横浜市林文子市長の記者会見から
横浜市林文子市長の記者会見から
横浜市役所の女性の人権
5月17日の神奈川新聞の2面は非常に印象的だった。日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「従軍慰安婦は必要だった」という発言に対する林文子市長の記者会見で述べた主張と、超党派の女性国会議員の抗議の会見が掲載されていた。
超党派の女性国会議員「女性は性の道具ではない」「すべての当事者を傷つけるだけでなく、日本全体に対する侮辱だ」などと抗議したとあった。一方、林文子市長の橋下市長に対する批判も手厳しい。以下、神奈川新聞の記事を一部引用する。
「女性の立場から考えれば、人権、人格を否定するもので、思いやりが感じられない。非常に残念に思う。」「想像力がないなどの感じがする。」「パワーもある人なので、立場を慎重にお考えになった方がいい」とまで批判している。
さて、平成24年6月20日の記者会見で、林市長ご自身が、横浜市役所内部で実際に起きた、女性の人権が否定された保健所長のセクハラの事件で、どう答えになったかをまず、橋下市長を批判する前に思い出すべきではなかったのか?
女性の下半身を触った保健所長が、なぜ懲戒処分にならないのかという疑問を記者は投げかけている。以下、一部を添付する。
記者: 保健所長のセクハラの件ですが、まず、処分は妥当かどうかについて、疑問を持たれている方もいらっしゃいます。セクハラで懲戒処分を受けている一般職員の方もいる一方で、豊澤さんは注意処分と、何が違うかさっぱりわからないのですが、その辺いかがでしょうか。何が違って、こういった処分なのですか。
市長:分限懲戒審査委員会での審議を踏まえています。(職員による不祥事等については)必ずこの会議を開いていますが、そういった市の見識もあり、しっかりと仕事をしている人達に(委員会で)審議いただいていますので、今までの基準に基づいて厳正に判断し、対処してきたと思っています。
記者:大変言い方が悪いかもしれませんが、幹部の方ということで、お互い良く知っている人達が審査をしているわけで、そうすると御説明いただかなければ、何となく不透明な感じがしますが、全く説明ができないというのは、理解ができません。
http://www.city.yokohama.lg.jp/ex/mayor/interview/2012/120620.html
結局、林市長は記者の質問の意味がわからないとまで言っている。とても、人権を踏みにじられ、傷ついている女性職員の立場を考えた上での思いやりのある発言だったとは思えない。
未だに、保健所長は女性職員達に対して謝罪など一切していない。また、市長からもそのような指導がなされたとも聞いていない。つまり、林市長には、橋下市長をそこまで、批判する資格はないと思う。
また、横浜市議会では、超党派女性議員からも、最高幹部の不祥事に対する公の抗議等は皆無だった。女性の経営責任職からも一切声はなかったと認識している。
社会的地位を得た横浜市の女性達の姿勢がこれでは、いつまでたっても、横浜市において女性の人権が本当の意味で向上することはないのでは?非常に残念に思う。