いばら姫LOVE AGAIN
<第二十四章>呪いが解けて その後
後日予定通りにMRIが行われ、
検査結果は“異常なし”だった。
退院できると思うと、雅はうれしかった。
上司に連絡し、
翌日の頭から出社できる旨を伝えると
喜んでくれた。
「いや、山中さんが居てくれないと
会社が回らなくてね。」
そう言ってもらえると、お世辞でも嬉しい。
内藤くんには、ラインを送ることにした。
『全て思い出しました。
夫の事を愛しているので、内藤くんの気持ちには応えられません。
ごめんなさい。』
雅はそのラインを送信すると、
ユウに画面を見せた。
「私、彼にはまったく惹かれなかったよ。
ユウにだけ、あんなに心を許してたんだよ。」
ユウが苦笑いした。
「あの時は、意地悪言ってごめん。」
自分だって、本当の事を言わなかったのに、
彼女を責めた事を、
彼は本当に悪かったと思っていた。
何も覚えていなくても
お互い惹かれあうことは、
定められていたのだと思う。
雅の退院の準備を手伝いながら
ユウはそんな事を考えていた。