そして恋が降ってきた【後編】
<第十六章>帰還
翔の元にあずさから電話があったのは、
午前10時ごろだった。
仕事がちょうど切れたタイミングだった。
「どうでした?」
彼が尋ねると
「ばっちりよ。」と彼女は応えた。
「今から昼の1時くらいに着く飛行機に乗るから
あとはよろしくお願いします。」
「了解。」
翔はそう言うと、
電話を切ってタカヒトへと掛けた。
「ヒロさんとトモコさんが昼にそっちに着くらしい。
トオルくんに伝えといて。」
「分かりました。どんな感じです?」
「今のところは上手く行ってる。
あとはトオルくん次第だ。」
「・・・・伝えときます。」
タカヒトが言うと、電話を切る。
これからが、本番だった。