コラボ企画 第5弾

   「好きな映画を紹介し合うぞ(仮)」

 

  「去年マリエンバートで」

      難解の極致・美の極致

 

 

冷やっこさん(hiyayaxtuko121063)とのコラボ企画、【好きな映画を紹介しあうぞ(仮)】

 

第5弾は、「去年マリエンバートで(1961年、フランス・イタリア合作)です。

実は、私が観た映画の中で、一番印象に残っている映画です。

長い間絶版となっていて、一時は2〜3万円くらいのプレミア価格となっていましたが、ついに復刻されました。が、一般受けする映画とは到底思えないので、また絶版必至だと思います。

この映画は、アラン・レネ監督作品で、モノクロームの美しさを存分に味わうことができます。

また、衣装はあのココ・シャネルがデザインを担当(実際はベルナール・エヴァンと言われています)しており、衣装の美しさも特筆ものです。

 

脚本を書いたアラン・ロブ=グリエは、黒澤明の「羅生門」に触発され、芥川龍之介の「薮の中」を下敷きにしたそうで、「薮の中」と類似性があります。1960年代初頭に流行した難解映画の中でも断トツの難解な映画です。

ストーリーは、主人公の男Xは、城内で女Aと再会する。Xは去年マリエンバートで会ったと語りかけるのだが、Aは記憶していない。しかし、AはXの話を聞くうちに、曖昧であった記憶を取り戻していきます。Aの夫であるMは、「去年マリエンバートで」実際に何が起こっていたのかを知っていました。



キャスト


 

この映画は、難解だ、退屈だ、作為的過ぎる、つまらないという類の映画ではないと考えます。何よりも先に、綿密に計算され尽くした映像美の中にどっぷりと浸かって、その美を享受し、人の心の頑なさが如何にして寛解していくのかを確かめてください。