も持っていただきながら取り組む必要があると思うんですが、いかがお考えでしょうか。
○金子(恭)国務大臣
重徳委員御指摘のとおり、EVの普及に伴う地方税収への影響としては、EVは軽油を使用しないため軽油引取税の負担がないこと、また、内燃機関を持たず、総排気量の値がないため自動車税種別割で最低税率を適用していることから、御指摘のとおり、EVが普及してまいりますと、地方税でも自動車関係諸税の税収が減少していくものと見込まれております。自動車関係諸税の在り方については、住民に身近な行政サービスを提供している自治体の貴重な財源となっていること、与党税制改正大綱において、カーボンニュートラル目標の実現への貢献を始め、中長期的な視点に立って検討を行うこととされていることなどを踏まえ、政府としてもしっかりと検討していくべき課題であると考えております。
○重徳分科員
電気自動車は、一般的に重量も重いと言われております。道路への負担も、要するに、道路が損傷する割合も高くなるというのかな、その程度が激しくなると言われております。そういったことのためにも、税収確保は必要だと思います。ありがとうございました。