2021年3月12日(金)八丁味噌GI問題への第三者委員会報告 | 『現場に飛び込み、声なき声を聴く!』 しげとく和彦のブログ

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S45年生れ。衆議院議員候補(愛知12区岡崎・西尾)。元総務省職員。H16年新潟県中越地震で崖崩れ現場からの2歳男児救出に従事。22年愛知県知事選(次点)。H24年に初当選。H26年、H29年無所属で3選。

八丁味噌の老舗2社(カクキュー・まるや)だけが地理的表示保護(GI)登録を外れたという、いわゆる「八丁味噌GI問題」で、3年前、老舗2社(八丁組合)は農水省に対し不服審査請求を提出しました。

これを受けて同省に設置された第三者委員会の報告書が出されました。

 

結論は、「違法・不当な処分とは言えない」「処分庁(農水省)の判断は適当」。

以前から指摘しているように(※下記国会質疑)、この農水省の第三者委は、委員の第三者性を担保する仕組みがなく、会議は非公開で、事務局もGI担当課に置かれているのですから、この結論は想定内です。

 

問題は、地域内の争いに調整がついていないのに、一方(しかも元祖でない方)に登録を認めた農水省の判断が、そもそも一見明白におかしいことです。

全国どこでも、地域内のブランド争いはしばしば起こり、その調整は難航するものです。

争いが未調整のまま下されたこの判断が、法手続き上問題ないと言うのなら、法律が不備であり、争いを調整した上で登録しなければならないルールに変更すべきです。

 

農水省は、八丁組合が途中で申請を取り下げたから、他方の組合を登録したのだと弁明していますが、農水省は八丁組合に対し、取り下げのリスク(他方の組合が登録される可能性)をどこまで説明したのでしょうか。

数百年の歴史をもつ老舗企業を窮地に追い込むような行政判断は、果たして法の趣旨に沿うのでしょうか。

 

一体、誰のため、何のためのGI制度なのか、問われる大問題です。

農水省の「世紀の失政」が、この後どういう道筋をたどることになるか、引き続き、見届けていかねばなりません。

 

 

※2020年3月24日農水委(「第三者委員会」の第三者性が欠けていると指摘)

 https://www.youtube.com/watch?v=fl6slY9nOyA

https://ameblo.jp/shigetoku2/entry-12584446902.html

 

※2020年4月2日総務委(他制度における第三者性を担保する仕組みとの比較)

https://www.youtube.com/watch?v=QUW4d9jP13U 

https://ameblo.jp/shigetoku2/entry-12586565978.html