豚コレラ拡大は一途、政府は打つ手なしの状況が続いています。ならば、国会主導で。
10月4日からの臨時国会に向け、豚コレラ対策の法案提出を準備しています。
豚へのワクチン接種、野生イノシシ対策、養豚農家への経営支援、アフリカ豚コレラを視野に入れた衛生管理の強化、という内容です。
今日は国民民主党の会議にお邪魔し、法案の検討状況を説明させていただきました。
ワクチン接種で風評被害や価格下落を懸念する声がありますが、人体に影響ないのはもとより、もともと豚には数種のワクチンを打っている(15年前までは豚コレラワクチンも打っていた)ことなど、きちんとした説明が必要ですね。
豚コレラの「非清浄国」扱いとなった場合に、他の非清浄国からの輸入圧力に対抗するため、ワクチン接種は事態の収束と早期の清浄国復帰を目指すためのものであることを明記し、外交交渉の後押ししたいと思います。
篠原孝衆院議員(長野1区)が提出済みの法案(違法食肉持ち込み者の入国拒否)も合わせて、国会で審議したいと考えています。
有識者ヒアリングでは、日本家畜衛生学会理事長の白井淳資先生(東京農工大教授)から以下の話を聞きました。
・かつての急性豚コレラと異なり、今回は慢性コレラであり、感染したイノシシがすぐに死なずに走り回って感染を拡大させている。ただし今回のコレラは消毒に弱く、衛生管理の徹底が有効。
・イノシシは移動距離が短く、経口ワクチンをベルト状に散布することで本来は拡散防止できるはずだが、今回はイノシシの多い長野県に入ってしまったことで事態は悪化。
・今の状況では、ワクチン接種するしかないだろう。ワクチン接種は、何より「農家の安心」。
・政府が検討するマーカーワクチン(ワクチン接種豚と感染豚の区別可能)は、有効性や安全性の検討に期間がかかり過ぎ、非現実的だろう。
・オランダでは豚コレラが発生したら、まず発生地域の豚にワクチン接種し、その上で衛生管理を徹底して根絶していく。ドイツはワクチン接種せず、陽性イノシシがなくなるまで10年かける。
・ワクチン接種による風評や価格下落への対策は、国会でぜひ考えてほしい。
・飼養衛生管理基準の徹底のため、家畜保健衛生所が養豚農家をまわっているが、農家側が職員を入れたがらないケースもある。コミュニケーションを上手にとる必要がある。地域や消費者にも風評に左右されず正しい理解と協力を求めるべき。出入り業者も基準を厳守させるべき。