横浜市林文子市長と 日産 | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

横浜市林文子市長と 日産

横浜市林文子市長と 日産

 

日産の無資格検査報告書問題が、明るみとなり大きく報道されている。

 

不正は悪質であり、その悪しき慣習は永きにわたり続いており1999年、カルロス・ゴーン氏が 最高執行者になった後も、続いていたという。

https://mainichi.jp/articles/20171118/ddm/003/020/080000c

 

以前、トヨタ自動車社長の役員報酬が2億円台であることに比較し、カルロス・ゴーン氏の役員報酬の年収が10億円をこえることが妥当であるかという話題になったことがある。

 

しかし、今回のようなことが明るみになったことで、効率化優先のゴーン流が裏目に出たとして批判されても仕方がないだろう。

http://toyokeizai.net/articles/-/74434

http://www.sankei.com/economy/news/171117/ecn1711170052-n1.html

 

また、日産の根深い法令軽視、組織的な隠ぺい体質が永きにわたってきたこと、そして、不正発覚後の経営責任の取り方の中途半端さは、日産への国民の信頼回復を難しくしているともいえる。

 

この事態は、横浜市にとっても他人事ではない。無資格検査が行われ続けていた時期に、林文子市長は、東京日産自動車販売株式会社、代表取締役社長に就任していたと伺った。

 

就任していたことが事実であるならば、出来上がって、販売する車の安全性をチェックする完成検査を無資格の従業員が行っていたわけだが、その事実を知ってか、知らないか販売していた会社の最高責任者であったことになる。

 

無資格検査の車を販売することは、お客様へのおもてなしとは程遠い行為である。販売する側の最高責任者が、「その事実を知らなかった」では 通常すまされない。

 

ましてや、車の安全となると生命に関わる問題である。今回の経営陣の責任の取り方の中途半端さも 危惧する点である。

 

横浜市では、戦略的企業誘致の一つに、林文子市長自身の出身元である日産も参入している。

http://www.city.yokohama.lg.jp/keizai/yuchi/support/topseminar201503.html

 

1024日の記者会見で 林市長は、日産自動車が 国内向け車両の出荷を停止した問題について、「市内の中小企業に影響が出ないか、状況をしっかりと注視したい。いざとなったら市として必要な支援をしたい」と、日産などへの支援を強調している。

 

さらに、「日本の製造業全体への信頼が揺らいでしまうのではないかと 大変心配している」と指摘し、「全容を明らかにし、原因究明と再発防止にしっかり努めて信頼を回復してほしい」と言及したとある。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22651200U7A021C1L82000/

 

しかし、林市長が日産の役員であった時代から、無資格検査は行われていたとしたら、この発言を不自然と感じるのは、私だけではないと思う。

 

林市長は、今 明るみとなり報道などで「法令軽視の隠蔽体質温存の日産」と、取り上げられている組織から、横浜市市長への転身であったわけだ。

 

今年の830日に、読売新聞や日本経済新聞に掲載された 横浜市のコンプライアンスに対する郷原信郎弁護士のコメントについて、私のブログでも言及させて頂いた。

https://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-12311701760.html

https://ameblo.jp/shigeo-kanou/entry-11111818307.html

 

横浜市コンプライアンス外部評価委員を排除してきたという、林市政下の8年の横浜市コンプライアンスが劣化した歴史についても、この事態が明るみなったことで、ある意味よく理解できるようになった。

 

「林市長に期待したい!」との 声があるが、結局、日産の根深い法令軽視、組織的な隠ぺい体質が踏襲されてきたとなると、これは横浜市行政にとっては深刻な問題である。

 

横浜市のコンプライアンスは、15年経過してもよくならない。「告発した者は逆に、排除される」と、私に相談してくる職員の方達からの声は、残念ながら今もなお、途切れることはない。