『シネマ』楽曲解説

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さて、『シネマ』をご購入いただいた皆様ありがとうございます。

いかがでしょうか?楽しんでいただけていますでしょうか?

手に取ってくれた皆様の明日になっていれば幸いです。

 

ここでは『シネマ』収録楽曲の解説をお話したいと思います。

そうすることにより、一層重田ワールドを堪能できるのではないかという企画でございます。

ライブのMCでもあまり楽曲のことを語らないもので少し恥ずかしいのですが、頑張ります!

 

1.四面楚歌

この唄も随分長く歌っているように思います。

当時の重田の心情を呪いのようにあらわすことができました。

たぶん22歳頃。自分は何か。生きる価値。普段の生活を送る自分と人前で歌う自分の心の置き場に戸惑い、ライブをした次の日の生活のフィードバックに耐えきれず混沌とした毎日を送っていた時、今は無き十三テハンノにて。ラウンドヘッドのフロントマン筒井トシアキさんのライブを観ました。それもう衝撃的でした。あの時の衝撃はまだ覚えています。

きっと僕がこれから唄を歌っていくためにはこの人を越えなければならない。その気持ちは絶対に忘れてはいけないと感じ、帰宅後、2時間程で完成させました。

衝動のまま叩き上げた唄でした。これからも歌い続けたいと思っています。

 

アレンジ面では本当に苦労しました。

独りですでに完成していたので楽曲の中で一番時間がかかったと思います。

電子音楽との融合とギターよりも主役を飾るヴァイオリン。

重田なりのフォーク色を振り払い新しく、しかし芯は決して揺るがないことを目標にアレンジを考えました。

 

「彼らは今この瞬間を生きています。

未来も過去も考えることはありません。

いつも一瞬一瞬を飛び回っているのです。

彼らはとても健全に見えます。

小さな獣のように美しくも見えます。」

 

「彼らは目的をみつけられるでしょうか。」

 

「そう願います。それは私自身の抱える問題でもあるのです。」

 

2.陽炎

収録曲の中で一番新しい唄です。

レコーディングの一か月前に急遽録音が決定しました。

その切はメンバーにご迷惑をおかけしました。。。

激しい楽曲が四面楚歌だけではバランスが取れないのではないかという議論になり、

ならばとその議論の前日にできたばかりのまだ推敲もしていない陽炎を披露したら

「これやろ!」となり収録が決定。笑

 

ただただ重田が「陽炎」という言葉を使いたかったがために完成しました。笑

何も考えずに歌詞を書くとなんだか愚痴みたいになってしまったように思います。

 

アレンジ面ではとても大胆なことをしたように思います。

聴いていただければわかるのですが、明らかにロック色の強い楽曲のなか存分にエレクトロ感を強調しています。

正しく3拍子が刻まれる裏でフィルターをリアルタイムでぐにゃぐにゃに操作し、フレーズの拍子自体もポリリズムになっております。

めちゃくちゃアイデアに富んだアレンジで重田自身もめちゃくちゃ気に入っております。

皆さんにも楽しんでいただければ幸いです。

 

3.光

太田信吾監督「わたしたちに許された特別な時間の終わり」

という映画に感銘を受け描きました。

増田壮太さんという唄歌いに密着したドキュメンタリー映画。

撮影の途中に増田さんは自殺という形でこの世からいなくなってしまいます。

残された人達の生。そして増田さんの命がこの映画には詰まっています。

奇妙な縁で出会ったこの映画を観ている途中から制作が始まり、映画が終わったすぐに完成しました。

誰もが一度は自分が生きる意味、なんのために生きているのだろうか。ということを考えたことがあると思います。

明確な答えというのはまず無いものであり、それでも僕らは生きるためにその一瞬一瞬に答えを見出し、時には縋り、時には救われます。

この映画を観終わったとき、僕はこの一瞬にひとつの答えを見出しました。

あくまで抽象的ではありますが、生きるというのは光ること、光続けるということではないかと思ったのです。

 

この楽曲もたくさん時間をかけました。

3パターンくらいかな?アレンジを変えてみたりするも納得がいかずを繰り返し、

今回の収録したアレンジにしました。

聴きどころは楽曲全編に敷き詰められたノイズです。

これがたまらん!光というタイトルなのに闇がうごめいています。

たくさんの孤独が表現できました。でも僕らはそれでも飛び続けなければいけません。

明日のために。

 

 

4.ハロー、グッバイ、ハロー

今回のアルバムの中でのダークホース。

今まで創ったことのないような楽曲に挑戦しました。

僕なりの言葉遊びを散りばめて楽しく完成させましたのですがいかがでしょうか?

リズムマシンを使用してシンセのフレーズを敷き詰めて優しい高揚感を生み出せたと思っています。

 

5.シネマ

今回のタイトル曲です。

この唄が完成した時点でアルバム制作の決意ができました。

実は扇町パラダイスのことを歌っています。

パラダイスに行くと必ずと言いますか、最近はこれでも少なくなったのですが、

気付いたら朝になります。笑

そしてその日の予定を確認しながら「あぁ、早めに帰ればよかった。。。」と後悔するのですが

シャワーを浴びて布団にもぐりこんで、お酒を飲んで沢山の話をしたことを思い返すと

自然と笑顔になり、「楽しかったなぁ」なんて思いながら眠るのです。

そんな暮らしの唄でございます。

 

いつも独りで歌う時のイントロのフレーズは実はANALOG4ナカヤマタカトが編み出したフレーズなのです。

今回の音源でこの楽曲のアレンジを開始した当初の構成を実現できてうれしい限りです。

夕焼けの土手で聴けばまったりできるかも。。。?

 

6.我ラ闇ノ途中

四面楚歌同様、衝動的なまま叩き上げました。

それは3年くらい前だと思います。

難波ロケッツにて出会った唄歌い、山口進さんの唄を聴いた時にこらまた負けてらんないと

いうことでそのライブから帰宅後完成させました。

 

道程という詩がありますが、まさしく目の前は真っ暗闇です。

僕ら死ぬまで闇の途中。逆を言えば光は己。

どんな軌跡を描いていくのだろうか。

 

この唄はギターと唄を同時に録音する、完全一発録音です。

バンドでのアレンジやリズムマシンとの融合もたくさん考えましたが、

やはり楽曲の色や僕自身のこの唄に対する心情を手繰り寄せた時、

いつものように歌い上げるのが一番だと思いました。

 

7.雨のせいにはしたくない

ASKAの「月が近づけば少しはましだろう」という唄がありまして

その歌詞の一節に

「恋人も知らないひとりの男になる」

というのがあります。

なんて孤独な言葉なのだろうか。愛し合う者同士でさえ、確かめられない部分があるなんて。。。

しかし、当時の僕はこの言葉にめちゃくちゃ救われました。

なんといいますか。僕ら人間は孤独だからこそ、独りだからこそ人を愛することができるんだと思います。

わかりえない部分を理解するのではなく、認めていくことなのだと思います。

理解することや理解されることにこだわってとても苦しんだ時期がありまして

そんなときにASKAの唄を聴いて救われました。

そして改めて己の孤独と向き合いながら「雨のせいにはしたくない」を完成させました。

 

全編に響く雨の音(こだわりぬいた雨です:ANALOG4談)

前編は完全の独りで歌い上げ後編から優しく楽器が流れ込んでいきます。

特にドラムにはこだわりました。フレーズというよりも情感を求めました。

ヴァイオリンに関してはもう皆さん聴いていただいた通りです。

 

8.エンドロール

最後にぴったりなタイトルですね。

これも完全一発録音です。

 

この唄は重田の人生史上一番幸せな時に完成しました。

あまのじゃくな人間でして、とても幸せを感じている時、ほんの些細な孤独にとってもとっても敏感になってしまいます。その逆も然り。

少し悲しすぎるかな。でも正直な気持ちです。

 

 

さて、こんな感じです。

シネマが長く聴かれる音源になることを祈っております。

また疑問などがあればお気軽にお聞きください。

HPメールでも、SNSからでも、直接でも。

 

では。